アイカツフレンズ! 46 話『月から来たプリンセス』感想

46 話 RM 自室

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

終戦を終えて、2 年目を見据えたキャラ総復習期間へと移行した『フレンズ!』。
今回選ばれたのは "アイカツ!ゴシックアイドル" の系譜を受け継ぐ双子姉妹。

46 話 RM スペシャルライブ

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DFC の反響はこちらにもあったらしく、テレビにグラビアに取材にと大忙しな RM。
そんな中で企画された「スペシャルライブ」。針生さんといいたまきさんといい、この世界は行ける時にガンガン仕掛けていくスタイルが主流だ。そんなスペシャルライブの目玉となるのがドレス作りと新曲の作詞。で、更にライブに向けて「月から来たアイドル」という "キャラ" を強化すべく、色々道に迷うのが今回のお話。或いは "キャラ" に込める "魂" を再確認する回か。

「偶像」という訳語を持ち出すまでもなく、"ファンが望むアイドルの姿" というのは当然ながらその個人の一面に過ぎず、ともすれば偽りの姿でもある。ただそれは人を傷つけたり騙したりといった目的の嘘ではなく、ファンが夢を見て、ファンに夢を見させる為の "優しい嘘" だ。アイドルとファンはそのような優しい共犯関係にある。これこそがアイドルのアイドルたる所以の一つであり、求められる才能・能力の一つである。いわゆる "キャラ" というのもその一種だ。
ただし、じゃあ適当に嘘をついてりゃいいのかっていうと、それじゃいけないのがアイドルの世界で。その嘘の根底には、アイドル本人の魂を揺さぶった "真実" がなければいけない。何故ならそれが "キャラ" を支える土台となり、そこに込める "魂" となるからだ。

19 話 いちご フランケンシュタインの花嫁
46 話 かぐや お団子
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

そして "魂" なき "キャラ" は人(ファン)の魂を揺さぶったり、心を響かせたり、夢を見させたりすることはできない。これは由緒正しきアイカツ!ロジックであり、「吸血鬼といちごフランケンシュタイン」という故事にもなっている(いない)。
裏を返せば、"魂" さえこもっていればそれはファンへ届くのだ。藤堂ユリカにとっての『吸血鬼の恋人』であったり、氷上スミレにとっての「姉に歌声を褒められた記憶」であったり、白銀リリィにとっての「二階堂ゆずと過ごした日々」であったり。

19 話 ユリカ 吸血鬼の恋人

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こういった非常にパーソナルな部分から発せられた思いが、アイドル(或いは歌・ダンス・演技・トーク等)というフィルターを通すことで、パブリックな力を得て世界に響いてゆくというのは『アイカツ!シリーズ』がずっと描いてきたアイドルの営みであろう(その極めつけが彼の名曲『輝きのエチュード』であるのはいわずもがな)。

46 話 RM 幼少期
46 話 かぐやノート
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じゃあ、Reflect Moon にとっての "魂" とは?というのが、今回明らかになった『かぐやノート』と、それに記された「かぐやちゃんのお話」だ。そこに根付いているからこそ、「兎の馬車」のお話はミカちゃんの心に響くし、『デイドリームファンタジーコーデ』『ナイトドリームファンタジーコーデ』『Have a dream』はミチちゃんに夢を見せることができる。

46 話 Have a dream

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その新曲『Have a dream』もビッカビカに輝いてましたね。『絆 ~シンクロハーモニー~』もそうだったけど、やっぱり RM のステージは双子のビジュアルを活かしたシンメトリーな振り付け(演出)が強いなぁ。ステージギミックがド派手なのも由緒正しきゴシックの系譜だ。

お話の語るテーマそのものは『シリーズ』でも繰り返し描かれてきたもので、お話そのものもシンプルだった。だからこそ大事なテーマであるといえるし、また『アイカツ!』が大切にしているんだということも伝わってくる。ちゃんと RM の成長エピソードになってたのもよかった。こういう自分達の根幹・土台となるものをしっかりと確認することで、次なる飛躍も見えてくるもんだ。
他の子達にも、自分のアイデンティティとか個性とかルーツとかを探る回はあるけど、ゴシックの系譜は物語全体がそういうお話になる傾向がある気がする。これもまた一つの SHINING LINE* なんだろうか。(恐らく 1 年目にはもうないだろが)次の姉妹の活躍も楽しみ。

そして次回はココちゃん再びか。順番通りに HC へ行かないというのはエマちゃんの誕生日を考慮した結果なんだろうか。ココちゃんの物語を 2 年目へ繋げるお話になるのかな(それとも 1 年目の清算かな)。メインキャラズがどう関わってくるのかも含めて楽しみです。