アイカツフレンズ!8 話『みおの CM 大作戦!』感想

8 話『マカロン音頭』

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

アイカツフレンズ! 8 話。

クールでスタイリッシュなアイドル湊みおが、自身の新たな可能性に出会う物語。
そしてそこから "自分の求めるフレンズ" について思いを巡らせるお話。

作中で(LMT を除くと)最もプロ意識が高く、真面目で、実力のあるアイドルとして描かれているみおちゃん。今回の話でもそれは健在で、冒頭のラジオリスナーの「緊張しすぎて夜も眠れない」というメールに「寝る前はちゃんと歯を磨いてね」って返すのとか、クソ真面目な彼女らしいレスだ。

8 話 湊家
8 話 みお自室
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自宅も凄く、どっかの高層マンションの高層階で、大きな窓から街中を見渡せるリビングからは、なんだか彼女のスケール感や別格な感じが伝わってくる。時に登場人物の人生や心の中を反映する私室であるが、彼女の場合は、観葉植物や様々な図鑑、PC、スタイリッシュなポスター等々に、大量の LMT グッズ。物が溢れかえるわけでもなく、必要最低限というわけでもない、かっこよさとかわいさを兼ね備えながら、趣味ド直球のものもあって、「湊みおの部屋」という感じがする。

8 話 LMTオタクのみおちゃん
8 話 アイドルのみおちゃん
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あいねちゃん達の前では限界 LMT オタクになるのに対して、今回のお仕事のパートナーであるムッシュ・ザックバラン氏には、氏が以前手がけた LMT の PV の話に絞りコミュニケーションの材料とする。
そんなクールで真面目なみおちゃんは、当然「マカロン音頭」というトンチキ可愛い CM にも全力で取り組む。笑顔を忘れず、振りも丁寧にやる。

8 話 みおちゃんとマカロン音頭(1)
8 話 みおちゃんとマカロン音頭(2)
8 話 みおちゃんとマカロン音頭(3)
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大量のスポットを浴びるのも合わさると、多少の "痛々しさ" も感じてしまうが、これをギリギリまで極限に小さくしてるのは、(クレープやたい焼きを通して)『アイカツ!シリーズ』が作ってきた雰囲気であり、一生懸命にやり遂げる彼女らの姿勢の賜物でもあるかな。
みおちゃんはその後もキレキレで、スタイリッシュな CM 案からマカロン音頭へ変更した理由を推察してみたり、ゲリラマカロン音頭とネットを組み合わせた宣伝を提案したり、そこにステージ招待キャンペーンやマカロンのプレゼントも組み合わせてみたりと、その直感や企画力を遺憾なく発揮していく。正直めっちゃ凄い。

そんなキレキレみおちゃんでも足りない部分はあって、そこを他のメンバーが、特にあいねちゃんがカバーする形になったのは偶然ではなく必然だろう。前もって音頭のダンス動画をネットにアップしたり、キャンペーンの準備をしたりで人手は必要だし、そしてゲリラ音頭自体も人が多ければ多いほど盛り上がる。

8 話 舞花とエマ
8 話 あいねちゃん
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そこを自分から手伝いにくる 3 人は尊いし、そこから更にアイドル科全員に声を掛けるあいねちゃんは流石としか言いようがない。ていうか舞花ちゃんも言ってるが、編入したなのに既に全員と友達になってるのは、伊達に 100 万人を目指していないなって感じ。

クールでスタイリッシュなアイドル湊みおと、トンチキ可愛いマカロン音頭との組み合わせは新たな可能性を生んだ。ドレスが「色や素材、異なるものの組み合わせで可能性が無限に広がる」ように、核となるアイドルは 1 人でも、そこに衣装や仕事や曲などを様々に組み合わせることで、そのアイドルの可能性は広がっていく。この考えは自分の価値観を少し変える "差し色" と共通する所があるなぁ。みおちゃんが「フレンズを組む相手」に求めるのは、自分の可能性を広げ、そして 2 人でビッグバンを起こすことが出来る、そんな相手だ。じゃあ、みおちゃんの可能性を広げ得る子、みおちゃんの「別の一面」を引き出すことのできる "差し色" になれる子、というのは誰か という問に答えが示されるのはもう少し後になってからなんだろう。でも 1 話や 3 話の時よりも、みおちゃんの "フレンズ像" が明らかになったことで、その距離はぐっと縮まったのは確かだ。

8 話 ムッシュ・ザックバラン(1)
8 話 ムッシュ・ザックバラン(2)
8 話 ムッシュ・ザックバラン(3)
8 話 ムッシュ・ザックバラン(4)
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この話のみおちゃんは結局全てムッシュの掌の上、って書く程悪どくはないが少なくとも氏はある程度見越していたらしく、みおちゃんの上を行った感じがあった。勿論彼はアイドルじゃないから競争相手にはならないんだけど、でも序盤に「LMT に認められた人」という表現があったことを考えると、脚本上の彼は LMT の代理でもあったのだろう。ミライさんが圧倒的才覚であいねちゃんを引っ張った前回からの続きと考えると、自然な展開に感じる。

今回も、残りメンバーの描写も豊かでよかった。ストレートにツッコミを入れたり、フェスに反応したりする舞花ちゃん。雑に丁寧にフォローをこなすエマちゃん。トモダチカラ全開のあいねちゃん。あいねちゃんに対するたまきさんの「バインダーの一冊も埋められないようじゃまだまだ」という一刀両断を、舞花・エマの 2 人が懐かしんだりするのもキャラの歴史を感じられて好き。

8 話 MT2
8 話 MT2
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全てが終わって後の会話も、ライバル心バチバチな舞花・いい感じにまとめるエマ・キュート主人公らしくポジティブな頑張る宣言をするあいねと三者三様。そんでここ最近はあいねちゃんがまだ「ルーキー」で「半人前」なことを強調して描写してる感じがする。セリフだけじゃなく構図においても、例えば上のシーンであれば 1 人ずつ立って喋るので最終的にあいねちゃんが 3 人を見上げて、立ち上がるというアクションが加わったり。次回がいよいよあいねちゃんの PR ドレス回みたいなのでその助走という感じかな。