アイカツフレンズ! 21 話『広がるハーモニー♪』感想

21 話 フレンズとは

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

アイカツフレンズ! 21 話。

第 2 クールも終わりが見え始める今日この頃、みおちゃんを中心にメインキャラクター達の現在地点を確認する回。それでいて、サブキャラ達を少し掘り下げたり横幅の広い話でもある。新キャラを投入して、彼・彼女らを鏡として上手く使ったエピソード。

舞台となるのは SH 学園のオープンキャンパス。そこで PP は能登かがみくんと伊勢涼香ちゃんを、HC は昨年の DFC 2 位だという Baby Pirates を案内することに。OC の中で、かがみくん・涼香ちゃん・BP を描きながら、彼・彼女らの瞳に映る PP・HC を描くといった感じ。

21 話 HCvsBP

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学校一位(= SHC 優勝)のフレンズ PP に興味のあった BP は、自分達の案内係である HC をそのことで煽る。傷口に塩をぶっかけられ「この小娘が」とばかりに熱くなる舞花ちゃんを抑えつつも、しっかりライバル心を見せ状況を整えるエマちゃんは流石といった感じか。BP はダンスレッスンでも謎の儀式であるスイカ割りでも、DFC 2 位の実力は伊達じゃないと見せつけてくれる。一方の HC も変わらずのパフォーマンスを発揮してるし、やっぱり実力はあるんよなこの子達。最後まで続いたバチバチ感、PP に対するものとはまた違ったライバル感で、HC 方面にも新しい燃料が撒かれた感じだ。これを今後どういう風に燃やしていくのか。

21 話 能登かがみくん

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(シリーズ全体ではそうでもないが)『フレンズ!』では珍しい同年代男子の能登かがみくんは、「メイクに興味のある男の子」という中々調理しがいのある食材を引っさげてた。無難に OC をこなしながら、密かにメイク道具やケンさんを探す様子は、彼の心の中の複雑な気持ちをよく表してる。周囲の目が気になるけど、自分の心に逆らえない彼もまたアイカツをしてるのだなぁ。OC を申し込んでケンさんに会いに来て、弟子入り志願って、ぶっちゃけ物凄いことやってるんだけど。LMT の(メイク限定?)オタクっぷりを発揮して、元コミュ障だけど同年代男子は初めてで少しドキドキなみおちゃんとプチ意気投合してるのは、ちょっと面白い。

そして 4 人の中で一番濃いく絡みが描かれた伊勢涼香ちゃん。ご当地アイドルでメジャーデビューの為にプロダクションを探してる彼女は、アイカツ歴だけでいえばあいねちゃんよりも先輩。人付き合いにドライな面を見せる彼女に食いつくのは、勿論我らがコミュニケーションモンスター友希あいね。

21 話 あいねちゃんと涼香ちゃん

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この回ではよりあいねちゃんのモンスターっぷりが描かれてたなぁ。冒頭で、案内中に、アイカツ体験中に、スイカ割り中と、あらゆる場面で天然人転がしを発動させてた。けど涼香ちゃんの心の扉は固くて、中々開いてくれない。そこで手を差し出すのがみおちゃんなのは、素敵な展開だった。

21 話 みおちゃん

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あいねちゃんと出会い、あいねちゃんと過ごした日々。20 話の間に描かれてきたものは、しっかりとみおちゃんの中に刻まれていて、彼女を変えていった。かつての自分にどこか似ている涼香ちゃんを前に、あいねちゃんより自分の言葉の方が届くだろうと判断した彼女の姿からは、そういったコトに対する視力が上がった印象を受けた。そして何よりその言葉の内容だ。「2 人より 1 人 の方が楽」というのは認めながらも、「2 人だからこそ」を説くみおちゃん。「自分も出会えたから、あなたも出会えるはず」という超絶ポジティブなその言葉をいう姿は、まるでいつものあいねちゃんだった。彼女もまたどんどん成長していくなぁ。

「フレンズ」について、その代名詞である LMT にさせた説明はあっさりながらもわかりやすいものだった。目隠しした状態だと一人ではスイカは割れず、暗闇の中に迷っちゃう。けどもう一人が声をかけることでスイカまでの距離が、方向がわかって、スイカを割ることが出来る。より熟練してくれば、フレンズ毎に様々な割り方が出来るようになる。「無限の可能性」があり、「チガカワ」である。みおちゃんが涼香ちゃんにかけた言葉と共に、本作の最も大きな幹である「フレンズ」の概念を簡潔に、しっかりとおさらいしていた。

ステージが原点回帰「アイカツフレンズ!(曲)」だったのもその一環だろう。
「可能性は無限大だ 迷わず進め!」というストレートな歌詞が響く。

たまきさんやケンさんの今まで描かれなかった一面が描かれてたのも結構好きだ。

21 話 ケンさんとかがみくん

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かがみくんがメイク道具に触れようとした時のケンさんの冷たい声は、一瞬これが『アイカツ!』であることを忘れさせる迫力があった。かがみくんとの絡みでケンさんのこういう一面も描かれていくと、また違った魅力が出てくるから、これからもちょいちょい挟んでいくのかな。

21 話 たまきさんとかずね兄さん

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たまきさんはたまきさんで、あいねちゃんの兄・かずねさんをスカウトしてたり。こういうちゃっかりした一面があるのはいいなぁ。それにももねちゃんが「むー」と嫉妬してることの尊さは言わずもがな。

21 話 ももねちゃん

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サブキャラに大きく尺を割くことは出来ないが、物語に厚みや奥行きをつけるならその掘り下げは必要不可欠だ。それをこういう機会にさくっとやってのけたのは大きい。

21 話 湊玲子さん

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何気にみおちゃんの母・湊玲子さんが初登場を果たしている。さらっと、デザイナーであることを告白。みおちゃんのデザインやファッションの起源はこの辺にあるのだろうか。

スマートに、的確に、これまでの話を振り返りながら、これからの話に向けて色々と仕込んでいった回でした。今回仕込まれた材料がどう描写されていくのか、楽しみなる回でした。