Web アニメ アイカツオンパレード! 5 話『花咲くステージ 前編』感想

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©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

ドリームスクールグランプリの決勝ステージを目前に控え、緊張してきたノエルちゃんと
それを無自覚に煽ってしまうらきちゃん。
そんな 2 人の元にあかりちゃんがやってきて『アイカツ!』の文脈を語ってくれる、そんなお話。

 

 

というわけで、かなり久々の更新となります……。

5・6 話の配信日が 7/11 だったので、既に一ヶ月近くが経過しており、
また、前回(4 話感想)の更新日(6/1)からでいえばほぼ 2 ヶ月という空白が空いてしまいました……。
今更ながら『スターズ!』の振り返りでもやって、間を繋いで置くべきだったなぁ、と反省。

さて。
本題の 5・6 話の感想ですが、配信日こそ一緒だったものの、今まで 1 話ずつ個別に感想を書いてきたので、今回も同じように個別に書きたいと思います。
まぁ正直 6 話は書くことが少なそうなので、『オンパレード!』本編と同様に全体感想と一緒に一つの記事にまとめることになると思いますが。

 

 

  

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というわけで、5 話の感想。

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内容としては前書きの通り、ノエル & あかりでそれなりの尺を割いてイチャイチャした後、"本番前日(或いはそれ以前)の会場" という由緒正しき場所で『アイカツ!』の最もコアな文脈を語り聞かせる、というモノ。

 

 

なんだけども、肝心のあかり周辺の描写も微妙な感じ。いちごちゃんがなんかそれっぽいエモいセリフを言ってくれてるが、前フリがなさすぎてイマイチ感情を載せきれない。というか前フリを全て過去作の文脈・描写に依存してる感じだ。いちごちゃんと話をする前に、あかりちゃん特有の描写を何かワンクッション入っていれば違っていたと思うんだけど、こういう時に牙を剥くのが尺の足りなさである。

Web アニメ アイカツオンパレード! 4 話『開幕!ドリームスクールグランプリ 後編』 - アニメ雑感記

皆でわちゃわちゃやるっていう点では悪くない回だったと思います。 また、こういう形式で作品を進めていく以上は、必要不可欠なお話だったとも思います。 それでもやっぱり、どうしても『音城ノエルの物語』を期待してしまうわけで。 その立場からするとかなり物足りないと感じてしまうのも事実でした。

Web アニメ アイカツオンパレード! 4 話『開幕!ドリームスクールグランプリ 後編』 - アニメ雑感記

あらすじ観る限りだと、あかり→ノエルの描写が多そうなので楽しみです。 そこが良い描写出来ていれば、今回のお話にも意味が出てくるはず……?

Web アニメ アイカツオンパレード! 4 話『開幕!ドリームスクールグランプリ 後編』 - アニメ雑感記

全体のワチャワチャ感にほぼ全ての尺が取られていた 4 話と違い、今回は ノエル - あかり 間の描写に多くのリソースを割いている印象。それだけに内容が濃く、個人的にはとても満足できるお話であった(そもそも引用してくる文脈が最強すぎる)。

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物語の舞台が舞台なだけに、前回のようなストーリーを経過させるだけの回も必要不可欠ではある。その中で不足がちになっていた対あかりの描写を補うという意味でも、今回のお話はよくできていたと思う。
また 6 話との比較でも、要素を絞っている分だけ内容のあるものに感じた。

 

 

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アイカツ!』の 1st - 2nd シーズン、所謂 "いちご世代" と呼ばれてる物語は、兎にも角にも『神崎美月』によって成り立ち、『神崎美月』に依存した物語であった。『あかり GENERATION』がそこからの脱却を目指して作られていたのは、その内容からも明らかだろう。だからこそ『あかり GEN』に於ける『星宮いちご』は『神崎美月』の代替品であってはならず、"上の世代" や "てっぺん" の象徴としてのみの役割に従事させ、嘗ての『神崎美月』のように物語全体を引っ張らせることをさせなかった(強いていうなら大スターライト学園祭くらい)。だからこそ、いちご - あかり間の距離は美月 - いちごのそれほど描かれることはなく、178 話に於いてもあくまでレースやユニットという形での表現に留まり、明言することを避けてきた。それはやはり(繰り返しになるが)『あかり GEN』が『1st - 2nd』と違い「星宮いちごに追いつけ追い越せの物語」 "じゃなかった" からなんだと思う。そしてそこ(いちご - あかり間の距離)の答えが明らかになるとしたら、あかりの "次" が現れる時しか許されなかったわけだ。

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そういう意味では、今回のお話で「星宮先輩はもっと先へ行っていた」と明言されたのは個人的には結構衝撃的であった。と同時に、そのタイミングにかなりの納得を得た。『あかり GENERATION』によって作られた「星宮いちごを遥か彼方の "てっぺん" として動かさないことで生じる、そこに至るまでの空白部分」という物語世界の構造を、今回のお話(ひいては『ドリームストーリー』自体)は上手く利用したしたと思う。

 

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それ以外の要素でいえば、またまたセイラちゃんの姉としての一面がちらり。
一話以降は一歩引いたところから見守ってる印象があるが、対あかりの文脈が強すぎるのでバランスとしてはちょうどよく感じる。

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逆に というか、相変わらず「ドリアカを背負って」という言葉は空々しく聞こえてしまう。尺やらなんやら考えれば仕方ないことではあるんだけど、やはりノエルちゃんが普段 DA でどう過ごしているのか という点が抜け落ちてる以上、この部分に重みを出すのは難しい。

 

以下どうでもいいこと。

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冒頭でさらっとであるが、らきちゃんの天才性がチラリ。
やはり彼女のラッキーの源泉たる超ポジティブ思考は一つの才能である。

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夕焼けの中でのあかりちゃんとノエルちゃんのやり取り。
ここであかりちゃんが自分から「待ってる」というのが良い。変に謙遜したり、自分が上であることを否定したりすることはない。プロのアイドルとして、トップ代表として、スターライトクイーンとして、そんな矜持が伺えるセリフ。

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これはどうでも良くはないんだけど、滑り込みでなんとかノエルちゃんとファンの繋がりを挟んできた。
『オンパレード!』本編に於けるらきちゃんと同じく、やっぱりなんだかんだでファンに関する / 対する描写っていうのはとても大事だ。勿論全然足りないというか、全く物語性がないので『音城ノエルの物語』にこれっぽっちも貢献してるとは思えないが、それでもないよりはマシだ。

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同じくらい大切な、アイドルとしてのオリジンに関する描写も少し。この辺りも本来ならセイラを交えて 1 話 15 分くらいかけてきちんと描いて欲しい所ではあるけど、こちらもまぁ、ないよりはマシ である。

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歌詞を大切にしてる所なんかは文脈を感じられて好き。
 

 

 

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以上、5 話の感想でした。

やっぱり短い尺では広さではなく濃さ・深さの方が大事になるなぁ、と実感するお話でした。
まぁ『SHINING LINE*』というシリーズ最強文脈の力を大いに借りてはいるんですけど。

6 話の感想も早いうちに書き上げられればと思います。