アイカツフレンズ! 23 話『叫ぶ、瞬間』感想

23 話 舞花と雨(1)

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

アイカツフレンズ! 23 話。

秋雨の匂いや湿度が漂う中、蝶乃舞花が空に重っ苦しく蓋をする雲をその情熱でもって吹き飛ばすお話。

SHC で PP に負けて BrFC に出られなくなった HC・舞花ちゃんには、(ストーリーから脱落させないなら)別の道を用意して上げなきゃいけない。というわけで Dancing Mirage のミューズを目指す回でもあるんだけど、今までのモデル系(蘭ひなき香澄ズ他)の場合と違って、ブランドやミューズに特別フォーカスするのではなく、メインとなるのは舞花ちゃんの自信回復までの道のり。彼女の心理と、雨や光が生み出す画面上の重さを、上手くリンクさせた演出がなされてた。

PP に負けた・BrFC には出られない・新たなライバルも登場した・何より家族に本当のことを言えていない。舞花ちゃんはストレートにものを言える子だが、それは何でも言えるということと同義ではない。嘘をつかないというだけで、いうのが恥ずかしいことには照れるし、伝えにくいことは普通に伝えにくいのだ。それでいて素直な性格をしているので、こういう状況は余計に心が痛む。こんな時頼りになるのは、当然ながら彼女のパートナー・エマちゃんだ。今回もそのお姉さん力を存分に発揮して、その光で彼女の背中を押してあげる。

23 話 舞花とエマ

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蝶乃家の前で 2 人して素直に気持ちを言いあってた所に、変化が感じられる。てか地味に舞花ちゃんの実家初公開だけど、格闘技関係て珍しい(てかシリーズ初だ)な。エマちゃんのお蔭でどん底からは立ち直ったけど、そこで気持ちが「(デザイナーの)ノアさんに認められないと」という方向に向くのは間違いだってのは、視聴者なら感じてしまう。でも彼女はエマちゃんの様な視野の広さはない(寧ろ一度嵌るとずんずん突き進む)ので、そこには気付けないんだなぁ。だから当然の如く、ここでは突き返されてしまう。

23 話 舞花と雨(2)

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雨の重さは勿論、光の強さも彼女の影を色濃くして、画面と彼女の心を重く沈み込める。

そんな彼女を別方向から照らすのが、参戦直後の白百合姉妹。今回は HC と RM の顔合わせも兼ねてる。

23 話 舞花とRM

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さくやちゃんは相変わらずの勘の鋭さ・深く見通す視力を発揮して、かぐやちゃんも相変わらず姉を持ち上げる。かぐやちゃんはクールタイプだけど動きのあるかわいさがあるので、画面を盛り上げてくれるキャラだなぁ。エマちゃんやかぐやちゃんや鶏レインコートの存在が、エピソードが重くなりすぎないようにギリギリの調整してる感じだ。

23 話 舞花とエマ(変顔)

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他にも家族やたまきさん・千春さんなんかも後押ししてくれるが、最後のトリガーとなるのは、やっぱりエマちゃんだ。変顔という身を挺した激励は、雨空と舞花ちゃんの心を晴れさせる。『おけまる』のステージも舞花ちゃんに対する激励ソング兼エモい BGM として一気に物語を盛り上げてくれる。爽やかなで元気溢れるポップナンバーが舞花ちゃんの疾走を後押ししてくれる様子、その爽やかさは、それまでの鬱屈を一気に晴らすカタルシスを生み出す。

23 話 舞花と青空(1)
23 話 舞花と青空(2)
23 話 舞花と青空(3)
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話の主役である舞花ちゃんを敢えて画面端によせることで、画面全体の広さを出す。空や芝生の青さが延々と広がるようなレイアウトは、物語の解放感まで演出する。HC エピソード特有のど青春真っ只中な空気を、一度重く深くした反動を活かすことで、更に威力を増加させる演出でした。

この回は本当にいい画が多くて、場面の選定が難しかった……。
それだけレイアウトや演出が、脚本とマッチした上で光り輝いた回だったと思います。