アイカツフレンズ! 7 話『ミライへ続く道★』感想

7 話 明日香ミライ

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

アイカツフレンズ! 7 話。

今や売れっ子アイドルになるためには必須、お芝居で演技でドラマのお話。
それと同時に、『フレンズ!』界の空に輝く流星・その片割れであり、ジョーカーである明日香ミライさんが本格参戦するお話。
今までも LMT 描写はあったものの、大体「すげーっ」てな具合で、具体的にキャラを描くことはなかった。のでここいらで一つ見せつけておく必要があるのである。
「凄いことを凄い」と描くためには「凄くないこと」を描いた方が何かとスムーズに進むもん。なのでそこは我らがルーキー友希あいねちゃんの出番。更にみおちゃんにも出てきてもらって 2 人の中間点を描いたりと、結構工夫されたキャラ配置が見られる。

駆け出しルーキーあいねちゃんのもとに、ミライさんが主演を務める人気ドラマ「アイドルは魔女」へのゲスト出演のオファーが届くところから話が始まる。MC オーディションの時ドアの隙間から覗いていたのが伏線となってるわけだ。何気ない所だけど、こういう頑張ったことへの明確なご褒美があるのは、観ていていい気分になる。しかしあのチラ見だけで、ド新人ルーキーに白羽の矢を立てる辺り、みおちゃんみたいな直感も有してる感じなのか(イメージにはあうけど)

7 話 みおちゃん演技指導

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ぶっちゃけ素人にとっては、演技って歌やダンス以上に厳しいと思うんですよね。なのでその辺りはやっぱりみおちゃんがフォロー。本当に頼りになるな……。途中、舞花ちゃん・エマちゃんも合流してアドバイスをくれるんだけど、それが三者三様なのが面白い。アクションを経験したエマちゃんは体力の大切さを、ミュージカルをやったことのある舞花ちゃんは表現力について力説する。そんな中でみおちゃんのアドバイスが「まずはセリフを完璧に」なのがいいなぁ。そら何をやるにしたってセリフを覚えてなきゃ始まらないもんな。
一方で、出張のたまきさんの代わりに「たまたまオフ」のみおちゃんが同行するってのも面白い。まーたあいねスキーかよ、と思いきやどうやらミライさんへの会いたさもある模様。流石は限界 LMT オタク……。

7 話 あいねとみお(1)
7 話 あいねとみお(2)
7 話 あいねとみお(3)
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みおちゃんは現場でも色々サポートしてくれる。オフなのにいい子だなぁ。
でもいざ撮影が始まるとあいねちゃんは緊張で NG 連発。最終的にはセリフが全部飛んだり。やっぱ歌とかダンスとかレポートとかに比べると、ハードルは凄い高いと思う。
んで一旦休憩に入るわけだけど、この事態に対して
みおちゃん……自分が相手になって練習をしようと提案
ミライさん……あいねを連れて街中に飛び出す
っていう比較がまた面白い。ド緊張で噛んだり飛ばしたりしてるあいねちゃんに対して、まず練習をやって思い出させるっていうみおちゃんの解決策は正しいものだと思う。んで恐らく緊張をほぐす為の考えも色々持ってただろう(差し入れのお菓子とかで)。でもミライさんはまず「あいねちゃんを借りて」、外に連れ出した。この辺の直感力とか行動力とかが優れているのは、由緒正しきポップ強キャラって感じ。

そして今回明らかになる、ミライさんの「チガカワ」概念。
普通とはひと味もふた味も違う。チガっててカワいい。

7 話 チーズ in チョコケーキ
7 話 ミライさん変顔
7 話 水上バスからの景色
7 話『Milky Joker』
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そんな彼女の好む「チガカワ」が具体的に描写されていく。それはチョコの中にチーズを挟んだスイーツだったり、画像投稿系 SNS「トモスタ」に変顔をアップしたり、いつも見ている街の景色とは違う景色を水上バスの上から見たり。そしてその極めつけが、自身がミューズを務める『Milky Joker』というブランド。斬新で、個性的で、でもオシャレなブランドは、まさしく彼女を「高める大切なもの」で、彼女の側で「一番の味方」になってくれる存在だ。この自分の側にある「一番の味方」という表現に、「友達ってことですね!」って返すのは、友希あいねが友希あいねである所以。「ドレスも友達」って表現は確かに彼女独自のものだと思うし、それがミライさんにウケるのも当然だ。
このデートに対してはあいねちゃんも「励ましてくれたんですよね?」と勘付くんだけど、ミライさんはそこをはぐらかす。まぁ今にして思えば、撮影スケジュールをズラすよう進言したのもミライさんなんだろうなぁ、とか思ったりする(スタイリスト兼任で大分影響力持ってるっぽいし)。鶴の一声的なものは無理だとしても、最低でも話合いには参加してそうだしな。そして何より、道化ってのは演じて楽しませるものだ。

物語のクライマックスは、そんな彼女のステージだ。
パステルカラーの中にビビットな差し色、かわいいだけじゃない『チガカワ』なドレス」
ってのは、これ以上なく「明日香ミライ」を体現するドレスだし、

「わたしは異色 わたしだけでいい
 それもとても大事なアイデンティティ

ってのは、「明日香ミライ」しか歌えない、「明日香ミライ」の為の歌だ。

7 話『アイデンティティ』

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赤色メロン / パープルれもん / ピンクなうどん / ガイコツリボン / 目玉のコロン
を "セ・ボン!"といいのけちゃうのも、実に彼女らしい。
描写からドレスから歌から、何から何まで徹底的に「チガカワ」が描かれた明日香ミライ。最強の "差し色" であり、LMT の "ジョーカー" でもある彼女の初メイン回としては最高の回だったんじゃないだろうか。
次回はそんな "差し色" を指される側の天使・カレンさんのお話、かと思ったけどそうじゃなくて、どうやらみおちゃんのメイン回。シリーズでいえばたい焼きを始め、ポップコーンやらクレープやら色んな話があったけど、どうなるか。
湊みおの高い "プロ意識" がどのように描かれるのか。