アイカツフレンズ! 70 話『新たなるステージへ』感想

f:id:hm_htn:20190818005004p:plain

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

砂漠よりも、雪原よりも、宇宙よりも、あなたが必要!
『フレンズ!』に渦巻くラブ・ロマンスの筆が荒れ狂う 70 話・勝負のアイビリーブ再結成回!

f:id:hm_htn:20190818005032p:plain

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

まぁ、今更描写の薄さを嘆いたって仕方ない。
寧ろアイビリーブに関しては『ジュエル』の中心に据えられていたこともあって、他キャラ・他フレンズより圧倒的に尺は割かれていて、実際に 2 人のパーソナリティはかなり掘り下げられている(特にアリシアさん)。「いうほど PP からトモダチカラを学ぶ機会あったか?」「PP がアリシアアイカツリハビリに役立ったか?」「大体 LMT のおかげじゃないか?」という思いは今でもあるんだけど、ただ感情を載せられるだけの土台はあるように思う。
(つってもやっぱひびきさんの人間力は急成長してる印象がある。比較対象がみおちゃんだし)

f:id:hm_htn:20190818005159p:plain
f:id:hm_htn:20190818005204p:plain
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

成長過程の描写は薄くても、成長していることは確かで、特に今回ひびきさんが投げかけた言葉はよかった。自分の情念をぶつけるだけでなく、アリシアさんの目を観て、思いを汲んで、優しさを込めて言葉を発する。それでもアリシアさんの地雷に触れてしまって、視界を滲ませてしまう所なんかも、まだ微妙に慣れてない感じ & アリシアさんがそれだけ一杯一杯な感じ がしてよかった。

f:id:hm_htn:20190818005304p:plain
f:id:hm_htn:20190818005310p:plain
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

雨宿りの橋の下というシチュエーションを用意したのも、文脈オタクとしては反応してしまうポイントで、コンテが照雄さんなのも踏まえて面白い。確認してみたら『スターズ!』73 話の脚本も成田良美さんだったし。

f:id:hm_htn:20190818005428p:plain
f:id:hm_htn:20190818005436p:plain
f:id:hm_htn:20190818005441p:plain
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

雨 & 橋の下といういわゆる一種の密室・2 人だけの空間で、感情をバチバチぶつけ合うのはやっぱりいい。この辺は "2 人" であることをずーっと意識してきた『フレンズ!』の強みであるし、また 5 年前は仕事のことばかり・5 年間は一方的に・今は少し余所余所しく といった独特な変化を経ているアイビリーブだからこそ、こういった感情を剥き出してきちんと向き合うのは大きな意味を持つと思った。

f:id:hm_htn:20190203111909p:plain
f:id:hm_htn:20190127010730p:plain
f:id:hm_htn:20190131010205p:plain
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

PP や HC や RM なんかとやってることは同じなんだけど、やっぱり年齢高め・5 年の空白期間というのが独特な厚みを持ってますよね、アイビリーブ。

 

f:id:hm_htn:20190818010225p:plain

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

ひびきさんとみおちゃんの重ね合わせは 53 話の人間関係不器用っぽさなどでも示されていたし、PP と アイビリーブ の重ね合わせでいえば 56 話でまんまやってたことだ。

アイカツフレンズ! 61 話『心の扉をあけて』感想 - アニメ雑感記

アリシアエピの次の展開が、「ひびきに追いつくため」に PP から学びを得るっていうのも『フレンズ!』らしい。ひびきさんは「トモダチカラを学ぶため」に PP へ近づき、へっぽこフレンズから見事に成長を果たしたのと合わせて考えると、まぁこの構図は「人間として成長した湊みお」「アイドルとして成長した友希あいね」という 1 年目 PP の構図と相似なわけだ。

アイカツフレンズ! 61 話『心の扉をあけて』感想 - アニメ雑感記

今までも一年目 PP とアイビリーブは重ねられてきたけれど、今回はもっと露骨で。PP 特権の一つであり『フレンズ!』を象徴する演出である鐘と鳩が描かれる。激重感情ラブレター歌詞なんかもまんま PP なんだけど、みおちゃん役のひびきさんではなくあいねちゃん役のアリシアさんからというのは結構面白い。

f:id:hm_htn:20190818010322p:plain
f:id:hm_htn:20190818010329p:plain
f:id:hm_htn:20190818010334p:plain
f:id:hm_htn:20190818010339p:plain
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

5 年間一方通行だった(ように思えた)ひびきさんのラブコールは、きちんとアリシアさんに届いていたっていうのは、まぁなんか報われた気になります。それでも尚、その感情を "箱" にしまい込んだアリシアさんの覚悟の重さもより一層大きくなる。
(すっかりポンコツクール美人キャラが定着したけどやっぱ相当重いモノを抱えてるよこの人。)

 

f:id:hm_htn:20190810015256p:plain

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

アリシアさんに関して付け加えるなら、前回のバカンス回をただのワンポイントの休息で終わらせず、"暑さに弱い" という描写の引き継ぎに使ったのは上手いなと思った。別に お話の根幹に関わる重大設定 みたいなことでもないので、こういう感じでさらっと描写を繋ぐ・活かすのは一年目によく観られた、『フレンズ!』の構成のスマートな部分であると思う。

f:id:hm_htn:20190818010418p:plain
f:id:hm_htn:20190818010425p:plain
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

あとはひびきさんに "誰も見たことのないステージ" に関する思いを繰り返し言わせることで、それが本当に強いものであると印象づいたのもよかった。(尺を多く割り振られてる関係もあるだろうが)ひびきさんはこの辺ブレずに一本芯を通して描かれているのはとてもいいことだと思う。彼女の強みであるパワフルさの源泉でもあるわけだし。

 

 

f:id:hm_htn:20190818010520p:plain
f:id:hm_htn:20190818010527p:plain
f:id:hm_htn:20190818010535p:plain
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

ステージは待望のアイビリーブ 2 人曲『新たなるステージへ』。何だかもうよくわからないの量のエフェクトで、ひたすらゴリ押した感じのステージ。この 2 人だから、この位の豪華さでいいのかもしれない。

f:id:hm_htn:20190818010739p:plain
f:id:hm_htn:20190818010745p:plain
f:id:hm_htn:20190818010751p:plain
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

一定の層の視聴者は絶対にポケモンを思い出すであろう謎の鳥だったり(比翼ということなんだろうか)、中々独特な感じの振り付けであったり。今までのフレンズの振り付けと比べてみると、2 人ならではって感じが強く、そういう意味では RM に少し近い感じもする。ただ RM が双子であること・シンクロの強みをガンガンぶつけてくる振り付け・カメラワークなのに対し、アイビリーブはそれこそ比翼とか陰陽とか、2 つで 1 つであることを意識したような振り付け。(アイカツ!基準で)年齢高めのアイドルとしては LMT もいるけど、あちらがかっこいい "THE アイドル" って感じなのに対して、アイビリーブはどことなくエロティックというか、"大人" な感じを押してるようにも思えた。そう考えると、"子供" の可愛さを見せつけてくる PP・HC とも全然違ってるのは当たり前で、結構新鮮に感じた。確かに "新しい世界" かもしれない(好意的すぎる解釈)。

 

f:id:hm_htn:20190818011227p:plain

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

というわけで 70 話の感想でした。
正直、やっぱり "PP に学ぶ" という点で燃料不足な感じは否めなかったけど、それでもできる範囲で最大限の火力をもったエピソードだったと思います。
本来はもう少し貯めて、第 2 クールの最後や第 3 クールにやりたかったんじゃないかなぁとか妄想しますが。

 

f:id:hm_htn:20190818011330p:plain

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

あとどうでもいいことなんですが、ひびき・アリシア間の実力差をランニングのスピードやスタミナで表現するっていう、相変わらずのフィジカル至上主義なのは妙に安心して面白かったです。