アイカツフレンズ! 50 話『そこにしかない未来』感想

終戦も終え、各キャラクターの「その後」も描き、遂に迎えた『アイカツフレンズ!』 50 話。
記念すべき一年目最後のお話は、「夫婦喧嘩」。

50 話 PP

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

まぁ、お話のきっかけはなんともしょうもない言い合い・すれ違いだ。
みおちゃんの体調のことを心配したあいねちゃんが気を利かし、みおちゃんは持ち前の真面目さからか少し強めに反発してしまい、それが……というお話。とはいえ、彼女達は基本的に素直でいい子であり、少し冷静になれば自分から「ごめんなさい」ができる子だ。しかし、それをすんなりと許してくれないのが『ジョーカー』明日香ミライ。虚実織り交ぜて PP を巧みに誘導し、"仲直り" の為にイベントを一つぶち上げてみせた。それも司会 HC・立会 LMT とかいう、無駄に豪華な仕様で。

50 話 仲直り式

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

「一緒に学校に行きたい」ということが中々言えずお話がどんどん進んでいった 12 話を思い出す。ただあの時は学校や友希家周辺でお話が収まってたのに対し、今回は一つのイベントにまでなってる辺り、一年間でのスケールアップを感じる。というか寧ろ『ダイヤモンドフレンズ』のスケールというよりは LMT のトンデモパワーの方が強く感じるか。

2 人組における「けんか」というのも大切なトピックで、一年目の最後をそれで締めるのはなかなか面白いと思った。2 人の言い合いもなんかそれっぽい(入り時間ギリギリ・ペンネ見すぎ・食レポの語彙・授業よりドレスデザイン優先)。

50 話 あいねちゃん

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

みおちゃんがあいねちゃんの歌詞間違いを指摘するのはともかく、あいねちゃんがみおちゃんのステップ間違いを指摘できてるのは中々感慨深い。「足を引っ張ってはいけない」と思ってた活動休止前後からすると成長したなぁ。

50 話 みおちゃん(1)
50 話 みおちゃん(2)
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

一方のみおちゃんもみおちゃんで、あれだけクールでコミュ障気質があり、あいね相手にも遠慮していた彼女が、今や公衆の面前で不満をぶちまけたり、不安を曝け出したりしている。それは勿論 2 人の距離が近くなったことの表れだし、またみおちゃんの精神面の成長でもある。本当に人間味が増したなぁ、みおちゃん。

50 話 ミライさん(1)

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

残りのメンバーもいい仕事していたが、やっぱりミライさんについては別途指摘しておきたい。「チガカワ」を引っ提げて登場したミライさんだが、DFC 編突入以降は天才・神城カレンの受け皿としての面が目立っていた。今回は、そんな彼女が久々に文字通りの『ジョーカー』的な働きをしたように思う。或いは『狂言回し』の方があってるか。(2 年目のストーリーがわからないのであくまで "現状は" だけど)ラスボスという、『ダイヤモンドフレンズ』という枷の外れたミライさんは、実に生き生きとみおちゃんを惑わし、場を煽り、空気を煮詰めていた。女子中学生の些細なすれ違いを、「仲直り式」という一つのイベントにまで昇華したのは、2 年目以降のプロデューサー気質の表れでもあるのかな、と思ったり。

50 話 カレンさん(1)
50 話 HC 司会
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

そのミライさんに完全に乗っかる、カレンさんや HC の 2 人も面白くてかわいい。ストレートな舞花ちゃんが「お前らいちゃつきすぎやろ」とかいわないんだから、『フレンズ!』の世界ではあれはセーフという判定なのだ(なのか?)。常に観客や視聴者のことを考えるカレンさんは勿論、『フレンズ!』界の潤滑油であるエマちゃんもガンガン焚き付けて場を盛り上げていく感じが好き。

50 話 LMT に贈るステージ

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

その後で LMT のお見送りステージ。前回(49 話)では、LMT ファン代表としてみおちゃん一人にフォーカスを絞ることで「ファンとのけじめ」を描いたわけだけど、その影響でできなかった "全員でのお見送り" を今回にまわしてきた計算になる。この辺の抜け目ない構成は、本当に『フレンズ!』は上手くやるなぁ。

50 話 『アイカツフレンズ!』
50 話 『アイカツフレンズ!』
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

記念すべき 1 年目ラストソングは、4 人で歌う『アイカツフレンズ!』。節目の回で複数人での変則ステージっていうと、『アイカツ!』152 話・178 話・『スターズ!』100 話なんかを思い出した。「キュートに クールに セクシーに ポップに」の部分は想像通りとして、その後のフォーメーションを変える所なんかは "4 人" でやってる感じがしてめっちゃ好き。

50 話 あいね みお 写真

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

"他人だった頃に同じ写真に写り込んでいた" なんていうのも、『フレンズ!』お得意のロマンス文法だ。そこから「友達」についてのモノローグをガッツリ入れてきたけど、こういうのが上滑りしていない(と個人的に感じた)のは、"友希あいね" というキャラクターに真摯に向き合ってきたおかげだろうなぁ。

とまれ、これで『アイカツフレンズ!』の一年目が幕を下ろしました。
PP の可愛い所、他キャラクターの可愛い所、LMT への感謝のステージ、「2 人組におけるけんか」という大きなトピックの消化、主人公たちの成長を感じさせる描写、そして作中の根幹をなす「友達」について。諸々盛り込みつつ大事な所を逃さない、締めくくりとして最高のエピソードだったと思います。
(『フレンズ!』一年目全体の感想はまた後日。)

そしてすぐさまやってくる 2 年目!こういう展開にも慣れてしまったけど、はてさてどの様な物語が展開されていくのか。とても楽しみです。
そういや 2 年目で髪型のボリュームが増えるのはあかりちゃん・ゆめちゃんに続いてという感じですね。逆にみおちゃんみたいに余り変わらないのはいちごちゃん以来かな。