アイカツフレンズ! 45 話 『友達はパパラッチ!?』感想

45 話 あいね

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

終盤もド終盤、いよいよ一年目の終わりが間近に迫ってきたアイカツフレンズ!
そんな『フレンズ!』が 45 話に描くことを選んだのは、「変化」について。
予想と違いパパラッチ要素はサブラインで、メインはあいねちゃんやみおちゃんの「変化」。
前回が変化球なみお回だったのに対し、今回は王道ストレートなあいね回。
2 年目を意識した回でもあるのかな、と思ったり。

DF になったことで、或いは目指してる途中で変わっていったコト・モノについて色々と描写される。

45 話 スタジアム
45 話 新聞雑誌
45 話 パパラッチ
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新聞や雑誌にはこれまで以上の反響があり、ライブ会場も今まで以上に大きくなり、チケットの入手難度も上がったり、パパラッチに狙われたり、"友達" との距離が出来てしまったり。今まで描かれてきた LMT のとんでも加減にはまだまだ及ばないものの、それでも大きな影響があり、またそれはまだまだ続いていく。そういった「変化」に対して、今回彼女達は改めて自覚し、向き合っていく覚悟を決めたわけだ。

DF になってから(或いはそれ以前の特訓期間等も含めてだろう)、あいね・みおの 2 人は「DF として」の意識を大事にしてきたことが、前半の大人ズとの会議やランニング、ライブの打ち合わせ等でわかる。

1 話 PP
45 話 PP(1)
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ただ一方で、以前のような "友希あいね特有の近さ" というものは薄れつつあり、それが「実の弟と遊べてなかった」という形で今回表出する。この辺りの変質 / 変容は面白い。1 話のシチュエーションを引用することで、まだみおちゃんがストイックアイカツマシーンで、あいねちゃんがド素人だった時との対比となるわけだが、約一年前みおちゃんがいた場所にあいねちゃんもたどり着いたように感じる。

45 話 PP(2)
45 話 PP(3)
45 話 よしつねくん
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休日も打ち合わせに費やすのは、みおちゃん由来の "意識の高さ" の表れかもしれない。その結果としてよしつねくんと遊べてなくなっていたというのは、まさしくみおちゃんがトップアイドルになるために色々置き去りにしてきたという構図と類似する。
しかし真面目なこと・意識が高いことは決して悪いことではなく、それはアイドルとしてあいねちゃんが順調に成長してきたことの証だ。「イベント / ライブのアイディア」を考えるという 9 話と酷似したシチュエーションであっても、当時と違い一話丸々それに使うことはなく、羽原さんとの交流や「変化」について思いを馳せたりと言った姿も見せる。それはまさしく 9 話から成長したことを示しているんだろう。

45 話 みおちゃん

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一方でそれだけではどこかに綻びが生じてしまうというのも、今までみおちゃんを通じて描かれてきた。それを今またあえてあいねちゃんを通して描くことで、彼女の変化について再認識させられる。またそれを横で観ることでみおちゃんも同じことを学べるのは、「フレンズ」である強みか。

アイドル "友希あいね" の親しみやすさ・近さというのは、強い特徴であり完全に一つの武器であった。"親しみ" というのは単純に応援のハードルを下げてくれるものでもあるし、更に彼女は直接的な助力を受けられる領域まで達してる。一方でそれは、アイドルとしての階段を駆け上がるに連れて、現実との乖離をもたらすモノでもある。先代 DF であった LMT はこれまで雲の上の存在のように描かれてきて、PP もそうなる可能性を十分に秘めている。DF の器というのはそういうものだし、今回の冒頭「DF に相応しい」「DF にしかできない」についての話もその一端だ。今回のお話は、そういったことに少し触れたお話だったように思える。アイドルとして上に行けば行くほどファンとの距離は離れていくというジレンマ、或いは天秤のバランスに対して、稀代のコミュ力モンスターである友希あいねがどんな答えをだすのか、というのが 2 年目のあいねちゃんのテーマになったりするんだろうか。割と難しそうなお話ではある。

45 話 子どもたち
45 話 あいね ライブ(1)
45 話 あいね ライブ(2)
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ただ今回のお話が一つの回答になっていて、DF になったことで生じた一つの問題(= チケットが子供にまで回らない)を、DF になったからこそできること(= 大きな会場での子供限定ライブ)で解決してみせ、更にはやりたいことアンケートや終演後の交流等 "友希あいね" ならではの方法で天秤も今まで通りのバランスを保ってみせた。こういう姿を観ると、あいねちゃんが今のまま大きく成長するという可能性も見えてくる。

45 話 PP(4)

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42 話までで最終戦を終わらせ、そこからエピローグ・みお回(おさらい回)を挟んでの今回。今までの 2 話と違い、DF になった「その後」を明確に描いた回だった。こういう「その後」をキチンと描いたのは、最終戦を早く終わらせた意義が見えてきてとてもいいと思う。アイカツランキングで 1 位を取った星宮いちごも、SLQ になった大空あかりも、エルザ / ひめに勝って一番星となった虹野ゆめも、「その後」については尺が限られていたこともあって中々描写しきれなかった。唯一『星のツバサ』に関しては S4 となったゆめの物語だったが、あれは S4 の物語というよりはエルザに対する挑戦者としての物語だったし。なので今回、DFC の直後にしっかりとその現状を一話かけて描いたというのは、とても意味のあることだと思う。一方で今回かなりしっかりとラインを引いたことで、2 年目の(作中における)ハードルは中々に高くなったわけだ(少なくとも今の PP の目線が基準となるので)。それだけ LMT や新キャラズとのバチバチは、高い領域で行われるということなんだろう。となると、今回 PP が得たようなしっかりした足場を HC や RM にもあげて欲しくなる所。じゃないとレースで即脱落、となりかねないので。とりあえずは次回、RM がどういうお話を紡ぐのかに期待。

45 話 「世界中の人たちと友だちになる」
45 話 あいね 記事
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あと前回さらっと流されてたあいねちゃんの新たな目標、「世界中の人々と友達になる」というのが今回きちっと触られましたね。まんまカレンさんの目指す道だが、この先にどんな物語が待っているのか。

1 話 ゆめ
72 話 ゆめ
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S4 になった彼女が次に一番星を目指した、みたいなことを思い出して少し涙。