アイカツオンパレード! 3 話『マーメイドはとつぜんに』感想

『スターズ!』編……という括りはないと思うけど、きらきら市に来ての 2 話目!

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©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

次回予告からしてガッツリあこちゃんと絡んでいくのか と思ったらそうじゃなく、
春ちゃんとも絡んだり、オールスター作品らしく思い出話をしたり、結構内容が詰まってたお話。
ステージ山盛りの構成は相変わらずだが、フィッティングシーンをオールカットすることによって、
何とかダレないギリギリのラインを保ててるかな?という印象です。

 

 

 

 

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お話は、前回やったコラボライブの反響のことから。
と開始早々でひりつきポイントになりそうな "S4 の椅子に部外者が座る" という描写。まぁ個人的には、このことでみおちゃんを責める気にはなりませんが(別作品の文脈を理解しろという方が無理筋)。ただ、スタッフはもうちょい気を利かしても良かったんじゃないのかなぁ、とは思います。確かに今の真昼ちゃんやあこちゃんが(一年生のときのように)普通に食堂に居たらおかしいけれど、それにしたって四ツ星の食堂には二階があるし、それ以外にも学園内で会話するだけならロケーションは他にもあるだろうに、とか思ったり。

 

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そのまま Rainbow Berry Parfait の定期公演を観させてもらうことに。
ここでちょろっと描かれるが、らきちゃんはどうやらただ単に幸運持ちというわけではなく、極限にポジティブであるといったほうが正しそう。勿論、縁に恵まれてるというのはあるんだが、歴代主人公ズは全員多かれ少なかれ同じ様なところがあったわけで(主人公補正)。初期いちご以上のノーブレーキング情動主義と、いいこと占いの擬人化かよってくらいの超絶ポジティブによって、良縁とか結果が出たりしたこととかを「"ラッキーである" と認識している」というのが正しい理解かもしれない。

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ノーブレーキでグイグイ行く所はお話を転がす上で便利で、前回の真昼ちゃんに続いて今回は小春ちゃん・あこちゃんに積極的にアタックしていく。 

交流のお話をもう少しすると、らきちゃんが真昼ちゃんにグイグイいった所はよかった。なんだけど、そこに尺を割けないのがお祭り作品故の悲しさかなぁ、とも思った。ちゃんとした(?)単独シリーズであれば、デザインやファッションを軸に一話描けそうなだけに。

アイカツオンパレード! 2 話『ワクワクインスピレーション』感想 - アニメ雑感記

前回消化不良気味だった、らきちゃんのお勉強パート。今更だけど、前回はデザイン方面の話を掘り下げない代わりとして、合同トレーニングがあったのかもしれない。それはさておいて、今回はそれなりに尺を割いてデザインのお勉強 + 思い出話をしていた。

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過去作のエピソードを引用してきてノスタルジーに浸るのは、こういう作品でやんなきゃいけないことの一つだとは思うんだけど、一方でそれに傾倒しすぎてしまうと「姫石らき」というキャラクターの意義が失われてしまうので塩梅が難しい。今回は RBP と PP の思い出話をしながら、らきちゃんが (オールスターものとしては些か直球すぎる気もするが)「一人の力だけじゃダメ」ということを学んで、あこちゃん方面へとお話が流れていく展開だった。RBP の定期公演は、あくまで今回のメインである あこちゃんパート への導入で、どっちかに偏った感じは個人的にはしなかったのでよかった。これがもっと長尺になったりすると、らきちゃんに何をどう学ばせるかっていうのが大事になってくると思います。

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この時の描写でいうと、みおちゃんがめちゃくちゃ饒舌だったのがちょっと面白かった。オタクは自分の守備範囲内に話題が来るとついつい喋ってしまう生き物だから、仕方ないね。

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その反面、あいねちゃんの "トモダチカラ bot 化" が著しい……。まぁ『シリーズ』内は基本いい子しかいないので、あいねちゃんの属性はちと活かしにくくはある。ましてや一応主人公じゃなくなったわけだから尺も限られてくるし、現時点では成長の余白も少く見えるし。取っつきにくそうなエルザ様辺りと絡むことができれば、何かしらの化学変化が起きそうで面白そうではあるけど。

 

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場面は移り、あこちゃんの仕事場へ。『アイドルはマーメイド』の関連作品だと思うけど、すばるくんやかなたくんは出てこず……。男性アイドルの存在は、言うまでもなく『スターズ!』の大きな特徴の一つなので、めちゃくちゃ触れて欲しかったトピックだったけど……やっぱハルカ☆ルカのことも踏まえるとメインキャラ以外はギリギリまで絞っていくのかなぁ(ヒカルくんや玉五郎先生が出ていたから全カットではないけど)。

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ここではあこちゃんから「お芝居もステージも自然体が一番」というアドバイスをもらうことに。前回のゆめちゃんもそうだったけど、こういう『アイカツ!』『スターズ!』勢の頼もしくなった姿はどんどん観せて欲しい所。一方で「情動主義のらきちゃんが自然体だと危なそう……」と思ってた所に、見事な脚本ブレイクのアドリブ。それすらさらっとフォローしてくれたあこちゃんが眩しかったです。

 

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お芝居に関して独立した一つの組を作り、メイン(ゆめロラ)とは別軸でお話を展開していったというのもまた、『スターズ!』の大きな特徴の一つだと思う。『アイカツ!』において、あおいちゃんは演技だけをしていたわけではないし、しおんちゃんはメインキャラじゃなかった。珠璃ちゃんはメインかつ演技キャラだけど、個人のお話は 109 話でほぼ消化していて、後はコミックリリーフに聞き役に狂言回しに といった万能キャラだった。ついでに『フレンズ!』について触れると、演技キャラはいなくて、ミライ・あいね・みお・かぐやがそれぞれ単発エピソードで扱ったくらいだ。そういうことを考えると、"演技" という題材に対してしっかり腰を据えて物語を語りきったメインキャラクターは、『早乙女あこ』ただ一人ということになる。

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まぁ正直一年目はいい扱いだったとはいえない(担当回がドラマ回に潰されたりして 45 話までちゃんとしたお話を貰えなかった)。それでも 45 話でしっかりとキャラクターを確立させたし、そこから 46 話の敗戦、『星のツバサ』でのきららちゃんとの出会い、そして成長と、ゆめローラ小春真昼で語られる王道とは違った軸で、しっかり自分の物語を描けていたと思う。

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(これは私の周囲だけの話かもしれないが、『星のツバサ』で最も評価を得ているのがあこときららの物語であることも、この辺に起因していると思う。)

 

 

今回も 3 ステージ構成で、中身は『Message of a Rainbow』『8 月のマリーナ』『君の Entrance』。
どれも既存ステージで、恐らく流用だと思います。

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個人的な思い出が強いのは、ゆめ × 小春による『Message of a Rainbow』でしょうか。以前『フレンド』の MAD を作った時に何十回と繰り返し観ていたので、振りやカメラワーク、エフェクトの入る位置に至るまで覚えていて、とても懐かしい気分になりました。

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『8 月のマリーナ』についてですが……まぁちょっと残念な気持ちでした。
というのもこれ、多分あこちゃんが『星のツバサ』でソロステージ貰えてない(※)から、苦肉の策で一年目から引っ張ってきたんだと思うんですよね。コーデもカメラワークも演出も同じだし。

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※あこちゃんの『星のツバサ』でのステージは
61 話 …… 『ハッピー☆パンチ』 with ゆめ
74 話 …… 『おねがいメリー』 with きらら
84 話 …… 『おねがいメリー』 with きらら
87 話 …… 『We wish you a merry Christmas』 5 人
92 話 …… 『episode Solo』 第 26 代 S4
100 話……『アイカツ☆ステップ!』 5 人

まぁ限られた工数の中で流用すること自体は仕方ないと思うんですが、如何せん一年目序盤のステージなので、『星のツバサ』以降全く成長してない感じがしてしまって……。

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オーラが一年目仕様(頭上リボン型)で、一年目終盤以降観られた周囲に展開するタイプではないし(そもそも上記の理由で、あこちゃんの強化後ソロオーラ自体が不明)、『スターズ!』に於いてステージクォリティを担保する一つの表現である 虹色のゴーストもないし(19 話のゆず ver にはある)……。あこちゃんのソロステージがないという『星のツバサ』の歪みをここで観ることになるとはなぁ……といった感じでした。

『君の Entrance』は 1 話と同じなので、特にコメントすることがありません。

 

追記 19/10/23

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●『スターズ!』 17 話と今回の『8 月のマリーナ』の違い
上記ショット等でエフェクトに合わせた SE がいくつか追加されてました。
ひょっとしたらサウンド系は(ボーカルの再録含めて)色々違いがあるのかもしれません。

 

●『スターズ!』ソロステージに於けるオーラの表現
よく言われてることなので知ってる人も多いでしょうが、おさらいがてら。
ざっくり分けて最初期~一年目終盤(S4 戦)までに出てくる頭上リボン型と、
それ以降に出てくる周囲展開型があります。

 

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オーラの変遷が一番わかり易いのは主人公のゆめちゃんで、最初期のぼやけたリボン、中盤以降に観られるはっきりしたリボン(これはモデルが変わっただけかもしれないが)、そしてリボン型の頂点に君臨する例の "虹オーラ"、更には S4 戦で開花させ『星のツバサ』以降も続いていく星のオーラと、実に多様。

 

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このリボン型か展開型かの違いってのは結構重要で、ステージングの良し悪しを決める一つの表現でもある。全員がリボン型の一年目(終盤除く)と全員が展開型になる『星のツバサ』ではお話に絡んでくることはないが、リボン型と展開型が入り交じる S4 戦だけは、覚醒するかしないかが大きな違いを生む。
その違いが一番出てくるのが 真昼・夜空 と ローラ・リリィ の部分であり、覚醒した = ステージングが優れている ことの証となっている(真昼・ローラがそれぞれ夜空・リリィをポイントで上回る)。
また劇組の 2 人(ツバサあこ)は覚醒せず、歌組のトップ 3 (ひめゆめローラ)は全員覚醒、ゆずのステージはカットされているが『星ツバ』で覚醒したことを考えると一年目時点では覚醒してなかったと思われる。この辺を踏まえると、歌組トップ 3 以外で唯一覚醒した真昼ちゃんは結構ヤバいということになる。
(画像は全て一年目 S4 戦時のステージ。夜空・リリィはリボン型のまま、真昼・ローラは展開型へ変化。)

 

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覚醒時期は様々で、一年目の S4 戦で覚醒した子(ゆめローラ真昼)もいれば、『星のツバサ』入手時に同時に覚醒した例(ゆずリリィ)もある。またローラ・真昼の 2 人は S4 戦時に手に入れた展開型オーラを、『星ツバ』入手時に更に進化させている。一方ゆめ・きらら・レイ・アリア の 4 人は『星ツバ』入手前後で(パット見では)オーラの変化がないという違いがある。
(画像は真昼・ローラ それぞれの『星ツバ』入手前後における展開型オーラの変化)

 

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ついでにいうと、太陽のドレスや月のドレスになると、振りにつくエフェクトやステージ演出も盛り盛りになるため、どこからどこまでがオーラなのかぶっちゃけわからない。空中に追加されたキラキラが太陽・月特有のオーラかと最初は思ったが、『STARDOM !』のゆめちゃんも光ってたしなぁ。

 

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更におまけで、『スターズ!』内でステージング No1 とされるこの人なんかは、展開型を手に入れた後でも頭上にリボン型が残ってたりする(他の子も頭上に色々浮いてたりするが、元のリボン型が残ってるのはひめちゃんのみ)。こういう所を観ると、流石に格が違う。
(画像一枚目がリボン型のみ、二三枚目が展開型覚醒後。空中に舞うパーティクルが種類・量共に多い。)

 

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ステージ後はこれまた唐突に扉が開いて、『フレンズ!』世界へ無事帰還。正直ゆめちゃんくらいには一言言ってから帰るかと思ってたんですが、叶わず。まぁ早めに帰還したい状況ではあったしね。

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そして帰還したらまさかの時間が進んでいないパターン!ここで「世界線移動を繰り返しちゃったら 3 人の精神年齢だけが経過しちゃうやつだ……」とかは多分思っちゃいけない(というか細胞が戻らなければ代謝した分、体も年を取ってるはず)。

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これだけでも結構 SF ミステリー色が強いんだけど、まさかの『アイカツ!』→『フレンズ!』の移動も確認されて、より一層カオスに。さあやお姉ちゃんは一体何者なんだ……!?

 

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そんなこんなで結構お話が転がり、引きも強めな 3 話でした。
何だかんだいいながら 4 話も結構気になる所です。情熱★ハラペーニョをどう転がしていくのか。

追記 19/10/24

【宣伝】どうせなら貼っておきます。


【アイカツスターズ!】フレンド -ゆめと小春-【MAD】