アイカツフレンズ! 53 話『ひびきのショータイム!』感想

『フレンズ!』53 話はひびきエピソード本格始動!な回。
と、本文に入る前に。
私事なんですが、PC がぶっ壊れてしまいまして、その影響でブログ更新のハードルが結構上がってしまいました。というのもこれまでの毎話の感想は、本編を複数回視聴し、メモを取り、短文の感想で構成を練り、本文を書き、キャプチャを撮り……みたいな行程を経ていたわけですが、スマホからですとその行程を大幅に変更せざるを得ず……。一応 BT キーボードは手元にあったので、"文章を書く" ことそれ自体はそこまで苦ではないんですが、如何せん PC とは執筆環境がめちゃくちゃ違うので(単語辞書もない)。その為しばらくの間は感想を上げるのに時間がかかったり、キャプを付けられなかったりすると思うので、ご了承ください。

53 話 PP
53 話 HC
53 話 RM
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

さて。
前回・前々回と、JLR やスペカツでその高い実力を見せつけてくれた天翔ひびきさん。
今回も宇宙仕込みのアイカツ!パワーが火を噴くぜ!と思いきや、そこから一転した意外なポンコツ描写。フレンズとしてそれなりに成熟した 3 組とのギャップなんかが面白い感じ。目の前でイチャイチャ✕ 3 を魅せられて、自分の相方に思いを馳せるひびきさん…………。

53 話 ひびき ドッキリ

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お話の中心となってるのは、ひびきさん発案の各フレンズの絆を試すドッキリ。この様子が三者三様で、一年間の物語(作中では更に +1 年)で積み上げてきたものにしっかりと立脚してる感じがあってよかった。

53 話 HC 宇宙進出

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日本縦断もやった、世界一周だってできた HC は、宇宙進出の可能性だって本気で信じている。他者を慮り、その為には自分が引くことも厭わないエマちゃんを、舞花ちゃんがその情熱とエネルギーでもって引っ張る構図は、高校生になっても変わらない。

46 話 RM 幼少期

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RM の原点は 2 人で過ごした幼少期の日々だ。風邪を引いたり、バレエのお稽古をしたり、迷子になったり、宝物を隠したり、”お月様” について思いを馳せたり。血の繋がりや姉妹であることも大切だけど(だからきちんとごめんなさいがいえる)、あの日々は血の繋がり以上に大切なのだ。さくやちゃんが占いを挟まずに、即答で断っていたのがよかった。さくやちゃんは自分の占いに自信を持ってるけど、だからといってそれが己の全てというわけじゃない。いざという時は強い意思を見せられる、実に "アイカツ!ゴシック" の系譜を受け継ぐアイドルだ。そんな強い姉に対して、かぐやちゃんが少し遅れる感じなんかもいつもどおり。2 年目はソロに割く時間は少なくなるだろうけど、かぐやちゃんやエマちゃんといった正妻ポジのキャラが頑張るお話があるといいなぁ。

53 話 鐘

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PP は一捻り加えてきた感じで、『フレンズ』を・PP を 象徴するあの "鐘” をギャグのど真ん中に据えるっていう。今までもそういった少し面白方面に飛ばしてたのはあったけど、暗喩でもなんでもなく結婚式ど直球で来たのが面白かった。普通に鐘は結婚式のシンボルでもあるけど、『フレンズ』の文脈では PP のアレコレあったお話を多分に含んでいるため、ギャグとしての切れ味が増すんだよなぁ。一年目の描写を活かした例ではあるけど、思いっきりギャグに振った辺りが、HC・RM とは一味違う感じ。

53 話 あいね 真相

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ドッキリの中で何よりも相方との絆を選んだ 2 組に対して、PP (というかあいねちゃん)の場合は、更にそこから真相に一歩近づく。これは DF としての格の違い描写ともとれるし、あいねちゃんのトモダチカラとも取れる。まぁ普通に後者の意味限定っぽい気もするが。

53 話 あいねとペンネ

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トモダチカラに目覚めておらず、引っ込み思案だったときから一緒にいたペンネに対しては(或いは他の家族に対しても)、なんだかんだ思い入れが強そうですね、あいねちゃん。ペンネに関してはどうしてもみおちゃんのメロメロ描写に持っていかれがちなので、あいね目線も描かれたのは嬉しかった。

53 話 ひびき 自信なし

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一方、フレンズとしてばっちりな 3 組と、未だアリシアに拒絶されてる自分とを比較してしまうひびきさん。51・52 と凄みを中心に描かれていたので、ここでキャラクターの隙というか、成長の余地を持ってきたのは面白い構成だと思った。そのビジュアルと声の影響でどうしてもエルザ様を思い出してしまうわけだけど、この辺りの描き方はエルザとは明らかに違う感じ。エルザは一貫して完全無欠の “パーフェクトアイドル” の扱いを受けながら、人格面に爆弾を抱えてる感じで描かれていた。それに対して今回のひびきさんは、強キャラ扱いはしつつも「フレンズ」としては PP 等に劣ってることを明確に描写していたし、本人がそれを自覚し一歩成長した様まで描かれていた。勿論この違いは、『フレンズ!』と『スターズ!』の作風・作中世界の論理の差異から生まれたものなわけだけど、そこから生じるひびき個人のムーブメントが、エルザと比較してどう違うのかってのも楽しみになる描き方だった。

6 話 みお モジモジ
53 話 ひびき アリシアへのLINE
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ひびきさんのアリシアさんに対する接し方は、どこか初期みおを思い出すものがある。ただ、ひびきさんの場合は対アリシアでのみおかしくなる(というよりその熱意が空回りする)って感じだが、みおちゃんの場合は基本器用にこなすんだけど、全く仕事が関係しない・年相応の交友関係を築くのに難があったわけで、まぁ同じコミュニケーション不器用でもその内容は全然違う。とはいえ「フレンズを組みたい相手との距離を縮める」ということに関してみおちゃんが一日の長であることは間違いない。アイドルとしてはひびきさんの方が格上で導く立場にある(e.g. 52 話のスペカツ・JLR)んだけど、フレンズとしては PP の方が導く立場っていう、このぐいっと捻った構造は結構面白くなりそうで、個人的にはすごく好みです。一年目に続いてあいねちゃんの力が活かせそうってだけでなく、一年を経てちゃんと “子供として” 成長したみおおちゃんの経験も活きそうな構造なのがとてもいい。

49 話 LMT

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んでこういうの書いてるとやっぱり LMT について考えちゃうんだよな。アイドルとしてもフレンズとしても格があって、凄みがあって。やっぱり DFC で負けたにも関わらず格は落とさないように描き、49 話で更にそこから高く羽ばたかせて 2 年目に突入したのが、個人的には凄く効いてる。PP や ひびアリ を通して「フレンズ」の奥深さを描くたびに LMT の凄さを実感していくんだろうなぁ。

53 話 PP アイカツフレンズ!

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ステージの選曲は『アイカツフレンズ!』。50 話でやったけど、PP ver は凄く久しぶり。とはいえ新シリーズ始まってまだ 3 話目なんだから新曲攻勢かけてもいいのになぁ、とも思う。とはいえとはいえ、お話を大事にする『フレンズ!』なら、まぁ今回の話はこの曲以外ありえないわけで。1 年目で描いてきたことをギュッと詰め込んで、今一度「フレンズ」という概念と『フレンズ!』という作品を振り返る意味合いもあったことを考えると、この曲になるわなって感じ。今 PC 壊れてて比較できないんだけど、ちょっと比較動画作りたくなるよね、やっぱり。

というわけで。
『フレンズ!』の基本であり全てである「フレンズ」に触れながら、ひびきとアリシア、2 人の物語が本格始動するお話でした。しばらくアリシアさんサイドは動かさずに、ひびきサイドの描写を積み上げることで、アリシア札の威力を上げていく構成なのかな。

53 話 次回予告 あいね

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次回は主人公の片割れ・あいねちゃんの担当回。予告にわかばちゃんもいたので、顔合わせなのか、それともガッツリ本格参戦なのか。

今回のお話、ぶっちゃけ 2 話目(52 話)でもできそうな内容なんですよね。『フレンズ!』と「フレンズ」のおさらいでもあるわけだし。でもそうせずに、52 話でのひびきさんの凄みから 53 話のポンコツっぷりを繋げることで、彼女のキャラや彼女のストーリーをわかりやすく描けたんだと思う。同時に、2 話目というかなり早い段階で JLR を入手したみおちゃんの天才性も光る。ひびきエピのスタートよりも優先されたんだよな、彼女の成長……。みおちゃんの 1 年目での担当が人間性の成長であることはもう何度も書いてきたけど、こういうアイドルとして非凡であることをストレートに描いてくれるのも大好き。そしてそれを受けての一つのアンサー(或いはレスポンス)であろう次回のあいね回、楽しみですね。