アイカツフレンズ! 63 話『すべての道はアイカツに通ず!』感想

祝・アリシア シャーロットのアイカツ!復帰!その初日!
ただし PP に直接師事するのではなく、最初の一歩は自分の足で。
或いはアイカツ!留年生が、『フレンズ!』界の頂点と触れ合う回か。

63 話 アリシア アイカツ!再開

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

お城とブリザードを脱したアリシアさんは、めでたくアイカツ!リハビリ初日を迎えるわけですが。師事した PP はお仕事の都合でずっと一緒にいることはできず、ってんでまずは自分の足で挨拶回りをすることに。

63 話 アリシア 挨拶回り(1)

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

これは完全に自分の好みなんですが、やっぱりこういうド地味なアイカツ!がとても好きです。派手なお仕事をバンバンやったり、ライバル達とバチバチやったりするには、その基礎となる足腰が必要なわけで。ドサ回りはそういうのが感じられてとても好き。

63 話 女の子(1)
63 話 女の子(2)
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

この挨拶回り中に、アリシアさんの知名度が微妙な感じなのがとてもいい。知ってる人もいれば、知らない人もいる。ぶっちゃけ全員が知っていたら PP に師事してリハビリする理由が弱まってしまうし、逆に全然知られていなければ(忘れられていたら)ひびきさんの活躍が嘘だったということになる。なのでこの辺りにムラを持たせておくのは大事だ。

63 話 アリシア 挨拶回り(2)
63 話 アリシア 挨拶回り(3)
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

挨拶を交わした人々を片っ端から紅潮させていくのは、流石はビジュアルが強みのアイドルだなぁ、と思う。アリシアさんの魅了設定は『ジュエル』初期から言われてたことだし。後は単純に見ている側として、ソルベットが一段落ついたことで "氷" が溶けて、その下にあった生きている表情が観られるっていうのが嬉しい。

63 話 アリシア ポスターサイン

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

ポンコツ属性も、個人的にはその一環に感じられて。キャラへの味付けとして、あのビジュアルにあのポンコツ具合はいい感じに落差を感じられてとても可愛らしいし、正解だと思う。一方でこのかわいさが彼女の本来の姿だとしたら、ソルベットに居る時に覆われていた(或いは自ら被っていた) "氷" というのはどれだけ厚くて重かったのだろうか、と思ってしまう。だからポンコツかわいい感じは勿論あるんだけど、それ以上にアイカツ!に復帰できてよかったね、と思ってしまう(一方でこの自由は父と弟と祖国を犠牲にして成り立っているので、やはり後々のフォローは避けられないだろう)。

ただまぁ小難しいことを抜きにしても、アリシアさんのキャラにどんどん肉付けしていったのは感じられて、とてもよかった。ビジュアルの強さやポンコツ具合、挨拶回りに行く律儀な所などは上述の通りで、それ以外にも "王女" に対する葛藤や、カレンさんとの同棲が妙に合っている所とか。

63 話 アリシア カレン 朝食

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

やっぱ自然にしてるだけで高貴さを感じられるのは、中々に面白い。この辺りは、最初から国を出ていたエルザとは違い、"王女" であることから物語をスタートさせたアリシアさんならではの魅力に思える。ガチ王族に高貴さで並び立つことができるカレンさんもまたカレンさんだ。朝食の描写や相変わらずの "ペット" 達から神城パワーをビンビンに感じる。

63 話 カレン

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

ただ我々は、一年間の物語で "神城カレン" がただの金持ちお嬢様でないことを知っていて。博愛の天使であり、アイカツ!求道者であり、"道" を極めんとする彼女であるが、やっぱ個人的には彼女こそが頂点であるように感じられる。フレンズとして LMT と PP は並び立つ存在になったし、アイドルとしてカレンさんとミライさんは同格でみおちゃんやひびきさんもそれに次ぐ位置にいるんだろうけど、やはりその精神性というか、やってることというか、目指している所なんかを観ると、彼女がこの世界における『神崎美月』に感じられる。

63 話 カレン ファンレター

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

大量のファンレターに目を通すのもアイドルとしての "凄み" だが、この役割を PP じゃなくカレンさんに充ててる所なんかを見ても。"どう思うかは受け手の自由" "だけど私は愛を届けたい" とか、言葉や思いから発せられる "凄み" も強い。

63 話 カレン 『強く優しく美しく』(1)
63 話 カレン 『強く優しく美しく』(2)
63 話 カレン 『強く優しく美しく』(3)
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

ステージはそんなカレンさんの新曲『強く優しく美しく』。数年前の日曜朝を思い出しそうなフレーズだが、雰囲気はジュエルの映える暗色寒色系……ではなく、あいねちゃんの様な明るいタイプのステージ。カレンさんの雰囲気と曲にはあってると思うんだけど、やっぱこういうステージだと光り物は映えにくいなぁ……と思ってたが、今回はアピール後にドレスの柄が変わるという演出付き。こういうのは独自な感じがしていいですね。後は困ったときのスポット(明るめのステージでも強制的に暗め + 光量増ができる)なんかも。金髪キュートアイドルは『アイカツ!』の文脈だとそれだけで強さを感じちゃうが、そこに白基調のウェディングっぽいドレスはより文脈が強くなる感じがする。

63 話 アリシア 悩む
63 話 ラジオメール
63 話 アリシア 決心
63 話 アリシア 告白
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

カレンさんに後押しされる形で自らの出自を公表するに至ったアリシアさん。この辺の謎さを逆手にとってエンタメを展開していく、ってのはひびきさんやミライさんが得意としそうだが、そうじゃなくて自身のオリジンと向き合って、悩んで、答えを出すっていうのはなんだか "ゴシック" の系譜っぽい。それにしちゃドラマは薄めだったのは、これがアリシアさんにとっての一歩目だからだろう。アリシアさんの目標は 5 年前の位置に辿り着くことではなく、スペカツを通して成長した "今の" ひびきさんに追いつくことなのだから、まぁお話はまだまだ始まったばかりなのだ。
※ひびきさんがソロではトップクラスだとすると一からそこに追いつくには最短でも RM と同じ日数が必要になりそうなもんだが、アリシアさんには "貯金" があるのはここ数話で描かれているので、その辺は描写が飲み込めるレベルだろう。

63 話 次回予告 HC

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

次回はおまたせ!ボクらの HC メインエピ!
ステージ担当エピソードがシャッフル回だったので、実質『ジュエル』初メインだよ!
というかやっぱり世界一周はちょいちょいやってる形なんですね。
まぁ普通そうだよね。日本でもお仕事あるわけだし。
ということで実に 48 話以来となる HC の物語。彼女達の現在地がどのように描かれるのか、楽しみです。

追記 19/06/28

63 話 PP(1)
63 話 PP(2)
63 話 PP(3)
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

天然ポンコツアリシアさんと、お花畑なあいねちゃん 2 人に振り回されながらも 1 人で健気にフォローし続けたみおちゃん、お疲れ様でした。今回は君が MVP だよ!

63 話 アリシア PP ラジオ

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

最後にちゃんとスタジオに来て見守っているのが好き。