アイカツフレンズ! 64 話『ハニーキャットはギャラクシー』感想

f:id:hm_htn:20190705114835p:plain

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

物凄く久々な気がするよ!HC のメインエピソード!
何しろ 1 クール目のステージ担当回はフレンズシャッフルでしたからね……(アレはアレで面白かったけど)。
というわけで、ちゃんとしたお話は今回が『ジュエル』初になると。

 

f:id:hm_htn:20190705114133p:plain
f:id:hm_htn:20190705114151p:plain
f:id:hm_htn:20190705114137p:plain
f:id:hm_htn:20190705114144p:plain
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

趣旨としては、大きな目標を達成しつつある今、その先に目を向けるお話。
燃え尽き症候群的なものでいえば、やはり『シリーズ』の中だと神崎美月を思い出してしまうわけで。ただ美月さんについてここで触れてしまうとそれだけで 1 エントリーになっちゃうし、ここはあくまで 64 話の感想を書く場なので今回は横に置いておきます。ただそういう "文脈" を思い起こせば、今回 HC の 2 人が踏み出した新たな一歩も、その感慨がより一層深くなる(ような気がする)。

f:id:hm_htn:20190125234515p:plain
f:id:hm_htn:20190208125449p:plain
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

HC に取って何が "燃え尽き" の対象になるかっていうと、それは勿論「世界一周ファンミーティングツアー」の終了だ。そもそも世界一周ツアーの発端は、SHC で PP に負けたことにある。あの敗北で「ファンと向き合うこと」の大切さを学んだ HC は列島縦断ツアーへと踏み切り、DFC という 1 年目のストーリーのピークを終えた後の世界一周ツアーへと繋がっていった。更に 1 年目の HC のラストエピソードでは、世界一周ツアーの為の準備が描かれていた。これらを踏まえると、HC にとっての世界一周ツアーは 1 年目の物語における成果や集大成と言えるだろう。

そんな彼女達がもはやそれを終えようとしている、というのは一抹の寂しさを感じる。まぁ星宮いちごの渡米に始まり、Soleil のジャパンツアー等々、"その後" についてはある程度省略されるのは常と言えるが。

追記 19/07/05

1 年目の集大成から更にその先へ足を踏み出す、というのは中々にエモい。ただそれは置いといて "描かれなかったこと" もまた事実だ。上述した例と併せて考えるなら、逆に延長線でも何でもなければ気にならなかったのかもしれない。

f:id:hm_htn:20190705114635p:plain
f:id:hm_htn:20190705114642p:plain
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

『2nd』における星宮いちごの「アメリカでのアイカツ!」については完全にこの扱いだった。渡米そのものは 1 年目の延長線上(STAR☆ANIS での燃え尽き→美月を始めとする "やりたいこと" を取り組んでる姿からの刺激。逆に 2 年目はこの構図が反転してますね)にあるものだったが、渡米からダイレクトにトゥインクルスターカップまでお話が伸びているわけではなく、お話を補助するための要素として(主に回想を交えて)使っていた。世界一周ツアーと『ジュエル』の HC もこういう関係性なら違和感なかったかもしれない。ただそれだと今回描かれたような "延長線ならではのエモさ" がないんだよなぁ。となるとツアー中の "リアルタイムでの" "エピソード(≠ ただの描写)" をやるしかなかったと思うんだけど、一方でソルベットに話数を割いたのは最善手だったとも思うし。筐体販促が絡む女児アニメならではの尺のやり繰りの難しさが滲み出ますね。Soleil の『Our Dream』に関しては "完全な世代交代" という大義名分があったから、状況がだいぶ違うか。

f:id:hm_htn:20190705115743p:plain

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

ただその旅先でカレンさんと出会っていた、という構成が結構面白い。彼女達は世界一周をもうすぐやり遂げるわけで、それは彼女達の成長に十分に繋がったであろう。しかし、だからといって彼女達が頂点に達したわけではなく、上には上がいるというのが芸事の世界なわけで。自身でパフォーマンスを行うという領域を越え、アイカツ!の普及そのものに取り組んでいるカレンさんは、『フレンズ!』界において "上にいる者" の最たる例だ。そんなカレンさんと旅先で偶然出会ったり、カレンさんのステージを契機に次のステップが見えてきたり、その辺りの運命性なんかは正しく物語が転んでる感じがしてよかった。

f:id:hm_htn:20190705115804p:plain

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

カレンさんと出会ったのが遭難中というどん底であったのもよくて、今回のお話全体を暗喩している感じだ(お話の中で回想として出てくるから伏線というわけではないだろうが)。

f:id:hm_htn:20190705115909p:plain
f:id:hm_htn:20190705115914p:plain
f:id:hm_htn:20190705120205p:plain
f:id:hm_htn:20190705115918p:plain
f:id:hm_htn:20190705115923p:plain
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

"格上" というならひびきさんの存在も大きい。やっぱりソロでアーティストしてるときの彼女は凄まじいなぁ。出会い頭で既にコンテを打っていたり、現場では責任者としての行動を示し、いざという時には身を挺する人格、そして何より HC へのオファーや積極的にアイディアを掬い上げるといったアーティストとしての直感の強さと、それに付き従う行動力等々。サシの人付き合いはあんなにド下手なのにな!やっぱり成長要素をもった強キャラという作り、面白いです(何度でも言う)。

 

f:id:hm_htn:20190705120002p:plain
f:id:hm_htn:20190705120007p:plain
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

お話の中心は、HC がオファーされた CM のアイディアを考えるというものだが、その為に自ら足腰動かして東奔西走する様は最高に HC っぽいし、"アイディア探し求めること" がお話の中心にくるのも HC らしい感じ。逆にここを天啓で乗り切れてしまうのがみおちゃん(や PP)というわけだ。じっと頭を動かすよりは体を動かしながら。何か刺激を得られそうなら時間を費やしてでもステージを見に行っちゃう。HC は、そのビジュアルやキャラクターから舞花ちゃんの情動で動くようなイメージがあるが、実際はエマちゃんがノリノリで進めていくパターンもあるわけで。この辺がたっぷり可愛く描かれたのは本当に嬉しかったです。

f:id:hm_htn:20190705120035p:plain
f:id:hm_htn:20190705120041p:plain
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

あと HC らしい、青春感全開の、芝のフィールドや夕焼け等々のシチュエーションも健在。もはやお約束になってるけど、メインエピお預け状態だったので、お約束をやってくれたほうがありがたい。

 

f:id:hm_htn:20190705120102p:plain

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

トラブルが大道具の事故だったのは「これどうなんの?」という感じだったが、それを責任感のあるモブに背負ってもらったのは割と上手い運びだったように思う、一歩間違えたらフワドリ案件になるところだった。

 

f:id:hm_htn:20190705120404p:plain

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

ステージは正直、物足りない感があります。現行作品だけあって CG のクォリティは文句なしなんだけども……やっぱり 2 年目になっても 1 年目のステージをされると、「うーん」となってしまう。というかクォリティが高いからこそ、色んなステージを見たくなるっていう贅沢な悩みなんでしょうかね……。

f:id:hm_htn:20190705120231p:plain

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

一応カレンさんとの W ステージだったけど、これはこの辺のバランスを取ってる感じなんだろうか。
ミライさんと RM の時も同じ構成だったし。

 

f:id:hm_htn:20190705120504p:plain

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

とまれ、HC が無事次なる目標を見定めることができたというお話でした。一歩先をいくお姉さん達は、やはりというかなんというか宇宙進出するんですね!ひびきさんに取ってのスペカツは、フレンズとして上手くいかない方角へズンズン突き進んでいた先にあったで、アリシアさんにとっては皮肉にもその頑張りがアイカツ!復帰後の 2 人の距離を生んでしまっていたが、HC にとっては「ファンと向き合うこと」の旅の延長線上にあった、というのが中々感慨深いですね。これから先どうなるか楽しみです(退場はしないよね?)。

f:id:hm_htn:20190705120534p:plain

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

次回は『フレンズデート』なる穏やかじゃない固有名詞を冠する回のようで。
アイビリーブの行く末に注目ですか。

追記 19/07/05

f:id:hm_htn:20190705120554p:plain
f:id:hm_htn:20190705120600p:plain
f:id:hm_htn:20190705120608p:plain
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

崩し絵で描かれるエマちゃんがくっそかわいかったんだけども、遭難中というどん底の息抜きでもあれば、カレンさんがまたぞろリアリティラインをぶち破った感じもあるな。"島" といい "ペット" といい、そういうのを容易に行えるのもまたキャラクターの持つ一つの属性何だと思う(『スターズ!』の二階堂ゆずとか、『アイカツ!』ならいちご本人かな?)

追記 19/07/06

62 話の RM も今回の HC も、どうせ 1 年目のステージをやるならミラクルオーラくらいあげればよかったのにね、と思った。そしたら個人的には許せた(というか普通にテンション上がってた)かも。まぁ RM は 62 話のストーリー的に難しいかもしれないけど、今回の HC は文脈やら考えると割とぴったりだったんじゃないかなぁ。