アイカツフレンズ! 36 話『波乱のランウェイ!』感想

アイカツフレンズ! 36 話。

キャラ個別強化月間 第 3 段・湊みおちゃんのターン。
作中開始直後からアイドルとしてトップクラスの実力を持ちながら、あいねちゃんとの交流で人間性の幅や深さを得てきたみおちゃん。そんなみおちゃんの、今の実力が遺憾なく発揮される回。前回のような成長回ではなく、現状の確認回という感じだろうか。それと同時に、あいねちゃんを始めとする他のアイドル達と LMT との中間点たる彼女の実力をちゃんと描くことで、物語全体の数直線を引き直す役割もある、のかな?

36 話 ファッションショー

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

舞台となるのはファッションショー。SH 学園は SL や四ツ星に比べるとそこまで名門っぽくはないが、「学園主催なら最大級」と評される辺り、大舞台であることは間違いないだろう。そんな大舞台の総合プロデューサーを任される、というだけで相当な信頼と実力が見て取れる。海外アーティストの穴埋めライブでてんやわんやしたあいねちゃん、慣れないバラエティに少し困惑気味だったかぐやちゃん等と比べると、まぁスケールが一段階大きいなという感じ。

スケールが大きい話をそのまま提供してもいいんだけど、そこにももねちゃんというスパイスを加えてちょっと料理したのが、またいい味出してた。

36 話 みおとももね達(1)
36 話 みおとももね達(2)
36 話 みおとももね達(3)
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ももねちゃんは今回聞き手役として配置されてるが、今まではあいねちゃんが務めていたポジション。だけど 34 話を経た彼女にド素人みたいな質問はさせられないので、その代役というわけだ。ももねちゃんが今後アイドルになる展開がくるのかはわからないが、そうなっても大丈夫な伏線(予防線?)というか、そんな感じ。

36 話 ケンさんとかがみくん

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かがみくんを絡ませて来たのも上手くて、一足先に夢に向かって歩き出したかがみくんの姿と、今まさに夢を見ているももねちゃんの姿が、爽やかなコントラストを生んでいる。更にその視線の先には、みおちゃんやケンさんの様な今まさに最前線で頑張ってる人たちがいる。夢を見ることの尊さ、達成までの大変な道のり、その為の努力の大切さ等などが、ギュッと詰まった空間に思えた。

36 話 ももねちゃん

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ももねちゃんがただのゲストキャラで終わるのではなく、トラブル解決に一役担ってるのも上手い。BP のトラブルとももね乱入を独立した話として展開するのではなく、一緒にまとめてしまう手腕は脚本とみおちゃんの実力の高さがなし得たことか。そんで何よりも、そのみおちゃんの成長が随所に見られたのが良かった。彼女は 1 話以来、生来の真面目さとそこからくる "プロ意識の高さ"、そして「ビビっと」くる直感力を武器にしてきた。それをキチンとなぞるような描写があったのがポイント高い。

36 話 みおちゃん(1)
36 話 みおちゃん(2)
36 話 みおちゃん(3)
36 話 BP
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テーマの考案や打ち合わせ、スタッフへの指示といった地味なコトもしっかりこなす真面目さ・大道具を活かしたド派手な演出を生み出す発想力(ゲストである BP を引き立たせるという点も高い)・トラブルに対して RM の演出変更、スタッフへの指示出しといった対応力・ももねちゃんの乱入を瞬時に利用するアドリブ力等々、みおちゃんの実力の高さが十二分に発揮される。

36 話『6cm 上の景色』
25 話『6cm 上の景色』
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ステージもピカピカに進化してる。『6cm 上の景色』は 3 話から一定のスパンを開けながら披露されてるけど、その度毎にみおちゃんの成長が入って進化している。今回も 25 話(ゾーンに入った回)以来だが、極限に集中していたはずのあの時よりもエフェクトが増えているのが凄い(左 36 話・右 25 話)。やっぱ『幸せの青い鳥』は身近にいたんやね……。(一方でエフェクトが減った箇所もある。その辺がゾーンの扱いの難しさか)

あいねちゃんがみおちゃんにべったりせず、一人のアイドルとして・ファッションショーの演者として頑張ってる姿もよかった。

36 話 あいねちゃん(1)
36 話 あいねちゃん(2)
36 話 あいねちゃん(3)
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カメラがみおちゃんメインなので出番は少なくなるが、裏ではしっかり千春さんと相談したりして頑張ってるんだろうなぁ、というのが想像できる。34 話で得た新たな足場を早速活用してる感じだ。また 34 話で大きな舞台を経験したからこそ、今回もまた胸を張ってランウェイを歩けたんだろうなぁ。成長が次の成長に繋がる感じは、「少女の成長物語」としての『アイカツ!』イズムがビンビンに感じられる。

今までのイベントのプロデューサーといえば、霧矢あおい・冴草きい・虹野ゆめってな感じだった。あおいやきいが P をやる場合には、それぞれいちご・セイラという切り札がいた。またいちご・おとめがやった時もあったが、いちごの時はあおい・蘭が、おとめの時はさくら・しおんといったサポート役が脇を固めていた。ゆめの場合は自分自身が切り札となり、またローラを始めとするサポートキャラが豊富だった。

36 話 みおちゃん(4)

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今回は、それら前例とはまた一味違うプロデューサー像、地道な作業をこなしつつ一廉の実力も発揮するアイドル。なかなかに魅力あふれる描き方だったと思います。

次回は『シリーズ』名物クリスマス回!どんな祝福を魅せてくれるのかが見所ですね。