アイカツフレンズ! 44 話 『チョコっとミントな告白』感想

 

44 話 舞人 かずね かがみ

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

クリスマスと違って特別な風習はないようで、百合百合しい感じはナシ。
代わりといったらなんだが、いいキャラしてる男子ズ 3 人を投入!で話を引っ掻き回す!
そんな男子ズを通して観る、あいね・舞花・エマの姿。そしてその奥にいるみおちゃんを描いた回。
季節モノの回ではあるんだが、立ち位置としてはキャラのおさらいが目的の回かなという感じ。

お話のメインになるのは友希かずね・能登かがみ・蝶乃舞人ら男子ズの説得と特訓。対するこちらのスタメンはあいね・舞花・エマの 3 人で、組み合わせは「かずね-舞花」「かがみ-エマ」「舞人-あいね」という感じ。そしてこの説得・特訓パートが三者三様なのが個人的には大好き。

ド直球主義で細かい駆け引きなんかには向いてない舞花ちゃんが相手取るのは、あいねちゃんの兄・かずねさん。たまきさんのスカウトにタジタジになってたりして割とちょろそう(偏見)な彼は舞花ちゃんのどストレートゴリ押しの餌食になる。

44 話 かずねさん
44 話 かずねと舞花(1)
44 話 かずねと舞花(2)
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みおちゃん宿泊時に彼女に謎の対抗意識を見せるくらいの(シスコンをこじらせた)プライドを持っていたり、CM 勧誘時も満更でもない顔しながら断ったり、「ナイス営業スマイル!」を持ってたり、一線を踏み越えず一歩引いた感じのする彼に対しては、やっぱりグイグイ押してくる舞花ちゃんの相性がいいんだろう。

24 話 ケンさん
44 話 かがみくんとケンさん
44話 かがみくんとエマちゃん(1)
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3 人の中で一番特殊なキャラ属性を持つのがかがみくん。男子・メインと同世代・メイクに興味・講師に弟子入りという何かとレアな属性持ちで、M4 とも涼川さんとも違うタイプの男子キャラ。"仕事仲間" というくくりで瀬名さんが一番近いが、彼と違ってまだまだメイクアップアーティストとしては未熟で、かつ特定の誰かとバディという感じではない(それとも今後エマちゃんや HC に付いたりするんだろうか)。そんなかがみくんに欠けてる所は勧誘時にもケンさんから指摘されていて、エマちゃんをメイクする時にもそこが顔を出す。ケンさんのいつもの仕事っぷりがよく描写されてるから、彼との違いもよくわかるなぁ。そんなかがみくん相手にエマちゃんは適切な壁役を演じる。

44話 かがみくんとエマちゃん(2)
44話 かがみくんとエマちゃん(3)
44 話 エマちゃん
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彼女は本当にこういう時に頼りになるキャラで、貢献度が凄く高い。ちょいとツンツンしがちなシャイボーイを相手に、お姉さんの余裕っぷりを伺わせながら話をするする引き出していく様はお見事。その引き出した話も、「夢のきっかけ」というキャラクターにとっての根源ともいうべきエピソードだから強い。余裕があれば今後膨らますことが出来る要素だ。

44 話 あいねちゃん(1)
44 話 あいねちゃんと舞人さん(1)
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そしてかがみくん以上にコミュニケーションを取るのが困難なのは、蝶乃家の舞人さん。そんな彼を相手取るのは、エマちゃん以上のコミュニケーション力を誇る我らがトモダチカラの申し子・友希あいねだ。相手の土俵に踏み込んで、相手から言葉以上の物を引き出してくるその手腕は、流石としかいいようがない。「世界チャンプ」という壮大な夢を笑わず受け止め、かつ自分の相方をこれでもかと声高に誇り、そしてその為に全力を尽くすのが、"友達" をなにより大切にする彼女のスタイルだ。

44 話 あいねちゃんと舞人さん(2)
44 話 あいねちゃん(2)
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ともすれば綺麗事ではあるんだけど、その綺麗事を真正面から全力で描いて、その大切さを伝えるというのは、創作物の大切な役割であろう。とはいえ、これを計算とかじゃなく本能で自然とやってのけるのが、"友希あいね" が "友希あいね" たる所以なんだなぁ。

44 話 みおちゃん(1)
44 話 みおちゃん(2)
44 話 みおちゃん(3)
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そんな 3 人から少し遠くにポジショニングするのが今回のみおちゃんだ。彼女は他の 3 人とは違って CM の出演者としての準備も進め、また CM 発表会の壇上にも上がり、ステージも披露する。エピソード中の描写が多いのは CM の外で働く 3 人だが、その晴れ舞台である CM の中にいるのは彼女 1 人という構造だ。マカロン絡みだから当然なんだけど、ソロの仕事を当然として描写されるのが彼女の立ち位置をよく表している。売り上げも 10 倍にしちゃうし。

36 話 みおちゃん(1)
36 話 みおちゃん(2)
36 話 みおちゃん(3)
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お話全体の構造としては 36 話が近いだろうか。36 話では総合 P として裏を駆け回るみおちゃんがメインで描かれ、演者としての 3 人は描写が抑えられていた。今回はその逆で、裏を駆け回る 3 人がメインで描かれ、壇上に立つみおちゃんの描写は少なめ。お話のフォーカスと作中のスポットの当たり方が逆転してる感じだ。両方のみおちゃんの描写のされ方を比較した場合、36 話→44 話の変遷でどこか遠い存在になってる感じがする。こういう演出・描写のされ方が似合うのは、彼女にそれだけの "格" が付いてきたということなんだろう。どこか LMT に近い感じも受ける。

44 話 みおとムッシュ

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それだけに、個人的にはムッシュとのやり取りがもっと観たかった感じもする。LMT に認められてる存在である彼は、8 話・25 話と「脚本上の LMT の代役」としての役割を持っていた。そんな彼の目に、"ダイヤモンドフレンズとなった湊みお" がどう写ったのかが気になるなぁ。

8 話 ムッシュ(1)
25 話 ムッシュ
44 話 ムッシュ
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まぁ手玉に取られてた感じのある 8 話・振り回されながらも最後は上回った 25 話と違って、今回は対等に相手取っていた感じはあるが(というか最初からアイディア丸投げだったし)。『6cm』のステージが 36 話から変わってなかったのも、その影響だろう。ムッシュとの絡みで具体的な成長エピが描かれていれば何かしら変化があったかもしれないけど。

季節イベント消化のお遊び回でしたが、いい感じのおさらい回でもあったと思います。まぁ尺の割き方を見ても、今回は男子ズから見た 3 人がメインで、みおちゃんに関してはその対比で描いたという感じだろう。そのポジショニングの差からしても、やっぱりみおちゃんはソロとしては LMT の 2 人 に次ぐ存在で、あいね・舞花・エマ等の同世代とは頭一つ抜けているんだろうな。冒頭の、あいねちゃんのありふれたアイディアとみおちゃんの "ビビっと" くるアイディアの差なんかも、その表れだ。("友達" に引っ張られてるのもあいねちゃんらしいけど)

そんなこんなで、3 人を描きつつ遠巻きにみおちゃんの "格" も匂わせた回に続くのは、あいねちゃんの強みをガッツリ描くお話か。"パパラッチ" もアイドルにつきまとう一つのテーゼであるから、それに対してあいねちゃんがどんな動きを見せるのか。

44 話 次回予告

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(次回予告を観る限り敵とまではいかない感じぽいが)明確に逆サイドに位置する人間に対する、コミュ力モンスターの反応が気になるますね。次回も楽しみ。