アイカツオンパレード! 5 話『ラッキー☆ハロウィン』感想

遂にやってきました『アイカツ!』の世界!
懐かしのあの子やあの子やあの子も登場!当然のように画面端にはあの子も!

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©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

オールドファンのノスタルジーをくすぐる描写やセリフも雨あられ
ハロウィン回特有の文脈をあちこちに引用しながら、お祭り感をぶち上げて "思い出" に浸りつつ、
"今" も観ながら、謎も深まりながら…… なお話。
伝説的な "2 代目" の風を浴びて、らきちゃんは一体何を学ぶ?

あと当然のようにフフッヒにあかりちゃんも追加です。

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今更だけど町の名前って『スターズ!』のきらきら市以外出てこないので、こういう時に書きづらいですね。
他 2 作に全く地名が出てこないわけじゃないけど、学校がどこにあるのかはわからないし。

 

 

 

てなわけで、相変わらず作品との接し方がわからない『アイカツオンパレード!』 5 話の感想です。

なんでここまで作品との距離感が掴めないのかって考えたんですが、多分尺の問題があるのかなぁ、と。らきちゃんのデザイン修行とさあや姉さんの陰謀(?)を中心に進めながら、オールスター展開も維持しながら、ってことでかなり尺の割き方に苦心してる印象があります。『フレンズ!』までの単独作品なら、各話の時間の使い方からある程度「お話の中心」となるものが見えてきていたわけですが、『オンパレード!』はそういう視聴の仕方だと掴みそこねるっぽくて。結局、脚本と描写の内容から個人的にフックとなった場所に注目して視聴、考察って感じに落ち着いたわけですが、お話が進むにつれてまた変わるかもしれません。

 

ただ「さあやお姉ちゃんの陰謀(?)」に関しては、数ある要素の中でも掴みやすそうな要素な気はしていて。

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これまでらきちゃんのステージのタイミングで発生していた世界線移動が、実は(今現在らきちゃんがいる世界以外の)他の世界でも発生してるっていうのが判明して(情ハラ)、その流れで "さあやお姉ちゃんも既に他の世界へ移動していた" という引きがあったのが前回で。

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それを受けての今回なので、この "なんちゃってミステリー風" な描写はいつもより強めな感じで、考えようと思えば色々考えられる。今までのお話を踏まえると、さあやお姉ちゃんは "らきちゃんがアイカツシステム付近で改造パスに触れた時" に扉が現れるという条件を知っていたと思われるわけで、それを利用して『アイカツ!』世界へ移動してきたんだろうけど、果たしてその目的は?とか。一応誘導する形にはなっていたけど、らき + システム + パスでいずれ移動出来るなら、誘導するだけってのは必要性が薄い(放っていてもいずれ移動する可能性が高い)ので、"ハロウィン" に『アイカツ!』へ連れてくるのが重要だったのだろうか とか。それならハロウィンパーティの予定や、スミレちゃんのステージがあることをどこかで知り得たのだろうか とか。また、情ハラや LMT の移動にも関わっているのか とか。

ただなぁ……ここに体重を預けるような作品ではないんだろうってのはあって。 

とはいえエピソード軸としては "らきちゃんのデザイン修行" というものがあるので、どちらかというと軸というよりはレールという表現のほうが近いのかもしれない。

アイカツオンパレード! 4 話『感じちゃお!アツい風』感想 - アニメ雑感記

前回の感想にもこう書いたように、軸っていうよりはレールな気がする。さあやお姉ちゃんがらきちゃんを使って世界を破壊するみたいな野望を持ってたら別だけど……。個人的にはこういうことを考察する作品も好きではあるんですが、さすがに『アイカツ!シリーズ』ですし。

 

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もう一つの大きな軸としての "らきちゃんのドレス作り" という物語。
今回は というか 今回も それなりの描写があったのは良かったと思います。ブルーエンプレスを褒めにスミレちゃんの楽屋へ突撃したり(情動主義)、手作業で仮装コンテスト用の衣装を作ったり、それに対する対価(がんばったで賞)をもらったり etc... 今までの話数の中で一番アイカツ!をやってた気がします。

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それ故に、ご褒美であったステージをやる前に飛ばされちゃったのは、なんだか普通に可哀想に感じたので、この辺もさあやお姉ちゃんの真意が気になる所。 (らきちゃんの成長が目的ならステージ前に飛ばすのは悪手なので、真の目的は違うところにあるはず っていう考え方は、ジャンル違いだというのは先述の通り。)

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あと、どことなく礼儀正しい感じの描写が増えてきたっぽいのは、いいことだと思う。一話の段階ではかなり地雷を生み出しそうなキャラクタライズだったけど、あれはあくまで "掴み" であって、これがデフォルトなのかな とも思ったり。それにしても、人によっては敬遠されそうな結構クセの強い "掴み" だったので、あれが正しい采配だったのかっていうと微妙な感じがしますが。

"らきちゃんのドレス作り" が大きな軸であることは間違いないんだろうけど、一方でこれも(お姉ちゃん関係同様に)全体重を預けていいものかっていうと、結構微妙な感じがして。やっぱりらきちゃんのキャラクターとしての足場が定まってないように感じるからかなぁ。

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『スターズ!』 10 話でゆめちゃんが自分だけの『スタートライン!』に立てたように、らきちゃんの今後を見据えたガッツリしたエピソードが 1 話くらい欲しくなるんだけど、『オンパレード!』の尺問題は恐らくそれを許してくれない というのが結構辛い。とはいえ、今回のお話なんかは終始らきちゃんが積極的に動いていたので、『スタートライン!』に立つ "前" のお話 くらいにはなった気はしますが。

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物語の軸って話でいうと、今回のゲストである『あかり GENERATION』なんかは、その辺が一番はっきりしていたシリーズだったかなと思う。断髪からお天気アイドルを経て "星宮超え" の象徴としての SLQ となったあかりちゃんの物語や、スミレちゃんの歌や LoLi GoThiC に対する思い、そしてひなきちゃんの 2 つのトラウマと "個性" に関するお話等々、3 本が 3 本ともしっかりしていて、作品全体を貫き、支えていたと思う。
(余談だが、以上のような観点から私は『あかり GENERATION』を『オリジナルスター☆彡』の物語だと考えている。一方で『2nd』までは『ヒラリ / ヒトリ / キラリ』の物語。)
ただでさえ今までより少ない話数の中、オールスター要素で更に尺が限られてくるという構造である以上、同じ様な骨太のエピソード軸は期待すべきでない ということは、わかってはいるんだけど。

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そういう骨太な物語を歩んできたアイドルの 1 人が、今回らきちゃんと交流したスミレちゃんで。"ドレスやデザインについて学ぶらきちゃん" という要素を鏡にして、ブルーエンプレスから『いばらの女王』の文脈を引っ張り出してきたのは見事だなぁ、と感じた。

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だからこそ!『いばらの女王』が 166 話の使いまわしだったのが本当に残念だった。まぁ『8 月のマリーナ』の前例からすれば、わざわざここで "SA ランクの FEVER アピールの新規CG を起こす" なんてことしないのは明白ですし、実際に視聴してる時もステージ中はそこまで気にならなかったんですけど、ステージ後にああいう会話をさせるなら「そこは作ろうよ……」と思ってしまうわけで。まぁ『ジュエル』同様、色々大人の事情があるんだとは思うんですが。"文脈" を踏まえるなら、ここでさらっと SA ランクを成功させて、さらっと彼女が "前" に進んでいることを感じさせて欲しかったなぁ、と。

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初期いちご以上のノーブレーキング情動主義と、いいこと占いの擬人化かよってくらいの超絶ポジティブによって、良縁とか結果が出たりしたこととかを「"ラッキーである" と認識している」というのが正しい理解かもしれない。

アイカツオンパレード! 3 話『マーメイドはとつぜんに』感想 - アニメ雑感記

らきちゃんについては以前こういうふうに評したわけですが、今回本家本元の「いいこと占い」と邂逅したのも、個人的には嬉しかったです。「いいこと占い」という単語は今回は口に出していなかったけど、「きっといい旅になる」っていうのはスミレちゃんらしく思ったり(正位置だから当然っちゃ当然だが)。逆にいうと、ここで "世界" の "正位置" を出されると『シリーズ』全体が大団円を迎えそうな感じがするんですが……。

 

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仮装コンテストに関するあれこれも、今回のもう一つのメインっぽくて。
各アイドルの可愛らしい仮装姿であったり、(アウェーとまではいかずとも少なくともホームではないはずの)『アイカツ!』世界であれだけのパフォーマンスをこなしてしまうミライさんだったり、あかりちゃんとのコラボステージであったり、等々色々見どころの多いシークエンスだったと思います。

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特にやっぱミライさんの存在感が強いこと強いこと。あかりちゃん登場回だっていうのにそれに負けていない存在感でした。ていうか『アイカツ!』世界に移動してどのくらい経ってるのかはわからないけど、移動先の世界でイベントプロデュースするってどんだけやねん、ていう感じがするし、ミライさんの力量を見抜いたあかりちゃんもあかりちゃんである。

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ちょっと残念だったのは、前半のスミレちゃんと後半のミライさんが強すぎて、あかりちゃんが余り大事な立ち位置じゃなかったことかなぁ。みおちゃんの不安を受け止めたゆめちゃんみたいな骨太描写が観たかった気持ちはある。やっぱり主人公組は別格なので。逆に、主人公組は出番が一回で終わらないことがわかりきってるので、後でまたなんかあるだろう という期待は持てますが。

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後は『アイカツ!』『スターズ!』勢の中では初めて "再会" するはずのひなき・珠璃との会話が一言もなかったていうのも残念。まぁ登板回のルール的なものなんでしょうけど。"再会" のお楽しみは一旦次回のゆめちゃんにお預けかな。

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あと少し気になった所といえば、ユウちゃんの扱い方だろうか。背景に三ノ輪ヒカリと一緒にモブとして映っていて、あたかもオールドファンをくすぐる風の演出をしていたけど、ヒカリちゃんはともかくユウちゃんてそういう扱いはあんましてなかった気がするんだよなぁ。メインや準メインと比べて出番が少なかったていうのはその通りなんだけど、それでも出番がある時は普通にセリフがあって、あかりちゃん達と言葉を交わしてた印象があって。そういう隠しモブみたいな立ち位置にいたのは、ヒカリちゃん以外だとユウちゃんではなく SpLasH ! だと思うんだけど。

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一方でまど凛もモブのような感じで出ていたので、そこまで深く考えるべきじゃないのかもしれないけど。

 

 

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ステージは今回も 3 つで、『Lovely Party Collection』『いばらの女王』『アイデンティティ』の 3 曲。
そのうち『LPC』 が『アイカツ!』 156 話から、『いばらの女王』が 166 話からの流用です。また『アイデンティティ』は『フレンズ!』 29 話のステージがベースになってる模様。つまりハロウィン関係のステージが 2 つということで、ここでも文脈引用の力が観られます。
『いばらの女王』については既に上で書いたのでここでは省略。
『LPC』についても旧ステージの使いまわしなので省略。

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ということで ミライ × あかり の『アイデンティティ』について。
『フレンズ!』 29 話で "with あいねちゃん" でやったステージがあるんですが、それの "with あかりちゃん" ver という感じ。『STARDOM !』でゆめちゃんの新ステージがあったことなんかも考えると、過去作勢で新規モデルが用意されてるのは主人公勢だけかな? となると新規ステージが望めそうな組み合わせは『フレンズ!』勢 + 主人公勢という感じだろうか。逆に現状では ユリカ × RM とか、レイ × アリシア とか、美月 × エルザ × ひびき とかそういう組み合わせのステージは厳しそう(お話上で絡むことはあるかもしれないが)。

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何にせよあかりちゃんの新規ステージが拝めたのはとても良かったです。かわいかったし。何より、"チガカワ" をそのまま歌ったといっても過言ではない『アイデンティティ』を、『オリジナルスター☆彡』の体現者たる "大空あかり" が歌うという文脈の強さ、ここがとても痺れました。

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ミライさんにボコられた経験のあるあいねちゃんがガチめに驚いてる描写を入れることで、『フレンズ!』 29 話方面の文脈からも補強して、あかりちゃんの "凄み" をより際立たせた点もよかった。ステージ自体は勿論、その前後も良い描写だったと思います。

【宣伝】あいね ver と あかり ver の比較動画です。

追記 19/11/05

比較動画を作ってる最中に見つけた、あかりちゃんとあいねちゃんの違いの一例です。

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前奏が終わる直前、歌に入る直前のターンです。
あいねちゃんはプレーンな表情ですが、あかりちゃんは笑顔を作ってます。
目を皿にして探せばもっと色々差異があるのかもしれません。 

 

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といった感じで、『オンパレード!』 5 話の感想でした。
不満点が全く無いわけではありませんが、なんだかんだで楽しめています。
まぁやっぱり「姫石らきのアイカツ!」をもっとガッツリ描いてくれた方が好みではありますが。

 

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次回は再び四ツ星へ!
ゆめちゃんの再登場とか第 25 代の参戦とか、思ってた以上に早くてあたふたしてるのですが、
これからどんな感じで全体が展開していくのか。その辺踏まえて楽しみです。

(どうでもいい)追記 19/11/05

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いや、本当にどうでもいいことなんですけどね。
「健康なアイドル」ってすげースターライトっぽいなっていう。