アイカツフレンズ! 34 話『みんなにハピネス♪』感想

34 話 あいねちゃん

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

アイカツフレンズ! 34 話。

久々のあいねちゃん回。まぁ 29 話もだったが、あれは休止期間中のイレギュラーみたいなもんで、ステージもミライさんとのデュオだったし。

BeFC も無事終えたことで、最終決戦であろう『ダイヤモンドフレンズカップ』が見えてきた時期。その前に一通り、メインキャラのおさらいや強化をしておこうってんで、その第一弾。テーマとなるのは PR ドレス。

あいねちゃん回の特徴として、やはり周囲を巻き込んだり世界が広く切り取られたりする点がある。彼女は星宮いちごのような馬力はないけれど、その分周囲から引っ張ってもらったり、背中を押してもらったりして話を進めることが出来る。これは、メイン回以外でも「友達」を気にする様子の描写を丁寧に重ねてきた結果だ。ただ今回の展開で面白いのは、みおちゃんを始めとして HC・RM・いろはちゃんひまりちゃん・他のアイドル科生徒 の様な子供達が力を貸すのではなく、千春さんやケンさんと言った大人との交流が主であるということだ。まぁ他アイドル達に助けてもらったのが前回だったので、バランスを取るとこうなるか。あとは、ドレスの話なので千春さんが関わってきて、千春さんと一緒だからこそ広げられる話(ケンさん・ノアさん)を描くことで、「アイドル」を支えてくれている大人達にフォーカスできたという点もある。子供達がメインとなる作品なので、大人達に尺を割くことは出来ない。でも大人達がしっかりしていなければ、「アイドル達」の足場がぐらつくことになる。だから、如何に短い尺・限られた機会で大人を描写するかが大事になってくる。

ドレスの話なので千春さんは当然としても、ケンさんの指導者としての "裏" が見られたのもよかった。優れた指導者としての描写は、当然ながら優れた指導・的確なアドバイスをしている所を描けばそれでいいんだけど、そうじゃなくて流行を追いかける為の "勉強" をしてる場面をもってくるのは、中々効果的な変化球でキャラに立体感が出てくる。

34 話 ケンさん
34 話 あいねちゃんとケンさん
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あとは普通にダンスを楽しんでそうなのもいい。『シリーズ』の歴史に名を残す稀代の名指導者にしてスーパーダンサー・ジョニー別府しかり、やっぱダンスは楽しんでこそだ。「辛い時は笑顔でどうぞ」がスッと突き刺さり、説得力も増す。ここでケンさんに「ありがとうございます」というのは少し臭い感じもするセリフだが、でもそれを言ってこその "友希あいね" だもんな。

もう一人の大人・紫面道ノアさんを出してきたのは意外だった。でも千春さん・舞花ちゃんと何かとあいねーノア間の縁は多いので、そこを丁寧になぞることでまた世界が広がっていく。こういう話の作り方は本当にあいねメイン回の強みだ。

34 話 千春さんとノアさん
34 話 あいねちゃんとノアさん
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千春さんとノアさんの気心知れた感じも素敵。ノアさんが舞花ちゃんを褒めたことに対して、「友達が褒められるのは嬉しい」からとお礼をいい返すのもまた実に "友希あいね" らしい行動だ。歴代主人公なら一緒に舞花ちゃんや HC のステージを褒めたり、その時のドレスを褒めたりしそうなものだけど、そっちにいかずに「友達を褒めてありがとう」となる思考回路を持つのがあいねちゃんなのだ。

34 話 あいね 涙目
34 話 千春さん
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あとはやっぱり千春さんだろう。あいねちゃんが最初の段階で素直に千春さんを頼りにし、涙目で捜索し、見つけて心から安心してそうなのが、2 人の信頼関係の強さを感じる。回り道の大切さをあいねちゃんが教えられる立場なのも面白い。PP では目的地に最短距離で行こうとするみおちゃんの "差し色" として、回り道の楽しさを教えた彼女だが、デザインに関しちゃまだまだ素人同然だ。それに 3 日後っていう物理的なリミットまで近付いてきてるからそら焦って当然。そこで彼女の手を引き、色々な "支え" を見せて、「ありがとう」の境地まで導いた千春さんはお見事だ。

34 話 あいねちゃんと千春さん(1)
34 話 あいねちゃんと千春さん(2)
34 話 千春さん(2)
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そこからは逆に引っ張り回されるのも、また千春さんとあいねちゃんらしい関係性だ。ここまでアイドルとデザイナーが身近に感じるのは、瀬名くんや小春ちゃん以来かなぁ。

「ハピネスギフトコーデ」、名前が強い。コーデの名前から「友希あいねです!」て自己紹介されてる感じで、ケンさんやノアさんにお礼をいっていた今回のエピソードともよくあっている。フリルとリボンとピンクと白で、激甘盛り盛りなドレス。どことなくプルミエールベリーなんかも思い出したり。青系統の色が入ってないのが、PP との対比で逆にあいねちゃん個人を強めていていい感じだ。

34 話 『ありがと⇄大丈夫』
59 話『STARDOM !』
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『ありがと⇄大丈夫』は実に 15 話振りの登場。ちなみにその前は 4・6・9 話とソロ時代に沢山。それだけ PP の仕事が増えてきたということか。ちなみに『6cm 上の景色』に関しては 3・8・12・25 話で、あいねちゃんに比べるとバランスよく分散してる感じがするけど、それでも最後のステージは結構遡る。閑話休題で、ステージ自体はキラッキラのエフェクト盛り盛りだ。曲・ドレス・ステージのガーリーな感じが、あいねちゃんにバッチリで "強い"。

34 話 PPとHC

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周囲の支えについて思いを馳せた後で、いつものメンバーで集まるのも素敵な展開。本編中のみおちゃん描写も相まって、完全にお互い背中を預け合ってる感じがする。

あいねちゃんからのバトンを受け継ぐのは RM の 2 人。暫く影が薄かったので、ここいらで存在感を出しておきたい。DFC 出場をいち早く決めた立場でもあるので、どの様なエピソードを持ってくるのか。