アイカツフレンズ! 14 話『ゴーゴーフレンズ!』感想

14 話 Honey Cat(1)

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

アイカツフレンズ! 14 話。

情熱の女・蝶乃舞花と元気なお姉さん・日向エマの個性がぶつかり合うことで輝くフレンズ、Honey Cat。
そんな彼女らが「ベストフレンズレア(BFR)ドレス」のデザインに挑むお話。
『フレンズ!』では当然ながら「フレンズ」が話の中心にあるので、アイドル達が勝負どころで身に纏うドレスも当然ながらソロドレスではなく、(従来で言う)ユニットドレスとなる。そしてその頂点が LMT の持つ「ダイヤモンドドレス」となるわけなんだな、と勝手に世界観に納得。
ちなみに最終戦となる(であろう)ダイヤモンドフレンズカップでは、「BFR ドレス」で「フレンズアピール」を決めるのがほぼ前提となってるようなので、こちらも乗り越えるハードルとして存在する。

新結成されたフレンズの中でもダントツの人気を誇る HC。PP もそこそこだが、HC と比べると現状それなりの差がありそう。ってなことでプロデュースの段階を一つ上げて、フレンズドレス制作に移る。この 2 人の場合、舞花ちゃんにモデル属性があったのでてっきり彼女がデザインするかと思いきや、エマちゃんが担当する模様。千春さん曰く「センスが良くて着こなしが上手。発想もオリジナリティに溢れている」と太鼓判。まぁポップ系てそういう才能に溢れた感じ似合うよね。
スタイリスト兼デザイナーの千春さんと、"デザインでは先輩" のみおちゃんのレッスンを受けて、いざデザインに挑むエマちゃん。素直に人を頼れたり、デジタルよりアナログ派だったりするところはエマちゃんらしい。色鉛筆を手にスケブに向かってデザイン量産するのを観て、思わぬ才能の発掘に目を輝かせる千春さんとみおちゃん。

んで、いざ舞花ちゃんへのお披露目。ここからが話しの本題で、エマちゃんは自分に似合う「見てるだけで元気になりそうな」ポップテイストのドレスをデザインしてしまう。そんでやり直しの 2 回目。今度は「着たら熱くなりそうな」舞花ちゃんにピッタリのドレス。それでどうにか合わせようとするが、そもそも結成時にあれだけ正反対だったことを確認した 2 人である。当然ピアスの形もシューズについても全くあわない。本題には関係ないが、ここでアワアワしてる千春さんがかわいい。たまきさんと違ってこういうの慣れてなさそうだし、そもそもめちゃくちゃ優しいタイプの人だろうしな。
デザインと並行して行ってるフレンズアピールの練習も、デザイン同様に展開していくのが面白い。最初の練習ではポーズがあわなかっただけだったが、次の練習シーンでは頭をぶつけたり、高さを競い合ったりと、デザイン同様に迷走してる感じ。

ユニットドレスにまつわる課題ってのもシリーズではある程度描かれてきた課題で、解決策はユニットごとに違っていて多岐に及んでいる。今回のケースに近い所だと『アイカツ!』のバニラチリペッパーだろうか。

アイカツ! 149 話 バニラチリペッパー

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彼女らの場合は色気(と熱さ)・かっこよさ・かわいさの 3 つの要素について、それこそ今回の様に偏って合わせてみたりしていた。しかし最終的には、統一された一つのデザインに 3 つの色をそれぞれ載せていた。そうすることでメンバーそれぞれの個性とユニットの統一感の両立をなし得たのである。

まぁ当然ながら HC の 2 人はそんな事を知らないので、道に迷ってしまう。ただそれでも、舞花ちゃんはエマちゃんを信じるとを決めていた。滝行やナンカヒラメキソウといった試そうとしたものを全部やめて、「私の信じるエマを信じる」ことに決めていた。「違うことがイイ」から生まれた HC。そこから「エマらしさ」を捨てたら、「エマとフレンズを組む意味」がなくなるのはその通りだ。

「エマを信じて、私にできることをする」と言った舞花ちゃんは熱さ迸る『Girls be ambitious !』を歌った。そんなステージをこっそり見てたエマちゃんはあいねちゃんと遭遇して、その心境を吐露する。「舞花のことが大好き」「熱くて燃えてる所をなくして欲しくない」ってもう完全に恋してる女の子だ。そして「きっと舞花も同じこと考えてると思うんだ」と舞花ちゃんより一歩進んだ所まで思いを巡らすのは、彼女が目配り気配りの効くお姉さんだからだろうか。

この HC の 2 人と PP が顔を合わせる所は、あいね・みおの対比の描写になってるのも面白い。「ドレスの大変さ」を語ってエマちゃんへの理解を促すみおちゃんは、勿論それ自体は正論で正しいことなんだけど、エマちゃんの心にぐいっと踏み込んだあいねちゃんとは大分違う。でも最終的にどちらも本音を言えてるのがいい。みおちゃんの「今回ばかりは無理」と、あいねちゃんの「きっと大丈夫」も、2 人らしいなぁ。

14 話 Honey Cat(2)

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そして夕方・河原・船というエモロマンスが同居するシチュエーションに。そこで自分の熱い思いを、「アイドルもラクロスもデザインも」「エマなら出来る」という言葉を熱くぶつける舞花ちゃん。理由や理屈があるわけじゃない、「私はそう信じてる」とただただ自分の思いをぶつける。その思いはエマちゃんに通じて、「舞花に舞花らしくいて欲しい」「私も私らしくありたい」という二律背反に見える難題を、「セクシーとポップのどちらかを選べないならどっちも盛る」というパワープレーで解決してみせた。ともすれば、ごちゃごちゃでへんてこなドレスになりかねないのにそれをまとめきれたのは、千春さんとみおちゃんが感嘆した才能が為せる技だろう。2 つのドレスデザインを鋏でちょん切って組み合わせたのも、ポップ系らしい力技だし、アナログでやった意味も出てきてよかった。
個人的には舞花ちゃんが「私が信じるエマを信じろ」という天元突破ロジックを展開したのがとても好きだ。思いが伝わる根拠や論理は特に説明されてない。ただ、熱い想いをストレートに伝えるのは舞花ちゃんの強みだし、それをあのシチュエーションのエモ力(ちから)が後押ししてくれる。だから伝わるのだ、という描写。

14 話 個×個(1)
14 話 個×個(2)
14 話 個×個(3)
14 話 個×個(4)
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フレンズ曲の『個×個』も "強い"。表記がこれで読みが「きみかけるわたし」って。歌詞の「ひとりより映えるのは お互い様ね」というのはまさしく Honey Cat の歌って感じだ。振り付けも面白くて、手や足を合わせる(ぶつける)ことでエフェクトが飛び出す感じになってて、LMT や PP にあった 2 人でハートなどのマークを作ることはしない。確かに今までのを踏まえると彼女らにああいう振り付けは合わないだろうなぁ。

この圧倒的な「個性のぶつかり合い」を PP の 2 人も目にすることが出来た。フレンズ道は斯くも深い、と言わんばかりだが、はてさて今回を踏まえて PP の 2 人が行く末は如何に。

最後のエマちゃんスリスリ可愛すぎか。