アイカツオンパレード! 12 話『ハピラキ☆クリスマス』感想
We wish you a Merry Christmas and a happy New Year ! な『アイカツオンパレード!』 12 話。
"文脈" を束にして殴りかかってくるようなお話。"文脈" による絨毯爆撃。
例によって例のごとく、お祭りモード全開で特にこれと言った太いエピソードはなし。
今まで出てきた全アイドルが集合!というわけには行かないけれど、少なくとも画面に映った名前付きアイドルの数は余裕でシリーズ最多なんじゃなかろうか(ちゃんとカウントしてませんが)。
それに伴う『アイカツ!シリーズ』史上最大規模の "キャラの渋滞"。それを捌いていく手腕にもご注目!
正直、こんな大イベントのメイン MC を任されるまでのドラマが何もないっていうのにビックリですよ!?
らきちゃんは勿論、ノエルちゃんだってどんなアイカツ!してきたのかこっちは知らないんだからな!?
多分観えない所でまどかちゃんが相当フォローしたんだろうなって脳内補完しておきます。ていうかそういう所にお話を作っても良かったんじゃないかな……ここ 2 話特に何もしてなかったんだし……。美月さんや LMT や各主人公の誰かが推薦したのだろうか とか、それともパソくんが選んだのだろうか とか、エルザ様は反対しなかったのだろうか とか、ネタも結構ありそうだし。
これから 1 クール目終盤の大イベに向けて展開していくので、その為に足場を作っておこうという感じだ。そういう意味では前回のお話も、3 つの世界をまとめて、足場づくりの前の整地をやったようなものと考えられるので、2 話 1 セットという見方もできる。
アイカツオンパレード! 10 話『アイカツ!トップガン!』感想 - アニメ雑感記
9 話から今回までの 4 話の意味を改めて考えてみると、単純に舞台を設定し直したという感じだろうか。
『姫石らきの物語』という視点では(エルザ様や美月さんとの絡み以外)特段これといった動きはなかった。その代わりに尺が割かれたのはラスボスオンパレード!であったり、"コラボフレンズ" の先駆けとしての『大空ドリーム』だったりで、主にオールスター作品としての要素を推し進めた感じだ。私は "らきちゃんの成長"・"なんちゃって SF ミステリー"・"オールスター展開" を勝手に『オンパレード!』の三大要素とみなしているので、6-8 話で "らきちゃんの成長" を、9 話で "なんちゃって SF" を、10-12 話で "オールスター展開" を、という風に考えれば、まぁいい感じに辻褄が合う解釈ができる。
視聴する上で助かったのは、"金髪ロングキュート" の 2 代目と 3 代目こと、ひめ先輩とカレンさんが今回のイベントをまとめてくれたことだ。ここのやり取りをメタ的に噛み砕いてしまえば、"「新しい扉を開こう」の名の下にお祭り展開・オールスター展開を一気に推し進めてくれたおかげで今後のコラボがしやすくなった" とかそんな感じだろうか。
それにしても「刺激を与えあって、益々高めあって」というセリフからは神城カレンみを感じられてよかった。似たようなポジションだけど、ひめ先輩とはやっぱりどこか違うところがいい。それを感じられるセリフ交換だったように思う。
色々盛りだくさんで、情報過多で、文脈の濁流に呑み込まれそうになる今回のお話だが、それを仕切ったのはらき・まどか・ノエルの 3 人からなる Angel Sisters と、きいちゃんだ。
まどかちゃんは妹じゃなくて孫だろって言われるだろうが、まぁ "妹" ではあるからいいんだろう。ちなみに他の妹といえばさくら・スミレ・真昼・あいね・舞花・かぐや等がいるけど、まぁどの子もそこまで "妹" って感じはしない気がする。兄姉といる時は妹になるけど。
個人的にはきいちゃんに拍手を贈りたい。美月さん等の各ラスボス達・いちごちゃん等の各主人公達・他にもあおい おとめ さくらといったキャラクター等々、『シリーズ』史にひしめく並み居る "運営キャラクター" を押しのけて、"5 校合同フェス" という『シリーズ』史上最大規模の大イベントを成功に導いたその姿は、とてもとてもかっこよかった。10 話からの流れ的には LMT や美月さんが仕切るのが自然っぽいが、そこを無視してきいちゃんに割り振ったのはめちゃくちゃ正しいキャスティングのように思う。加えて自分でも最低 2 ステージは(作中でわかる範囲だけで)立ってるわけだし、やっぱきいちゃんはすげえ子だなって思う。
追記 19/12/23
ジョニー先生にお礼を言う時は "プロデューサー 冴草きい" だから眼鏡を掛けた状態だけど、ステージ上でマイクを持つ時は "アイドル 冴草きい" だから眼鏡を外す。こういう描写が大好きです。
わちゃわちゃやってたお祭り部分に関しては、正直全部拾ってるとキリがない。
なので気になった所だけ、かい摘んで感想を書いていきたいと思います。
まずはツリー伐採について。
だからこそ、崖登りが物凄く蛇足だった感じが否めない。 『スターズ!』における崖の文脈って大したことないからだ。 有り体にいうと、ここで引用した所で全く "エモさ" は感じられない。
アイカツオンパレード! 2 話『ワクワクインスピレーション』感想 - アニメ雑感記
『アイカツ!』にとっての崖はとても大切だが、一方で『スターズ!』『フレンズ!』にとっての崖はさほどでもなく、この辺の温度差はオールスターだからこそ気をつけて欲しかったなてのは重ね重ね思う。
アイカツオンパレード! 8 話『作っちゃお!ラッキードレス』感想 - アニメ雑感記
まぁそれなりの意味があることを期待してなかったといえば嘘になるが、と同時にある程度諦めていた部分でもあった。なので案の定というか、とりあえず "伝統" ってことで木を切り倒したことに関しては、「やっぱりかー」くらいにしか思わなかった。『スターズ!』に於ける "崖" と同じく、『フレンズ!』に伐採の文脈はないんだけどね……(斧単体ならともかく)。『スターズ!』の頃から大分ガタが来ていた "ツリー伐採" という文脈なので、こういう時に雑になってしまうのは上述の通り諦めてはいたんですが。
ただ、"寧ろ" という考え方もできることはできて。『フレンズ!』のみが伐採の文脈を持たないからこそわかばちゃんは斧を握れたのかな、と。あとはやっぱり、"大人の事情" で本来あった(であろう)活躍の場を大幅に奪われた(であろう)わかばちゃんに、制作陣からのせめてもの "プレゼント" なのかな?とも思ったり。
気合いを入れ過ぎた余り、サンライズパースは中途半端で、踏み込むところも無駄にショットが多かったりしたのは、正直気に食わなかったですが。
(文脈だけでなく)伐採そのものも雑だったことに関しては、お話自体が過去最高レベルに尺が限られてる上に、そもそも『星のツバサ』の時点で大分アレだったので、全く気になりませんでした。
クリスマス恒例(?)の何かしらのトラブル、今年は電球の発注ミスという結構リアルに大変そうなやつ。
キャラの渋滞ってことを考えると、ここで一気に大人ズをぶっ込んできたのは寧ろ良い判断だったように思う。というのも、今回だけに限らず『オンパレード!』全体で考えた場合、各アイドルたち優先で尺を割り振る為に、大人達に関しては基本ほとんど余らない というのが今までのお話を観てもわかる。例外はマスカレードや天羽先生のような超大物くらいだ。だからこそ、1 クール目終盤というタイミングで、お祭りテンションを活用することで大人達を一括処理するっていうのは、そこそこクレバーな構成に思う。
追記 19/12/23
逆に言えば、事ここに至っても出てこない瀬名さんもそこそこ役割あるのかもしれない(?)。
といいながら、ついこの間ローラに対する予想を外したばかりだからなぁ……。
一方で、なかなかどうして惜しい部分もあって。
というのも今回のトラブルこそ、あいねちゃんの力が発揮されそうな方向だったからだ。
世界線が統一されてからどのくらい時間がかかったのか(あいねちゃんが徘徊する時間があったのか)・スターハーモニーが他校とどのくらい離れているのか(『フレンズ!』商店街だけの人脈で賄えそうなのか) なんてのはわからないけども、しかしこういう "アイドルの手が離せなくて、アイドル以外の人手が欲しい" というシチュエーションは、あいねちゃんの人脈が輝く場面だったように思う。
先述のように、ここで大人たちを一気に描いたのは正解だったと思う。それに、あんましあいねちゃんが活躍しても、それは『オンパレード!』ではなく『フレンズ!』になってしまうだけだ。それなら各作品の枠を超えて、各作品の大人たちがみんな協力してくれた方が『オンパレード!』っぽさが出る。…………それでもあいねちゃんが活躍できそうな数少ないポイントだっただけに、凄く勿体なく感じてしまった。キャラを動かすってのは本当に難しい。
あと付け加えることとして、今回のコラボ全体を通して観た場合、作品間を超えた交流が思ってたより少なかったと感じた。ダイジェストの部分では色々と描かれていたのだが、セリフ付きで交流する所では セイラ × かえで や そら × ののリサ といった組み合わせで、作品間をクロスしないものであった(そらののリサは世代は超えてるけどセイラかえでは世代すら一緒)。珍しい組み合わせだから全然悪くはないんだが、なまじダイジェストで色々描かれていただけに、そっちの会話を観てみたかった感じがある。
諦めていた みくるアリア の植物コンビ(フレンズ?)もあったし。
ていうか全体的に観た場合初代勢の声なしは未だ続く感じで、今回やっとかえでちゃんが喋ったくらいで、ぽわプリの 3 人やユリカ様はまたもやセリフなしだった。この辺の捌き方も結構厳しいものがある。ユリカ様はゴシックで集める時にガンガン喋らせるのかもしれないが。まぁ堂島ニーナちゃんを始めとして、未だ画面にすら映ってない子も沢山いるので、いるだけでもマシと考えるべきか。
逆にというか、西園寺つばきちゃんや中山ユナちゃんを出してきてくれたのは、本当によかった。
ひめカレに挟まれるつばきちゃん、どんなイジりをされていたのかがとても気になる。
追記 19/12/23
ゆめちゃんがいるのは巨大ケーキを作る上で大きな戦力になりそう。
まぁ一番戦力になりそうな四ツ葉さんは、電球買い出しに行ってるんだけど。
そんでもってステージについて。
DA 4 人による『ハッピィクレッシェンド』と、ラッキーストロベリーによる『アコガレカスタマイズ☆』、そして『We wish you a merry Christmas』の 3 つだったわけだが、その話をする前にまずはクリスマス関連のステージのおさらいを。
仮に今回のステージ予想するとしたら、鍵になってくるのは『アイカツ!』の 62・165 話の 2 ステージがどうなるかっていうところだ。
アイカツ! 12 話 ……『We wish you a merry Christmas』流石に古すぎて、モデルが違いすぎる。
アイカツ! 62 話 ……『We wish you a merry Christmas』許容範囲だけどマリアちゃん不在がどうか。
アイカツ!114 話……『はろー!Winter Love♪』貴重な楽曲違い。ただしあかりちゃんが旧髪型。
アイカツ!165 話……『はろー!Winter Love♪』貴重な楽曲違い。ただし美月・いちごをどう合流させるか。
スターズ! 37 話 ……『We wish you a merry Christmas』4 人ステージをわざわざ使う理由なし。
スターズ! 87 話 ……『We wish you a merry Christmas』楽曲・メンバー共に無難。
フレンズ! 37 話 ……『We wish you a merry Christmas』楽曲・メンバー共に無難。
とまぁこんな感じである。
他にクリスマス関係といえば、楽曲的には『Angel Snow』なんかがある。が、これはステージセット的にクリスマスという雰囲気ではなく、『アイカツ!』本編での使われ方もクリスマスに無関係な感じだった。
後は次回予告のショットから『ハッピィクレッシェンド』はかなりの高確率で予想されただろう。
それ以外だとクリスマスに特別な文脈を持つ『そこにしかないもの』も十分あり得ると思った。
この辺のことを踏まえての、今回のステージ構成。『ハピクレ』と『アコガレ☆』は特に語ることはない。個人的には上記の理由から『アコガレ☆』よりは『そこにしかないもの』が観たかったという気持ちはある。
追記 19/12/23
ステージとは無関係だが、学校間コラボの話題から「コラボといえば」でラッキーストロベリーに話を繋げ、そこからステージに行くまでの流れが結構滑らかで、その辺からノエルちゃんの MC スキルとアイドルとしての成長を感じられた。というか "アイドル 音城ノエル" を観ること自体が『ねらわれた魔法のアイカツ!カード』以来だったので、「ちゃんとアイドルやってるんだなぁ」と何故かしみじみした。
そんでもって『We wish you a merry Christmas』である。
てっきり人数を絞った完全新規ステージが来るかと思っていたら、まさかの公式 MAD のような形でとても驚きました。まさしく "公式が俺に追いついた" 状態で観てました。
ステージの中身は『アイカツ!』 62 話・『スターズ!』 87 話・『フレンズ!』 37 話の 3 ステージをベースに、『We wish ~』の 3DCG がない『あかり GENERATION』と NVA 勢のステージパートを手描きで埋めるというもの。まぁこれ(手描き)は私にはできない手法なので、観ていてとても楽しめた。
特に良かったのは、エルザ様のステージを描いてくれたことだ。『星のツバサ』当時の彼女は、クリスマスの時点では既に太陽のドレスを入手済みで、傍目を気にせず後はただ頂点を取るだけ という状態だった。レイちゃんを通したゆめちゃんからの誘いにも乗らず、一人(+ 船員)でクリスマスを過ごしていただけに、今回みんなと一緒に祭りを楽しみ、(手描きとはいえ)ステージに立つことができたのは本当に良かったなぁと思う。
追記 19/12/23
公式 MAD それ自体はとても良かったんですが、個人的には、"Good tidings we bring to you and your kin" の後の "We wish you a merry Christmas" の部分は、上の画像の『スターズ!』 & 『フレンズ!』 ver の振り付けの方が好きだったので、そっちで観たかったというのはあります。
そんな感じの『アイカツオンパレード!』 12 話でした。
9 話からの一連の話を観る限り、正直まだまだ色々とやれる話のネタはあったように思うので、その点では結構残念でした。しかし、一つのお祭り回として見れば、『オンパレード!』をやる一つの意義を達成できたという感じでもあったので、良かったんだと思います。
ということで、スターライトでは何をしているんだろう?現クイーンが外に出てるけど誰が仕切ってるのだろう?次回わかったりするんだろうか。
アイカツオンパレード! 11 話『ちゃお☆ニューワールド!』感想 - アニメ雑感記
ただ、これについては結局最後までわからず。誰が仕切って何をやっていたんだろう?
追記 19/12/23
本編内でノエルちゃんがお祝いされたのはとても嬉しかった。『アイカツ!』 62 話でもお祝い自体はあったけど、当時はアイドルじゃなかったからあくまでいちごちゃんが個人的にお祝いを述べただけだった。だから今回壇上で、それもセイラから「おめでとう」を言われていたのが本当によかった。
追記 19/12/23
エンディングは『アイカツ!』の最終エンディングである『lucky train !』だったが、当時次回予告が流れていたスクリーンにはタイトルロゴが流れているだけで、なんかシュールだったのが面白かった。
次回は久々に(?)、らきちゃんのドレス作りに関するお話っぽい。
そっち方面のお話が進むのは個人的には大歓迎なんですが、ただ現時点ではアニメでの次回予告と公式サイトの次回予告が結構違う感じなのが気になります。アニメの次回予告ではドレス作りの話をしながらも香澄姉妹やきららちゃんが表に出てきてる感じですが、公式サイトではらきちゃんとエルザの絡みが主な感じで書いてあって、果たしてどうなるのか。内容の濃いエピソードがあるといいなぁ、と思います。
アニメ『アイカツオンパレード!』|おはなし|第13話「らきとツバサのドレス」
http://www.aikatsu.net/story/story-013.html
【また宣伝】去年作ったクリスマス動画