アイカツフレンズ! 17 話『運命の出会いは月の導き』感想

17 話 白百合さくや

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

アイカツフレンズ! 17 話。

"5 人目" の少女・白百合さくやちゃんの登場回。
吸血鬼・氷の華・ツンドラの歌姫に続く『フレンズ!』界の "ゴシック" の系譜は占い上手な "月のお姫様"。
「月から来た」というキャラ設定、人見知り、高い演技力とステージング能力、そして必ず当たる占い。と、結構てんこ盛りな少女が参戦。属性が多いということはそれだけ描写量も必要になってくるわけで、当然ながら今回だけで描ききれたわけではない。なので今回はあくまでその骨格部分を、コミュ力お化けとクソ真面目トップアイドルの 2 人との絡みを通して描いていくお話。

冒頭からいきなり占いを披露するさくやちゃん。「カフェ」という単語で視聴者の中にはすぐペンギンカフェを(或いはあいねちゃんを)思い浮かべるわけだけど、これも実家描写を所々で挟んできた結果だろう。「出会うきっかけ」を占いで作るのも手際いいなって感じ。どうやら占い描写は結構重視しているようで、これ以外にも PP の所持ドレスを言い当てたり、オーディション結果を占ったりと何かと出てくる。シリーズでは最重要ポイントの一つでもある、フィッティングルームでのシーンでも占いを絡めた描写がされている。彼女の推しポイントなんだろうなぁ。
それ以外の属性も、描写量を抑えながら且つ視聴者の頭に入りやすいように、手際よく描かれていた感じ。オーディション前に人見知りであると告白しているが、ペンギンカフェに来店した際の様子からもそれは伺えたり。PP の 2 人との会話や面接での言葉からは、キャラ作りに努力してる様子が伺える。この辺はやっぱり先達の「吸血鬼」さんを思い出すなぁ。「キャラ」に関して言うと、「月から来たお姫様」の役をすんなりこなしてるのも説得力を持ってる。逆に、いくらキャラ設定をしっかり作り込んでいたからって、演技はそう簡単なものではないというのは、我らがあいねちゃんが体験した通り。プロのスタッフやみおちゃんまでも虜にしている辺り、「キャラ作りの賜物」というだけでなく彼女本人の実力が優れているということなんだろう。

17 話 導かれて(1)
17 話 導かれて(2)
17 話 導かれて(1)3
17 話 導かれて(4)
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

描写によって担保された説得力は、そのままステージングに活かされる。
印象的なイントロ部分、時計盤モチーフのステージ、そこから広がる演出、天井に輝く三日月(有明月)。
人々から恐れられ、孤独に生きる魔女と王子様の恋物語。「出逢わなければ」と詠いながら「本当の想い」を欲して、いつの日か満ちることを望んでいる心。あいねちゃんはロマンチックな物語といったけど、一方でかなりの切なさを含んでいるこの曲は、白百合さくやが歌うことで更に輝きを増している。

前回 BFR を手にしてまた一つ成長した PP は、今回はさくやちゃんが物語に入ってくる為の案内人を見事に果たしていた。相手が月出身であっても友達になろうとするその姿勢は言わずもがな。みおちゃんも、普段の "プロ意識" があればキャラ作りについてコメントしそうなものを、ペンギンカフェでのんびりしてた & 「月の裏側」の管理人に会えて舞い上がってた のでいい感じにポンコツになってたのが可愛い。かと思えば面接会場ではいつもの頼りがいのあるイケメンっぷりを見せたり。本当、魅力あふれるキャラだなぁ。
あと、さくやちゃんに構うだけでなく、あくまで「PP としての活動」がベースにあったのも嬉しかった。

バランスよく、手際よく、さくやちゃんの魅力を描いた回でした。