アイカツフレンズ! 26 話『フレンズ集合♪アイカツの秋☆』

26 話 ブリリアントフレンズカップ

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

アイカツフレンズ! 26 話。
折返しを迎え、OP・ED も新たに。
今の展開を考えると、OP はなんだか歌詞が意味深ですね。

遂に始まった、ダイヤモンドフレンズになるための登竜門。
ダイヤモンドフレンズカップの前哨戦、ブリリアントフレンズカップ
あくまで学内予選に過ぎなかった SHC とは違って、BP や RM を始めとする他校のフレンズも多数登場。SHC の時も思ったけど、
SHC:学内選考→BrFC:前哨戦→DFC:本戦
という構成はかなり『フレンズ!』における「アイカツの広さ」を感じる。というか LMT が卒業生で学園所属でないことや、RM の様な他校のアイドルが一年目からメインキャラにいる事自体が "広い設定" だ。

26 話 Baby Pirates
26 話 白雪娘
26 話 ダブルハイビスカス
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

アイカツ!』や『スターズ!』は二年目から世界を広げていったことを考えると、『フレンズ!』は初期から割りと外を中心とした作りになっている。寮生ではなく通いであったり、アイドル科だけでなく普通科もある等学園の設定も、その一環だろう。そしてそれはあいねちゃんの強みを活かす為のものなのかな、とも思ったり。或いは LMT の格付けのしやすさか。一年目の神崎美月や S4 は、二年目以降とのすり合わせに結構苦労していたイメージがあるし。

脱線しまくったが、今回(と次回)の舞台はその BrFC だ。お話は大きく分けて、モブフレンズパート・PP パート(ステージ有)・RM パート(ステージ無)に 3 分割される。あいねちゃんは終始アクセルベタ踏みで、始まって速攻沖縄や北海道から来たフレンズと友だちになってたり、なこちゃんにアドバイスをやって緊張を解いてあげたりしている。

26 話 あいねちゃん

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

このなこちゃんと会話するシーンは個人的に好きで、「困ってる友達を助ける」というあいね本来の性質に、この半年で積み上げた「アイドルとしての確かな経験」が上手く組み合わさっていて、端的にあいねちゃんの成長が見て取れる。一方のみおちゃんは終始余裕ムードを漂わす。まぁ元々場数は踏み慣れてる上に、ソロの実力では(恐らく)この中では No.1 だろうし、その上前回で自分の限界を一歩越えてみせた、となればそこまで不自然ではないだろう。ただやはりどこか "前" とは違っていて、そこを友希あいねは当然見逃さない。

元々あいねちゃん本人の評価じゃ、自分はみおちゃんに遠く及ばないと思ってるだろうし、恐らくそれは正しい。その上で前回のステージを観たことで、更にその実感は強くなっただろう。とはいえそこで腐るあいねちゃんじゃないのは 19 話の通りで、彼女は「食らいつく」ことを選べる強い子でもある。

26 話 みおちゃん

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

それに対するみおちゃんの返事が「あいねはあいねらしく、ステージを思いっきり楽しんで」「私があいねを引っ張ってあげるから」というもの。この辺も複雑で、一刀両断できない難しさがある気がする。気負う必要がないのも、無理をする必要がないのも、思いっきり楽しむのも、そしてみおちゃんがあいねちゃんを引っ張るのも、全部間違っちゃいない。ただここに足りないのは、あいねちゃんがみおちゃんに及ぼす影響だ。「私があいねを引っ張」るのは正しいが同時に、「あいねも私を引っ張」る(或いは押し上げる)というのも正しいはずだ。15 話でたまきさんがいった通り、フレンズとは Win-Win の関係であるはずなのだから。

14 話 エマちゃん

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

もしくは、この時のみおちゃんは、「舞花ちゃんに合わせようとしたエマちゃん」或いは「ラクロスを捨てようとしたエマちゃん」とも同一の存在かもしれない。「あいねはあいねらしく」していれば、あとは自分がなんとかするというのは、エマちゃんとは違い上からの献身性とでもいうべきか。しかし 14 話でも描かれたように、アイドルで・フレンズで一歩退く美徳なんてのはクソくらえだ。アイドルは、フレンズは「我」を出してこそなんぼの世界、HC 風にいうなら『個(わたし)』がいることが絶対的に必要なはずだ。そして『個(わたし)』と『個(きみ)』が掛け合わさることで、フレンズは大きくなっていくのだ。勿論、ユニット内でフォローし合うということは必要だろう。でもそれと一歩退くというのは別のこと。今回のみおちゃんの言葉は本人にそのつもりがなくとも、『個(あいね)』と『個(みお)』が合わさる機会を失わせることになったはずだ。その結果、『みんなみんな!』のステージは SHC 時と比べると、その輝きを失ってた。

しかしそれでも世界は PP を祝福する。それは湊みお個人の、或いは友希あいねの力なのだろう。彼女達のこれまでの「アイカツ」は本物であった証だ。

26 話 Love Me Tear

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

しかしそれ以上の "本物" はそこに混じった "嘘" を見抜いてしまう。でもまぁ、前回と今回のみおちゃんを見る限りだと、この "嘘" が混じってしまったことには無自覚で、恐らくまだ気付いてないんだろうなぁ……。

終盤に盛り込んでくるのは RM パート。話題は一転して、こちらではさくやちゃんが立てこもってしまったので、なんとか引きずり出そうとかぐやちゃんが東奔西走するお話。

26 話 かぐやとバジル
26 話 かぐやとティッシュ配り
26 話 かぐやと懸垂
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

ラッキーアイテム、アニマル、フード、アルバイトにチャレンジと、トンチキ展開に頑張るかぐやちゃんがかわいい。ただ肝心の占いは「BrFC のステージに立つとかぐやちゃんが灰になる」という物騒極まりないものであり、さくやちゃんは BrFC と妹との天秤に板挟みされている、という流れ。この展開はまんま天の岩戸的であり、日本における「アイドル」の根源という感じか。占いっていうのも、その神秘性からマッチしてる感じ。かぐやちゃんが頑張るのは偏に姉の占いを信じてるが故になんだけど、だからこそその悪い結末の避けようのなさも強くなるという皮肉な構造。どこかの歌姫みたいに悪い結果でも無理やりポジティブに解釈しちゃえば、というわけにいかないもんなぁ。ただ今回の「天の岩戸」を考えると、かぐやちゃんは寧ろこの姉至上主義路線を貫くのかもしれないな。ここいらで一発現実に殴られるのかとも思ってたので。

26 話 かぐや灰になる

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

とまれ RM の、というか灰になることが予言されてしまったかぐやちゃんの明日は如何に。
そして PP の運命は、BrFC の行方は。