アイカツフレンズ! 22 話『満月の予感』

22 話 かぐやちゃん占い

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

アイカツフレンズ! 22 話。

"6 人目" の女の子が月からやってきた。
お姉さまを映し出す鏡であり、満月の片割れであり、本当は歌うことが大好きな女の子。
圧倒的な演技力と確かなステージングを魅せる偉大なる姉・白百合さくやの双子の妹にして、
彼女の「フレンズ」となる白百合かぐやちゃんが堂々登場。

彼女の登場回なので、当然ながら彼女がメインとなる。登場回っていっても初登場じゃなくて、18・19 話で出ているんだけど。まぁ本格参戦が今回からということになる。

22 話 さくやちゃん握手会

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

彼女を描く上で欠かせない存在になるのが、姉でありパートナーでもあるさくやちゃんだ。例の映画オーディションに受かった彼女は、既にかなりのファンを獲得していて、人気アイドルになっている。そんなかぐやちゃんはどうやら眠り癖がある模様(それ以外は普通にしてるので白銀リリィのような病弱設定ではないはず)。そんなさくやちゃんのフォローをするために、かぐやちゃんがさくやちゃんに成りすましてステージに立つことから話が動いていく。

22 話 かぐやちゃん飲み物

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かぐやちゃんはアイドルではない。あくまでマネージャーの針生さんと共に、さくやちゃんに付き添ってサポートをしてるだけだ。恐らく 17 話のオーディションで来れなかった付き添いは彼女のことだったのだろう。そんなかぐやちゃんにとって、さくやちゃんは眩い輝きを放つ自慢の姉であり、尊敬(信仰に近い)する存在だ。そんな姉が占いをほっぽり出したり、ステージをドタキャンしてはいけない。偉大な姉の経歴を守るために、占いでもステージでも代理をこなす。姉を守る為に、ホット / コールドリーディング両方を織り交ぜたような占い(のようなもの)をする様は、面白さと同時に痛々しさも滲む。だけど歌だけは少し違った。

22 話 かぐやステージ後

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歌い終えて、拍手とスポットライトを受けた時、彼女はそこから見える景色に(ほんの僅かとはいえ)浸ることが出来た。後にその姉から指摘されるように、"歌" は彼女にとって大きな要素なんだろうなぁ。でも、ファンの目(耳)を誤魔化し切ることはできない(当然のようにあいねちゃんも)。『アイドル』モノだからそこには真摯でなければいけないもんな。
彼女の持つ属性は、俗な言い方をすれば「シスターコンプレックス」だろう。尊敬すべき、偉大な姉。大好きで、その実力を誰よりも敬うからこそ、自分のことを信じることは出来ず、「見守る」立場に甘んじようとする。古語の「かげ(陰・影)」には「月(の光)」という意味もあるけど、ここでは月に例えられる彼女が「姉の(文字通りの)影」となってるのがまた面白さと切なさがある。
そんな妹・かぐやちゃんを「月」にする為に、姉・さくやちゃんは PP から助言を受けて自分の気持ちを素直に伝える。「かぐやちゃんと一緒なら心強い」「自分一人の輝きじゃ足りない」「かぐやちゃんがいなくちゃダメ」とストレートな言葉。

14 話 Honey Cat
22 話 Reflect Moon
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ストレートといえば舞花ちゃんだが、河原やグラウンドで夕日をバックにいう彼女とは違って、家で月に照らされながらっていうシチュエーションは、両者(両フレンズ)の違いが感じられていいな。あっちがスポ根青春モノだとしたら、こちらはどことなく神秘的なイメージ。

斯くしてかぐやちゃんはアイドルデビューをし、白百合姉妹はフレンズ『Reflect Moon』を結成する。その名前やドレスを前もって準備してた辺り、さくやちゃんの妹に対する思いが伝わってくる。
一方のかぐやちゃんだが、今回は(ソロは勿論 2 人でも)ステージは貰えなかった。「お姉さまが更に輝けるのなら」「いつでもお姉さまを見守っておりますわ」という台詞が示す様に、彼女は現時点では「あくまで姉のために」アイドルになった少女で、そこに自分の主体的な夢があるわけではない。さくやちゃんの「私がもっともっと輝くためには、かぐやちゃんが隣りにいてくれないといけないの」という台詞と比較すると、より 2 人の『アイドル(或いはフレンズ)』に対する姿勢が違うことがわかる。今回かぐやちゃんのステージが描かれなかったのは、この辺りの "覚悟の差" が理由だろう。この辺の姉妹でのギャップをどう埋めていくか、かぐやちゃんが『アイドル』や『ファン』というものにどう向き合っていくのか。そういった所を姉妹での衝突や、PP・HC との絡みで描いていくということかな。今までの様にソロ→フレンズの流れではないのは、この辺りの作劇に絡めていくんだろうなと思う。

22 話 PP

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さくやちゃんに PP が助言をしたのもよかった。アイドルじゃない子がアイドルになる例として主人公を挙げるのは、視聴者に対する説得力が大きくなる。その辺のことを簡潔に伝えて、さくやちゃんの背中を優しく押したのがみおちゃんな辺り、彼女は本当に変わったなって。

次回は再び HC 回。次回予告の数ショットだけだが、アウトライン強めでまた熱い話にりそうな予感。