アイカツフレンズ! 33 話『ドッカ~ン★冒険カザン島!』感想

アイカツフレンズ! 33 話。

32 話に引き続き BeFC・その 2 週目。
火を噴く島。加速するノリ。荒唐無稽で無茶苦茶で破茶滅茶な勢いが PP に襲いかかる!前回よりも更にスケールの増したトンチキワールドの中だからこそ、「幸せの証」が光り輝く、そんなお話。

33 話 カザン島
33 話 LMT
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

HC がゴールしたことにより、試練はレベルアップ。カレンさんのお茶目ながらもぶっ飛んだ感じが更にマシマシになる。道化を謳うミライさんが常識者ポジションにいるのが面白い。ただ 13 話で言ってたように、カレンさんは観てる人に楽しんでもらうことをキチンと意識している "プロ" なので、こういう所も突き詰めてしまうんだろう。それに彼女の本質は「道を極める」ことにあるわけだし(だからといってトンチキを極めなくてもいいんだが。無人島の地下に川のある街って)。

33 話 落とし穴
33 話 地下街
33 話 BP 脱出
33 話 道を塞ぐクリーム
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というわけで、トンチキ描写は更にパワーアップする。道を塞ぐレベルのクリーム、唐突な落とし穴、そして「無人島の下に作った街」と、『シリーズ』でも最高レベルの "ありえなさ" が顔を出す。SH 学園だけを再現したならわかるが(わからないけど)、学園を含む街(とりあえず本編で描写されたことのある範囲)は再現されてる辺り、スケールが麻痺する。逆に言えばそんな世界だからこそ、そこから脱出する時もまた漫画的表現が許されるんだろう。落とし穴に落ちて入った街からの脱出が、落とし穴って。

33 話 PP(1)

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じゃあこんな荒唐無稽な世界にする必要があったのか、その脚本上の役割とは何なのか、というのの答えが『幸せの青い鳥』なのだろう。先週から引き継ぐ形で、かつ先週以上にブーストされたトンチキは、PP を夢の国へ誘う。正直、彼女達は HC と違って一ヶ月間丸々尺を貰っているので、王道友情パワー物語を描いても十分説得力は得られたと思う。ただそれをやらず、寧ろ先週のトンチキを活かす形で話を構成すること、そしてその着地点を『幸せの青い鳥』に定める手腕は鮮やかだなぁと感じる。作中でも言及されてる通り、幸せの証である『幸せの青い鳥』は遠い遠い夢の国や冒険の世界にあるのではなく、身近な場所にいるのだ。チルチルとミチルはそこから逆に『青い鳥』に囚われ、それ取り合い、失ってしまうという失敗を犯すけども、既に一度失ってる PP はそうならない。今回は『幸せの青い鳥』的な教訓を新たに学ぶのではなく、29・30 話で 2 人 が既に経験したことを再確認させるためのお話なのだ。

33 話 幸せの蝶

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そこに飛来するのは一匹の蝶。蝶もまた幸運を運ぶと言われることがあるが、今回はみおちゃんへインスピレーションを授ける。なんとまぁ、こんな感じの運命的なことが実に似合うよね、PP。
身近にある幸せの証はそれだけではない。その事を示すように、またもや「あいねちゃんの友達」が力を貸してくれる。『フレンズ!』では最早お家芸の様に繰り返されてることだけど、それだけあいねちゃんの真心を真正面から丁寧に描いてきた証でもある。周りの人(友達)を大切にするというありふれたお題目だけど、ありふれてるからこそ大事なんだなぁ。

33 話 みおちゃん(1)
33 話 みおちゃん(2)
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今回は割とみおちゃんがキレッキレで、アイカツモバイルでの状況確認やガラスの靴のトリック等、以前の(あるいはそれ以上の)頼もしさを発揮してくれる。

33 話 みおちゃん(3)
33 話 みおちゃん(4)
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それだけでなく、友達(BP・ダブルハイビスカス)を助けたり、そのことを後悔せず寧ろ誇っていたり、随所にあいねちゃんの影響が観られる。こういう描写があると、 "2 人" である理由が強く感じられていい。

33 話『みんなみんな!』

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ステージはお久しぶりな『みんなみんな!』。以前とは違い、(ミライさんの言葉を借りるなら)「真剣にぶつかりあってからぎゅって一つになった」のがステージングに表れ、エフェクトがこれでもかとキラキラする(※)。それでも HC の様にミラクルアピールを成功させるには至らない。まぁ彼女らは以前からアピールを練習する描写が挟まれていたし、"武者修行" 中もまた続けていたんだろう。だから HC が成功して、PP は発動できないってのには納得。一方で『青い鳥』と『青い蝶』、2 つの証によってもたらされた幸運を纏う PP のドレスは、HC のそれよりも光り輝く。こちらは逆に、HC が 32 話で到達した地点は、PP は既に SHC で通過した所で、その分一歩先を行っている感じだからだろうか。
とまれ、これで PP・HC 両者の "ステージングにおける" 強みが明確になった。どっちもダイヤモンドフレンズカップ(DFC)に出られることになったので、今後は両者ともに強みを更に伸ばしたり、劣ってる部分を改善したり、というムーブが描かれるんだろうか。

33 話 PP(2)

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教訓を謳い、強さを描いて、次に進める。こうしてみると中々に詰め込んだエピソードでしたが、トンチキハチャメチャな勢いがお話を後押しして、これらを消化するだけのパワーをくれたように思えます。抑えるべきポイントを抑えながら、元気で楽しい回でした。

『みんなみんな!』の比較動画