アイカツ! 64-75 話 感想

アイカツ!』 2nd シーズン 振り返り感想 第 2 弾。
2nd 内では第 2 クール(作品全体だと 6 クール目)についての感想です。 

鳴り物入りで DA を投入し、学園長のショッキングな発言なんかも出してみたものの、結局はバチバチ感の薄れる仲良し展開になっていった。企画段階からの路線変更を第 1 クールでやったとは考えづらいので、ここまでは既定路線なんだと思う。これを補うかのように(?)、年明けから暫くは勝負要素が増えていくので。

アイカツ! 51-63 話 感想 - アニメ雑感記

このクールでは勝負の場が今まで以上に設けられることとなる。福女レースやフェス勝負、その前哨戦や恵方巻きオーディションなんかがそれだ。ただ、そこで描かれるのは闘争心をむき出しにしてバチバチするような勝負ではなく、あくまで "勝負の場" の上で行われる従来どおりの交流って感じだ。 だから DA と SL で火花を散らすような展開にはならないし、寧ろお互いに手を取り合い助け合う描写が目につく。これが方針転換なのか、それとも企画に沿ったものなのかはわからない。しかし、よく言えば 1st の正しい続編という感じがするし、悪くいえば期待していたような(新しい価値観を放り込むことによる)変化は観られなかった。だからこそ ってわけでもないんだろうが、この停滞した現状をかき乱していく第三勢力「ムーンライトオフィス」の登場へと繋がる。

このクールに関して言えば、個人的には大好きなお話が多い。それぞれのアイドルに対して、一人一人色んな角度から掘り下げて、文脈と描写を重ねていった印象がある。DA の子たちには「こういう面があるんだよ」ていう感じで、SL の子たちには「こういうふうに成長したよ」ていう感じで、どんどんどんどん愛着が湧いてくるお話・エピソード・描写が多いのが嬉しい。何だかんだで好きなクールです。

 

 

64 話『ラッキーアイドル☆』

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©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

新年一発目は星宮いちごの星座 PR 回。
一年目のアレに比べると大分軽いお話だけど、その一方でいちごらしさに溢れたお話でもある。
「何のためにレースにでるのか?」それは偏にファンの皆に喜んで貰うためである。そのいちごのメンタリティはらいちに新聞を書き直させるし、セイラにアイドルの光を当てる。スマイルの課題でセイラ単独だと引っかかってしまい、いちごが手を差し伸べる所が好き。何だかんだで助けちゃう子なのだ。その一方で、ゴール前では踏ん張って前に出て一着をもぎ取る。いちごがガムシャラに頑張るのは別に珍しいことではないけど、レースという直接的な勝負で、こういう競争心をむき出しにするのはあまりない様に思うし、この辺がセイラと出会った影響なのかな、と好意的に解釈しちゃう。
新年一発目だからなのか、SL 勢も多く集まりわちゃわちゃ賑やかである。しかしながら、やっぱかえでちゃんが薄く感じる。ユリカ様は寝坊、ぽわプリは勝利宣言からの人形焼き落ちと、他の子は色々やってるので。

65 話『夢への扉』

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音城セイラのオリジンに迫るお話。
DA の足元がふわふわしてるってのは今まで書いてきた通りだが、キャラ単体で観てみたら何だかんだこういうお話が用意されてるってのは、やっぱり強い。いちごに夢を与えられたノエル、そのノエルの目を通してアイドルの光を観たセイラと、この辺にも彼の名曲が指し示す関係性が見て取れる。また、セイラを通して SL と DA の違いを描くのも上手い。が、それは入試段階での話であって、結局その根本にあるものに関しては 95 話までお預けなので、っていういつもの話に帰結するわけだ。
前半のフェスの日程被り・涼川さんとティアラさんの不穏そうな描写なんかは、久しく忘れていたバチバチ感を思い出させてくれる。なんだけど結局はそれでおしまい、ここでも仲良く合同開催となるし、最後の対決ステージも引き分けエンドになる。一応、勝負をやる という形は今後も続いていくけど、必要以上に優しい世界に足をツッコミ過ぎてる感じもある。が、この世界じゃなきゃ描けなかった物語が(これまでもこれからも)あることは確かなので、そこは一長一短か。個人的には、この辺の美月が本格参戦してくるまでにもうちょいバチバチ感を全面に押し出していっても良かったんじゃないかなぁ、とは思う。


66 話『ステキな両思い』

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きいちゃんメインで、セイきい間の友情を再確認するようなお話。
きいはセイラの CM の為に、セイラはきいのオーディションの為にと色々思いを巡らす 2 人。問題に対するセイラの解決策が、「オーディション終わるまでセイラのこと考えるの禁止」という力技ですらない何かなのが面白い。強引すぎる所や、それで一発解決しないって所がいちごの鏡役って感じがする。ここから第三者のサポートやアドバイスを受けて解決するのが星宮いちごだけど、今回のセイラはそこまではせず、全ての母たる神崎美月さんがその役割を担ってくれる。この時点ではまだすれ違いがある感じだけど、マルセル探しを初めてからは 2 人のベクトルは見事に同じ方向を向くわけだ。
比較的にいいお話だと思うんだけど、一点だけ残念なのはかえでちゃんが一秒たりとも絡まない所。マリアのときにはさくらが一枚噛んでたんだけどなぁ……。これからプッシュされるきいちゃんのバディはあおいちゃんなんだけど、せっかく同じブランドを愛する者同士、何かしらの交流が欲しかった感じがある。このお話だとセイラときいの絆の強さはわかるんだけど、一方で MAGICAL TOY に対するきいの思いは分かりづらいので、そこを補完する意味でもかえでとの交流は悪い手じゃないと思ったんだけどなぁ。
後一つ付け加えるとするなら、オーディションに SL 側が皆参加出来ないってのもちょっとだけ引っかかる。「やっぱ競争はさせないか~」とか「いうて SL とブレインサンダーは文脈がないか」とか思ったりした。バチバチ感が薄れてるのはその通りなんだけど、一方で Soleil の 3 人がきいちゃんを手伝うのはおとめユリカさくらの時を思い出す感じがして、それはそれで良かったり。この辺、恐らくバランスを取るってことは出来ないと思うので、やっぱり 2nd は基本的に勝負論からはある程度の距離を置いた感じがする。


67 話『フォーチュンコンパス☆』

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次世代のゴージャスな恵方巻きのイメージガールのオーディション、最早なんでもありって感じがする回。
ただ描かれる内容なそれはそれで結構面白い感じ。"体にいいものを食べる" っていう、キャラの掘り下げにしてもそこにスポットを当てるのかっていうのが面白い。こういう余裕を持った堀り下げというか遊びが出来るのは、Soleil の特権だろう。一年目から出てるってだけじゃ、掘り下げては貰えても、こういう風に少し脱線した場所が注目されるってのは中々ない。こういうちょっとしたことであっても掘り下げてもらえれば、それだけキャラの解像度が上がっていく。いいことだと思う。
ちょっと面白いのは、ファンの思い(のようなもの)が天秤に掛けられてるところだ。この振り返り感想でも散々書いてきたが、「ファン」てのは『アイカツ!』では最重要要素に位置づけられている。なんだけどそれ以上に大切なものとして「(自分自身が)楽しむ」ていうのがあって、今回はその派生という感じだ。「自分らしく」というのは「楽しむ」とはまたちょっと違うけど、っていうか寧ろ「楽しむ」より更に根源にあるものに思える。やっぱり、どんなお話であってもこの辺の概念に立脚してるってのは、素晴らしいことだと思う。
勝負論のことでいえば、今回のオーディションでは一応競い合う立場になる。んだけど、バチバチするわけじゃなく寧ろそらのアドバイスが蘭を吹っ切らせることになってるし、蘭そら以外の SL・DA 勢はさらっと退場させられるし、結果は引き分け(2 人とも採用)だし、で勝負の空気感は全くない。


68 話『花咲くオーロラプリンセス』

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姫里マリア降誕、という回。ついでに PR ゲット。
キャラ登場と同時に PR を入手するっていう力技。所持状態で参戦したかえでの次に早い入手だ。
それだけに きい & MAGICAL TOY の組み合わせ同様、マリアの Aurora Fantasy に対する思いはイマイチ伝わって来づらい。まぁ描き方や話数の振り方からして、この辺は描写できなかったんじゃなく描写しないことを選択した結果だと思うけど。その代わりに描かれたのがマリアちゃんの為人。詳しい掘り下げは次回に回すとして、今回は描写しやすい外面を取り敢えず描いてる感じだ。ほんわかした可愛さやマンガお金持ちお嬢様な感じがソレ。特にお嬢様描写は「穏やかじゃない」くらい描かれてるわけだけど、わかりやすい箇所だけじゃなく細かい描写の一つ一つにも丁寧に組み込んでいるのがポイント高い。のり弁食べる所なんかは大好き。


69 話『おもてなしハート』

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マリアの掘り下げ回。前回は登場と外面を描くので手一杯だったので、今回は内面をガッツリ。
上手いのが前回回収しきれなかったブランドに対する思いを、さくらを壁役にすることで描いている所。今までとは順番が前後しちゃってるが、あくまで前例とは違うってだけで、これはこれできちんと描けていると思う。マリアの根本にあるのがおもてなしの心で、更にそれがグリーングラスの絵本から来ているっていうのは、中々エピソードとして強いものがあると思う。
おもてなしの心は割とお嬢様パワーをふんだんに使ったもので、それ故に尋常じゃなく手が込んでいて、スケールのデカさが『アイカツ!』らしい。井津藻さんとカメラマンをコメディリリーフだけで終わらせるんじゃなく、おもてなしの対象としている所なんかも構成として上手い所。そこだけに留まらず、近所の子供達にまで波及してる "社会性の強さ" なんかはやっぱり 1 人のアイドルの持つ文脈として大きい。ていうかここで地味にバレンタイン要素回収してるのも面白い。2nd はバレンタインの代わりに恵方巻きだったからな。
いちご達の "お土産" が "お返し" になってるところなんかは、道徳的で気持ちがいいポイント。
キャラに対して愛着のわくいいお話だったと思います。


70 話『おしゃれ怪盗 クールエンジェルス!』

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きいちゃんメインエピソード、リーダーとしての自覚が芽生える回。
プロデューサーといっても、支えるだけじゃなく引っ張っていかなきゃいけない時もあるから、それを学びましょうっていう感じのお話。それに加えて、残り 3 人にも "新しいことにチャレンジ" というお誂え向きな教訓があるので、結構学びは大きい回。
劇中劇に 20 分費やすのではなく、ドラマーディションをどう突破するかっていうのがメイン。その過程で様々な課題に出くわし、それをどう解決するかってことに色々な頑張りと成長があるため、個人的にはドラマ回という印象はない。真っ当な成長エピソードだ。
ただ、演技に関する内容はだいたい一年目(イケナイ刑事・スワロウテイル・アリス)でやったことと同じであるため、そういう方面での目新しさはない。演技論を扱うってよりは、きいのリーダーシップ獲得の方がメイン。ついでというわけじゃないだろうけど、DA 勢 4 人の結束を強める意味合いもありそう。そらはクリスマスも一緒に頑張ったけど、マリアなんかは登場直後であるわけだし。
一方の SL はもう完全に仲間になってる感じもある。一応この後まだ学園祭対決が控えているんだけど。
次の 71 話があおいのお話なので、組み合わせ的にはこの 2 話が対になる感じだろう。


71 話『キラめきはアクエリアス

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伝説の回。霧矢あおいの星座プレミアム獲得回。71 話のきいちゃんと対になるお話。
水というメディアを通してあおいの縁の下の力持ちって所を描いていくお話。"水の必要性" を出すためにサバイバルに行くっていう脚本の方向性に、なんともな『アイカツ!』らしさを感じる。ただ、そこであおいといちご・おとめとの比較を出すことで、サバイバルであることの必要性を出してくる辺りは、とてもクレバーな構成。一人でゆっくり考える時間があればこそ、おとめとの違いを改めて実感出来たわけだし、サバイバルに手こずる所なんかはいちごのバイタリティとの直接的な比較にもなってる。

「私は、いちごみたいになれないかもしれない」

そして何より衝撃的なのがこれ。一番最後の、あおいのいちごに対する実質的な敗北宣言。
舞台の真ん中には立てない、神には選ばれなかったアイドル。改めて文字にするととても苦々しく苦しく悲しいことなんだけど、それを朗らかに宣言し、「でも私は私であればいい」と続ける "強さ"。
実はこの辺の歩みは桜庭ローラと多かれ少なかれ被るところがあって、2 人が歩んできた物語のこれまでの方向性ってのはだいたい一緒だったりする。そして、その道のりの凸凹さを比べると『アイカツ!』と『スターズ!』の作風の違いが如実に感じられたりする。また、この「自分は選ばれた人間ではない」という結論に辿り着いた後の物語は、"水" として皆を支えていこうとするあおいと、唯一無二のロックスターを目指すローラというふうに、それぞれの方向に分岐している。この違いも面白いし、また「自分らしくある」という思いが共に根底に存在してるってことを考えると、やっぱり違うようで同じであるとも言える。この辺りの物語の作られ方っていうのは、本当に面白い(まぁそれにしてもローラは泥を被りすぎたが)。


72 話『ハッピィ☆アイドルフェス 1st DAY !』

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スターライト vs ドリームアカデミーの全面抗争!その 1!
ってわけじゃなく和気あいあい、お祭りをわちゃわちゃやるお話。と見せかけて真っ当なセイラエピソード。
構成としては SL 勢と DA 勢が交流している中で、ヘッドライナーの責任を一人で全うしようとしていたセイラが、いちごの言葉を受けて少し考え方を変えていく、という感じ。
これまでのお話でも、セイラは割と「私たちライバルだろ?」みたいな姿勢・視点を持っていて、"あドわレ" に代表されるように勝負にはそこそこ拘ってる方だった。だから SL に勝つために・お祭りを成功させるために・DA の皆のために 誉れ高きヘッドライナーを務めきろうと思っていたわけだけど、そこに「どうやったらより楽しめるのか」といういちごのスタンスが突き刺さる。自分が楽しむには・皆を楽しませるには 常にそれを謳ってきた『アイカツ!』という物語の最前線で、常にそれを考え続けてきたいちごだからこその言葉。それにセイラが影響され、変化するっていうのは、正しく『アイカツ!』のアイドルっぽくてとても好きだ。
セイラ以外の描写に目を向けると、きいそらマリア以外にも、ジョニー先生や織姫学園長の目を通して様々な "DA の顔" が描かれる。モブアイドルだったり、デザイナーコースの子だったり、プロデューサーコースの子だったり。こういう所を広く拾ってくれるのは、DA に対する解像度が上がっていい感じ。
この回を観てちょっと思ったのが、『スターズ!』ならアイドルコースからプロデューサー or デザイナーへと転向した子が観られたかな ということ。作風の違いが出てきそうな部分である。


73 話『ハッピィ☆アイドルフェス 2nd DAY !』

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天真爛漫自由奔放だけど、普通に緊張したり不安になったりして、人一倍責任感の強い女の子 有栖川おとめ。
そんな彼女のメインエピソード。SLQ としての自覚や、学園への思いに溢れた、とてもいいお話。
おとめがただのアーパーでないことは今までも描かれてきた。そんな彼女が美月の跡を継いで SLQ になったらどうなるのか。神崎美月の強すぎる光がこんな所にまで波及していて、本当にいちご世代の物語は美月に始まっているという感じがする。そんな美月の光を浴びたおとめは、彼女なりの責任と思いと行動で、皆を引っ張り SL を支える。この頼もしさがとても眩しく、そしていちご達とのすれ違いが少し心に痛い。
SLQ として過ごしてきた一年間、その日々で "どんな体験をしてどういうふうに成長してきたのか" っていうのは語られない。でも常に "今" を観ている『アイカツ!』は、ここでもおとめの "今" の頑張りを声高に描いて、彼女の成長した姿をこちらに伝えてくる。また、ただおとめが頑張るだけじゃなく、皆がなんとかおとめをステージに立たせてあげようと東奔西走するのがいい。おとめが皆に愛されてるっていうのがよく伝わってくる脚本だ。そして、おとめをステージに上げる後押しをしたのもまた、「ファンも Soleil もその方が嬉しい」という思いだ。
その一方で、次回の「卒業」に向けて丁寧に伏線を張っているのも、上手いと感じる所。
SL と DA の対決って視点から観ると、出店や展示の多かった DA に対して、様々な趣向を凝らしたステージを連発していた SL という違いがある。こういう違いは名門校と新興校らしい違いだし、「アイドル学校の学園祭」ってのを考えた場合、SL に軍配が上がるのも納得できる。また、DA 勢 4 人がおとめ捜索にめちゃくちゃ協力してくれてる所なんかを観ても、一応勝敗は付いたけど、敵味方っていう括りはもうなくなってる印象を受ける。この膠着した状態をかき乱す為の、第三勢力というわけだけど。
余談だが、こういうお話が『スターズ!』のゆずでも観たかったなぁ、というのは、ある。ゆずっとリリィ☆への着地っていうのは、どうしてもこれほどの成長を感じられ、現状から飛び立ててない印象を受けてしまったからだ。あれもいいお話ではあったんですけどね。


74 話『桜色メモリーズ』

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涙涙の卒業式回。個人的な嗜好だけど、学園が舞台の作品ではやっぱり卒業式のお話が一番好き。
Soleil とさくらちゃん、どっちがメインということはないような気がする。或いは 2 本軸のお話か。
Soleil は卒業アルバムの為の写真整理。ここで過剰にしんみりすることがなく、常に明るさを保てているのが『アイカツ!』の、Soleil の、星宮いちごの特徴っていう感じだ。
一方のさくらちゃんは、先輩たち皆の卒業に耐えられない感じ。まぁ、(あくまで本編の描写内ではだけど)交友関係の殆どが一個上だしね……。ベタな題材だが、キャラへの愛着が十二分にある為、ぐっと来てしまう。
この 2 つのラインをおしゃもじというメディアで繋げているのは、いつもながら上手い構成。
いつもは "今" を観ている『アイカツ!』だけれど、このお話では "過去" を振り返ってるというのが結構印象深い。題材的には当然だし、前半の折返しってことを考えても妥当なんだけど。それ以上にやっぱり、これから先に第三勢力の参戦や新世代の登場といった、"未来" に向かう要素が出てくるからなのかな、と思う。そのために今回と次回とで一息入れておこうという感じだ。


75 話『アゲイン♪オフタイム』

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©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

本当に大好きな回。2 年目のオフ回。
基本的に学びとか成長とかはなく、ただ只管ゆっくりとした時間が描かれる。主に焦点が当たるのは Soleil。25 話と違うのは、「バスを乗り過ごしてあおいの荷物が重荷になる」みたいな小エピソードもない所。
ただただ、3 人がゆったりとオフを過ごす様が描かれる。
また、Soleil だけに留まらず色んな所へ筆を伸ばしているのもいい。ぽわプリに、そらマリとかえで、セイきいとユリカなどと、そう出来るだけの余裕が一年で生まれたということだろうか。特に DA が絡む 2 組は、いつもとは違う組み合わせなのが新鮮でいい。
そして、最後に放り込まれる一つの石。神崎美月、本格参戦である。まさしく第 2 クール終盤の役目って感じがして痺れる。次回予告ではあかりちゃん(弱)が映ってるし、ここから一気にお話が動き出す予感をさせる。