アイカツ! 51-63 話 感想

涙涙の最終回を迎えた『アイカツ!』 1st シーズン。
そしてその続きを背負う 2nd シーズンの感想 第一弾です。 

 

「 "一年間かけて追いかけてきたもの" を超える価値観」をどう作るのか、というのは 2 年目に課される難しい課題だ。神崎美月(の座す SLQ の玉座)や白鳥ひめ(が纏う S4 の制服)を追いかけるべきものとして描くからこそその価値観は大きくなり、その価値観が大きくなるからこそ 2 年目に求められるハードルは高くなる。

アイカツフレンズ! 49 話『伝説の最終章』感想 - アニメ雑感記

2 年目っていうのは、やっぱりこの部分がとてもとても大切で、かつ難しい部分だ。
アイカツ!』 1st シーズンはその価値観の最上を『神崎美月』に置いてきたことは明らかだ。それをライブでの共演やフレッシュガールズカップ、Tristar オーディション、そしてスターライトクイーンカップ等の "物差し" で描いてきたわけだ。その『神崎美月』が表面上除かれた状態でスタートするのが 2nd シーズン。そこで投入されたのはドリームアカデミー(DA)という "新しい価値観" と、そしてそれと "古い価値観" との衝突。

そういう方向性でやっていく上で何が大切かっていえば、それはもう DA をどう描くか・どう掘り下げるか しかない。SL の方は 50 話分の描写・文脈が積み重なっているが、それと対等に衝突させるなら、それ相応のエピソードと描写が必要になってくる。そしてこの部分こそが 2nd シーズンの抱える最大の弱点なんだろうな、と思う。というのも DA を支える大きな土台が、95 話まで中々描かれないからだ。その上で色んなキャラやエピソードや描写が乗っかっていくわけだけど、土台がない分、ちょっとふわふわしがちになっている。

なんだけどここで一つ問題が発生して。というのも私は既に 95 話で何が描かれるかを知ってる立場なので、この第 1 クールで描かれるモノもきちんと腑に落ちた状態で消化できてしまうということだ。これはどうやっても初見の感想と大きくズレるだろうな、と思う(恐らく他のどの年度よりもズレる)。だけどもうこの振り返り感想を書いていくと決めた時点で、「知っている立場での感想を書く」と決めたので、まぁそういう感じで書いていこうと思います。

 

 

51 話『ロックなあの娘はドリーム☆ガール』

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©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

みんな大好き、ドリアカ参戦!な回。
我らが主人公星宮いちごがまだ不在なので、お話はほぼ動かず、状況説明に徹している感じ。いちご渡米・美月 SL 中退から一年、その間に台頭してきた新勢力・ドリームアカデミー(DA)についてのアレコレとか。ただ、学園長の「負けたらやめる」発言やそれ以降見せるあおいちゃんの表情なんかからは穏やかな感じはせず、今までとは違う雰囲気が出ている。1st のまとめでも「意外とバチバチ感はなかった」と書いたが、2nd の冒頭はイメージ通りのバチバチ感。まぁ最終的には結構な馴れ合いになるけど、そこはご愛嬌。
後から考えた場合、やはり「負けたらやめる」発言は余計だった感じが否めない。生徒に聞かれたのは偶然だったとしても、マスカレードを辞めてまで就任したはずなんだけどな……。一応、美月といちごが抜けたからそれだけ SL が芸能プロダクションとして追い詰められていたという説明はつくんだけども。
音城セイラにとっての第一話 として観た場合も、ちょっと物足りない感じはする。いちご不在という貴重な時間なのでもっとゴリゴリ描いても良かった気はするが、そうすると今度は「ゴリ押し」とか「優遇」とかいわれるので難しい……。この「ゴリ押し」と「描写不足」の綱引きというか、境界線上でフラフラする感じは 2nd シーズン間ずっと DA についてまわる問題だ。これが解消されるのは 2nd シーズンのコアエピソードである 95 話『夢の咲く場所』まで待つことになるわけだけど、果たしてあのお話の適切な位置が本当にあそこだったのか ていうのはいつも考えてしまう問題だ。95 話まで引き伸ばした事によって得られた脚本・演出の効果っていうのもあるだろうし。


52 話『おかえりストロベリー』

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2 話続けて導入回みたいな感じ。
主に描かれるのはいちごの渡米中のアイカツ!で、加えて DA についてもちらっと。
いちご vs セイラの続きから始まるわけだけど、ここから怒涛の引き分け伝説が始まる。放送当時は「なんでポッと出が美月と張ったいちごと互角なん?」みたいな声が多数聞かれたのが懐かしい。まぁレアリティの差とか得意属性の違いとか色々理屈はつけられるんだけども。ただその辺が説明されることは今後もないし、セイラの凄さもようわからないまま進んで行く。この辺の理屈の付け方は 2nd の大きな弱点だなと思う。
ただ、DA の「SL との類似点」に関しては、このお話で結構わかりやすく描けていると思う。色々なコースがあることや "最新科学" による分析、"最新科学" に基づいたトレーニング等、ビジュアル面での表現ができてるのはいいことだと思う。まだ始まって 2 話なので、その具体的な中身(強みとか理念とか)については置いといて、とりあえずガワを用意しておくことは大事だ。……ただ、その中身が埋まるまで結構待つことになる ってのは、51 話の感想にも書いた通り。


53 話『ラララ☆★ライバル』

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前 2 話と違って、ぐぐっとキャラ寄りになったお話。
いちごとセイラ、お互いの実家を舞台にその類似点や差異を描いていく。絶対食感と絶対音感や同時にサインを描いたりなんかは、ただのわかりやすいアイコンだとしても、妙な直上性とか物事を楽しむ姿勢とかそういう言外に醸し出す空気なんかは、結構共通している部分がある。1st を忘れていれば & 95 話を知らなければ、いちごが妙にセイラに好奇心を抱く様にちょっと違和感を覚えるだろうか。逆に 1st で描かれた「楽しむ」ことの大切さや、それをナチュラルに行えるいちごの才覚を踏まえてみれば、寧ろセイラへの興味は当然とも言える。あおい蘭が対 DA 抗争の来る未来を懸念している一方で、いちごはセイラと再び共演することを考えている所なんかも好き。いちごの天才性が溢れ出てる。
逆に、決定的な違いといえば、セイラがバチバチに対抗心を剥き出しにしている所だろう。いちごだって 1st で勝負に拘ってなかったわけじゃないんだけど、2nd でセイラが見せるそれはやっぱり何か違う気がする。言葉で説明しにくいが、今までのいちごにあったのは、ファンに楽しんでもらうこと・自分が楽しむこと・相手へのリスペクト があった上での勝負心とでも言うべきか。それに対してセイラのモノはより根源的というか、純粋に競い合うことを欲しているというか、そういう感じだ。あくまで私の個人的な感覚だけど。
あとはやっぱりノエルちゃんか。このお話単体で観たら、いい感じで 2 人のパスの役割を果たしている。同時にセイラの行動原理でもあり、彼女が感情爆弾の導火線であることが示唆されている。


54 話『笑顔のヒミツ』

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Soleil とセイきいが具体的にアイカツ!をやるお話。
題材になるのは宣材写真からのフォトセッション。その為に自分の一番の笑顔を探す旅に出るっていう感じ。とりあえず色々試すってことで、Soleil + セイきい の 5 人で色んな場所に行って色んな写真を撮ってる姿がダイジェストで流れるんだけど、このシークエンスが妙に好き。服屋は蘭が、楽器店はセイラが、公園はいちごが提案したのかな?とか色々考えたりする。後はやっぱり普段では余り描かれない様子が画面に映るっていうのは、それだけで特別感がある。まだ新シリーズが始まって 4 話と浅いこともあって、手数でキャラの描写を厚くする役割も持たせられるし。
笑い声にハーモニーを感じて、そこから色々なヒントを引っ張ってこれるのは、いちごの鏡役のセイラっぽさがある。その直感の鋭さはいちごと類似するけど、その根本にあるのが声の弾みやハーモニーといった、セイラ独自の強みである "音" に関係しているのが、特別感があって好き。
また、第 3 者であるセイラの耳を通して、Soleil の特別感・仲の良さを描いているのもポイント。いちご帰国以降はちょっとなおざりになっていたし、ここいらで抑えておくのはいいことだと思う。セイラの耳がその特別性を保証しているっていうのも、何気にデカい。この先の近い未来でアイカツ!界最強ユニットが誕生するわけだけど、それでもいちごの帰るべき場所はやっぱり Soleil なのだ。


55 話『合言葉はオケオケオッケー☆』

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「きいはなんでプロデューサーになろうと思ったんだ?」
サブタイを読んで字の如く、冴草きいメインエピソード。
きいが可愛い女の子をプロデュースしたいと思うことの原点や、オケオケオッケーの誕生秘話なんかが描かれるお話。回想多めで、結構ガッツリめに描いていくスタイル。恐らく、歴代でもここまで直接的に回想使って描かれてるキャラは少ないと思う(ぱっと思い浮かぶのはあおいちゃんとか?)。思えばこれから出てくるそらもマリアも、一話はガッツリ回想を多用して描いていたお話があったか。
ポンポンクレープオーディションを土台にしてエピソードは進んでいくわけだけど、セイラが積極的に関わっていってるのが好き。友達の為に動く様子は、ちゃんといちごの鏡役っていう感じだ。まぁ、1st いちごと比べると、些か手際が良すぎる感じもあるが、そこは個性の範疇だろう。


56 話『恋のトップシークレット』

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観れば観るほど、不思議な構造をしているお話。テーマとなるのは「スキャンダル」。
別に珍しいテーマではない。1st シーズンではユリカ様のお話があったし、遠い未来には「コミュ力お化けの主人公がパパラッチと仲良くなる」なんていうお話も存在している。そんな中で描かれる今回のお話だけど、 "何かありそうで何もない、でも何かある" っていう虚無だけど虚無とは言い切れない内容になってる。
SL 勢がスキャンダルに気をつけるっていうお話かと思いきや、実は狙いはセイラの猫好きだった。そこを逆手にとって、先に公表してギャップ戦略を打つっていう流れ。なんだけど、セイラの猫好きが判明したことが何か彼女のお仕事にプラスに働いてステージ……っていうわけではなく、ステージをするのはあおいときいのプロデューサーコンビ。そして Mr.S の本当の狙いは、セイラではなかった―― という虚無だ。
だからといって完全に虚無かというと、そうではない。印象的なのは学園長が「アイドルと恋愛」について語ってくれる場面だ。ここは、学園長が信頼に足る教育者であることを感じられて大好きなシーンなんだけど、今までの流れを振り返ると不思議な立ち位置のシーンにも思われる。先述の通り、今回はセイラの猫好きとか Soleil の 3 人の秘密とか、主にそっちの方に尺が割かれていて、恋愛スキャンダルは別に大した要素ではなかったからだ。逆説的にいえば、それだけ入れたかったシーンだということだろうか。
あと、Mr.S の存在が最終的に美月さんに繋がる ってことも、この回がただの虚無じゃないことの証である。


57 話『ゆるキャ蘭ウェイ!』

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"美しき刃" のイメージを、えびポンの侵略から守れ!っていう感じの回。
いちご渡米中の一年間の断絶を埋める回でもある。お話のテーマ自体はゆるい気がするけど。
DA 勢が出てくるのは、中盤にちょろっと。"ロック" と "猫好き" というギャップによって人気の出た実例としてセイラ(とそれを分析するきい)が描かれたくらい。それ意外は SL 勢がメイン。
上述のように、一つの実例としてセイラが出てくる為、56 話の対になるお話とも言える。ただ、SPICY AGEHA の専属モデルになるまでの頑張り っていうのはいちご渡米中の一年の内に終わらせており、それがダイジェストでしか描かれないっていうのは少し寂しい。ていうか、今回のお話はその時の頑張りが思い出されるだけで、あとは別に試練のようなものはないんだよな。ゆるキャラ好きを表に出すっていうのも、何か決意したってよりは取材と配送が重なったアクシデントによるものが大きいし。その為、何かを頑張るってより蘭目線でのいちご不在の一年間を振り返るって意味合いの方が強そうだ。


58 話『マジカルダンシング♪』

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振り付けにスポットを当てた回。結構初期『アイカツ!』を思わせる感じがして大好きなお話の一つ。
ダンスについて触れられることはこれまでも / これからも度々あるけど、振り付けについては『オンパレード!』まで含めてもこの回くらいな気がするんだよな。そういう新しいテーマをしっかり 20 分描き切ってるのがまず評価できる所。そしてジョニー先生がコメディリリーフっぽく扱われながらも、しっかりガッツリ指導してくれているのがいい。味のあるサブキャラがいると作品全体が豊かになる好例だなぁ、と思う。
そして何より「楽しむこと」「ファンが味方」と "アイカツ!二大基礎概念" にきちんと触れているのが、やっぱり凄いところだ。新しい題材を扱うからこそ、外しちゃいけない所をしっかり抑えてくる点は本当に凄い。


59 話『ちょこっと解決☆チョコポップ探偵』

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ドラマ回。あおいちゃんが企画に一枚噛んでるんだけど、選ばれるのはセイきいという。
何故か一度板チョコ探偵に逸れてしまう所なんかは、ある意味『アイカツ!』っぽい。
ドラマ回なので基本的には内容は虚無だ。唯一意味ありげな描写を挙げるとするなら、あおいが仕切っていちご・セイラ・きいが何かしらアイディアを出してくる、っていうところだろうか。仲のいい感じもするし、何かしらの発想が出てくるってことでもあるし。
ただそういうのをクソ真面目に考えるような回ではなく、やっぱり肩肘張らずにただ楽しむような回であるとは思う。各ペア固有の、面白い / かわいい 描写が大量に降ってくるので、それをバクバク食べるのがとにかく楽しい。例によって例の如く、特に大きなトラブルやドラマがあるわけではないんだけど、箸休めとしてはいい回だったと思います。


60 話『ウワサのぽわプリ☆』

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ぽわプリのキャラ紹介、みたいな感じの回。
まぁ一年という長いシリーズを乗り切るに当たってこういう回が必要になるのは当然のことで。ましてや 2nd に入ってから新しいアイドルが 4+1 人追加されるわけだから、その煽りを受ける 1st メンバーはこういう機会を設けて、ガッツリ描いとかなきゃいけない。
ただ、ただの紹介回って思って観てると意外や意外、結構面白い。いちごと美月(Soleil と Tristar)亡き今、おとめ(ぽわプリ)が SL の主力であることは当然で、彼女らがどうやってその地位にまで辿り着けたかが分かる内容になってる。回想とかでいちご不在の一年を振り返るのではなく、あくまで "今" に則した内容で表現するのがいい。ビジュアルの可愛さや知名度は勿論、ゆるゆるな雰囲気や身近に感じる距離感、そしてメンバー間の信頼感なんかを "今" のエピソードで描いてるのは強い所。
A パートではセイラ + きいのコンビにいちごが合流して 3 人で絡むシーケンスがあるが、そこの会話のテンポも結構好き。1st っぽい、キャラに則しながら軽やかに言葉を交わす空気感があるように思える。
しおんちゃんの扱いが残念であるのは否めない。これがあったからこその 148 話ではあるんだけど、まぁ放送当時は(薄々わかっていても)悲しかった。後は、ついでの感じでステージノルマを解消させられたかえでちゃんも然り。Tristar は復活せず、かえユリもステージはなし、AIKATSU 8 にも選出されず(ついでに選挙運動エピソードもない)。なので、2 年目のステージはこれで終了なのである。悲しい。


61 話『キラ・パラ・マジック☆』

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アイカツ!』界のやべーやつ、風沢そら遂に降臨。いやまぁ、大分風評被害で、普通にいい子なんだけど。
お話のほとんどはそらの回想っていう構成。その思い出話を聴いてきいちゃんの一言が~、ていう展開。
そらがブランドを持つことに躊躇してる理由が凄い。お仕事として、プロとして仕事をしていく覚悟と責任。ただ、自分の好きな物を作るだけじゃなく、アイドルの魅力を引き出すことが自分にできるのかどうか。遠い未来にいる湊みおにも負けないプロ意識の高さである。中学生なのに凄すぎる。
その背中を押すのがきいで、きいちゃんを後押しするのがセイラっていう構図も面白い。そらの活躍を祈るけど彼女に描ける言葉がわからずパソくんに頼りそうになるきいちゃん。そのきいちゃんの言葉の力を、彼女に "プロデュースされた立場" から保証してあげるセイラ。いつもの 2 人 とは立ち位置が異なっているけど、いつもと同じ様な形で、支え合い高め合う姿。そういうのが描かれていたってのはよかった。
そらを立ち上がらせるのに具体的な "今" のエピソードを用意できず、ほとんど回想で終わらせちゃったのは少し苦しさを感じる。一方でセイラ・きい・そらの関係性がきちっと構築できていたのは良かったと思う。全体を通して観た場合、比較的満足度の高いお話だったと思います。


62 話『アイドルはサンタクロース!』

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クリスマス第二弾。伐採はしないけど薪割りはするよ!特大ケーキといちごちゃん人形っていう回。
クリスマスって言うとただのお祭りに思えてしまうけど、この時は(も?)割とちゃんとしたエピソードがある。天羽先生の言葉を受けて、ドレス以外のデザインにも手を出して、幅を広げようとするそらちゃん。それを温かい目で見守る天羽媼。この辺の描かれ方が好きで、天羽先生はなだかんだメンターとして優秀だよなぁとか思ったり。許可を取りにいってる回想で、「どうしてケーキを大きくしたいの?」っていう天羽先生からの質問が、素朴だけど本筋を射抜く鋭さを持っていて、背筋が凍った。
一方でちゃんとお祭りめいた所も大事にしていて、かえでやヒカリやノエルの登場や、斧や、等身大いちごちゃん人形なんかがそれ。クリスマスという大義名分があるので、色々無茶の効く回であり、そのアドバンテージを精一杯活かしきっていた印象がある。
ただこれまで観てても分かる通り、マリアちゃんだけはまだ未登場なので、なんかハブられてる感じがある。
(一年目でも未登場キャラは沢山いたが、DA は 4 人しかいない為、1 人いないだけで目立つ。)
あとはやっぱりバチバチ感が薄れている感じはある。普通に仲良しだし。


63 話『紅白アイカツ合戦!』

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アイカツ!シリーズ』では比較的珍しい、クリスマス回の後にある年末回。今回は紅白アイカツ!合戦。
2nd 全体に於けるこのお話の立ち位置はというと、単純に第 1 クールの締めであり、美月の顔見せをするっていうそれ以上でも以下でもない。なので、というわけでもないが、締めの回らしく今回もお祭り要素が多めだ。ていうか前回のそらちゃんのお話みたいなのもないので、いちご・美月の再会と Mr.S の伏線回収さえすれば、基本的に残りは全部お祭りだ。ぽわプリの MC や、様々なアイドルたちの様々な出し物、そして西島サブ子先生のアレソレ等々。ダイジェスト多めだけど、こういう回なので賑やかになる分はいいと思う。
後は地味にお仕事アニメ要素が復活している。果たしてこれが何人の女児の将来に役に立つのか、と思われるかもしれないが、それを言ったらトーク番組の心得とか振り付けとか TV 局への入館とかも同じである。寧ろ遠い遠い世界の現実 "っぽい" 所をきちんと抜き出して描いてくれることで、その世界が生き生きとしだすのはいいことだと思う。

 

ということで『アイカツ!』 2nd シーズン 第 1 クールの各話感想でした。

鳴り物入りで DA を投入し、学園長のショッキングな発言なんかも出してみたものの、結局はバチバチ感の薄れる仲良し展開になっていった。企画段階からの路線変更を第 1 クールでやったとは考えづらいので、ここまでは既定路線なんだと思う。これを補うかのように(?)、年明けから暫くは勝負要素が増えていくので。

このクールで描かれたことを改めて振り返ってみると、起承転結の "起" を比較的しっかりと描いていた印象がある。新キャラの投入・掘り下げをメインに話数を割きながら、従来のキャラに関する描写も所々で増やしていき、最後に美月の顔見せでちょろっと物語の段階を進めるっていう。箸休めとなるドラマ回もあって、よくまとまったいいクールだと思いました。