アイカツフレンズ! 16 話『みお、勇者になる』感想

16 話 Pure Palette(勇者の橋)

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

アイカツフレンズ! 16 話。

PP が BFR ドレスをデザインする回。
14 話でたまきさんが言っていたとおり、ダイヤモンドフレンズカップには BFR とフレンズアピールは必須レベルとのことなので PP も例外ではない。14 話で HC が BFR 入手→15 話で現状の HC と PP の差・あいねの成長→16 話で PP の BFR という流れは結構スムーズな感じがする。あいねちゃんの知名度やファン数が増加したタイミングで PP としても勝負をかけていく、ってのは「アイドルアニメ」には珍しい生っぽい「商業面」が出てきて結構好きだし、それをいうのがたまきさんなのもまたいい。

ドレスのデザインを担当するのは当然みおちゃん。でもデザインがすんなりいかないのが物語だ。「ビビっとこない」「何か足りない」「"ビッグバン" が起きない」というみおちゃんに対して、特に(デザイン面から)意見を出せないあいねちゃんは、どストレートに「私には似合わない」「エマには似合わない」と言ってのけた舞花ちゃんとは違っていて、この辺の対比は面白い。アイドル科に編入した以上はある程度ファッションの勉強もしてるだろうが、現役モデルとして活躍してる舞花ちゃんとじゃ差があって当然だし。それでも舞花ちゃん同様、「私にできること」をとにかくやってみる辺りは流石。「トマトバジルチーズのスペシャルサンドイッチ」だったり、(集中力を阻害させないため)ペンネを止めたり。これまた舞花ちゃんが、滝行やら色々やったけど結局全部やめて、「信じてる」ことを伝えるだけにしたってのと比較して面白い。

そんな「私にできること」に全力になったあいねちゃんが辿り着いたのが、"勇者の橋" と呼ばれる、渓流飛び込みスポットの橋。声を掛ける勇気がなくて友達作りが下手だった自分が、生まれ変わるきっかけとなった場所。その当時の衝撃を「ビッグバン」と重ねて、「"ビッグバン" が起きない」というみおちゃんに、「自分の体験した "ビッグバン" を見せる」と言わんばかりの解決策を持ってくるのもあいねちゃんらしい。

16 話 Pure Palette(水辺)

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

道中の描写も素晴らしく、幼少期の朧げな記憶だけを頼りに歩き続けるあいねちゃんの様子は、きっちり計画を立てる派のみおちゃんにとっちゃ衝撃だ。携帯が圏外だとわかった時も、山を降りる方を優先するみおちゃんと、木を登って目的地の方向を確認するあいねちゃんの違いであったり。周囲の草・花・キノコ・鳥なんかを観る時もただただ感動するあいねちゃんと、図鑑の知識と照らし合わせるみおちゃん。ただただ目的地に着くことだけを考えてたみおちゃんは、回り道を楽しむことを覚えたり、あいねちゃんからいい影響を受けているとわかる。水に足をつけて「つめたーい」なんて、普段のクールな感じとのギャップが可愛すぎやろ。
勇者の橋から飛び込むところなんかも、このサブタイと相まって青春の爽やかさ全開。飛び込んだ後の、"あいねちゃんのビッグバン" とリフレインさせるのも好き。

16 話 あいねちゃん
16 話 みおちゃん
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

この辺の青春パワー全力でぶん殴っていくのなんか最高だ。手を伸ばしあう構図も、青色の爽やかさも、水の中で "2 人だけの世界" を作るところなんかも、全てが PP を後押ししてくれている。

16 話 Pure Palette(河原)

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

で、ここまで爽やか全開で来ておいて、その後がド甘酸っぱい恋愛になるのがまた『フレンズ!』らしい。自分のデザインに足りないものという問に赤面しながら「あいねよ……」っていうのも、そっから堰を切ったようにどんどん思いが溢れてくるのも、素敵すぎる。あと何気にあいねちゃんもみおちゃんに任せっきりなのを反省し、「2 人で作る」という結論に至ったのは、HC とはまた違ったフレンズ像を描けている気がする。

PP のイメージカラーが「赤と青」じゃなく「ピンクと水色」なのも好き。原色よりも少し明るさや軽さや爽やかさを伴ったイメージで、PP にピッタリな感じ。「友達同士がピュアな気持ちでオシャレを楽しめるような爽やかなブランド」にも合致してると思う。
ステージ前にみおちゃん本人も言ってるように、自分の素直な思いを面と向かって言えてる所に人間的な成長を感じる。そのあいねちゃんの返事も「みおちゃんとの出会いが 2 個目のビッグバン」とか……強い!

幼少期に友達作りが下手だったあいねちゃんを、「目指せ友達 100 万人」まで変えたのが "勇者の橋" での飛び込み。そしてみおちゃんとの出会いがあいねちゃんにとっての 2 個目のビッグバンだったということは、それだけの衝撃があったということだ。『みお、勇者になる』というサブタイトルは、「勇者の橋から飛び込んだ」ことに少しギャグ要素を加えたようなものだけど、その実「あいねちゃんに 2 個目のビッグバンを起こしていた」というなら、確かに彼女は「あいねちゃんの勇者」であったんだな。