アイカツフレンズ! 9 話『勇気のメロディ♪』感想

9 話 あいねとPRドレス

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

アイカツフレンズ! 9 話の感想。

3 話のみおちゃんに続いて今度はあいねちゃんの PR ドレス回。
とは言うものの今回は「ドレス」や「デザイン」に思いを膨らませるのではなく、PR ドレスはあくまで材料の一つに、あいねちゃんの成長を正面から描いたような回。
ココちゃんの言葉を借りるなら「すごーいアイドル」になるための一歩を描いた感じか。

話の展開としては、まずみおちゃんとの会話で PR ドレスについて思いを馳せて、舞花ちゃん・エマちゃんを加えて相談。そこからイベントを企画することになり、大人ズ相手にプレゼン。それが見事通って、いざイベントへという感じ。連想ゲームというか玉突き的というか、トントンといいテンポで展開していく。

9 話 あいねちゃんとみお達
9 話 あいねちゃんと大人ズ
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その間の描写も中々よくて、周りの人達の助けを得ながらあいねちゃん自身が色々動いていくっていうのは、シリーズでずっと描かれてきた「セルフプロデュース」。あいねちゃんはいちご・ゆめの様な馬力のあるエンジンを積んでるわけじゃないが、そこはみおちゃんや舞花ちゃんやエマちゃんやたまきさん達が適度にフォローしてくれる。まさしくトモダチカラ。会話シーンのエマちゃん何かは本当にいいポジションにおる。

9 話 あいねちゃんとたまきさん
9 話 あいねちゃんと千春さん
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たまきさんもイベント企画をあいねちゃんに丸投げするわけじゃなく、1 日目だけとりあえず任せてみるってのは、現実感を出しつつ信頼関係も見える描写で好き。後はあいねちゃんが準備してる姿を見て千春さんが何かしら動き出すんだけど、この辺の『アイドルとデザイナー』の関係はやっぱり何度観てもいい。

凄いアイドルになる→アイドルの仕事を理解する→ファンに喜んで貰うことが大事→あいねは現状 TV や雑誌での露出が少ない(新人だから仕方ない)→直接ファンと会ってもっと自分のことを知ってもらう→
ということで今回あいねちゃんが企画したのはファンミーティング。

9 話 あいね幼少期
9 話 ファンミーティング(1)
9 話 ファンミーティング(2)
9 話 ファンミーティング(3)
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「みんな友達」「友達 100 万人」を掲げるこのイベントは、まさしく「友希あいね」を知ってもらう為のイベントで、幼少期の写真や Sugar Melody のドレス何かを展示してある。更にはプロフィールやサイン等を書いた「アイドルカード」なるものを作成して配布してたり、イス取りゲームや一緒にダンスをしたり等、「友達」との交流を大切にしてきたあいねちゃんらしさが随所に溢れている。アイドルカードも友達アルバムから発想を得ている等、あいねちゃんの経験等に立脚した、「友希あいね」だからこそのイベントとして描かれてるのは説得力あるなぁ。
ただし成長ドラマには試練が必要になるのは古今東西のお決まり毎で、今回は降雨。1 日目のファンミはそれで中止になってしまったが、そこで「スマホの落とし物を雨の中持ち主に届ける」というミッションを成し遂げたことで、風を引いて(?)喉をやってしまうと。まぁ雨自体は不運ではあるが、こういうトラブルもあいねちゃんぽいなぁ。

9 話 舞花とエマ
9 話 ひまちちゃんといろはちゃん
9 話 みお山の中
9 話 天乃川商店街
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ここからの描写が中々骨太だった。みおちゃんを筆頭に、舞花ちゃん・エマちゃん・千春さん・普通科の友達・商店街の人達・その他のファンと色々な人たちがサポートや応援をしてくれる。この辺はあいねちゃんのトモダチカラ(或いは人望)がなし得ることなんだろうけど、一方でたまきさんは「自己管理が出来ないのはアイドル失格」と言い放つ。厳しい、けどこれも大人の・マネージャーの役割だから仕方ない。そしてこの一言のお蔭で、あいねちゃんはただ「友達」の好意を甘々と受け入れるだけじゃなく、それが当然のものではなくてありがたいものだと再確認する。同時に湊みおの持つ "プロ意識" の高さに少し近づく。

9話 たまきさん(1)
9話 たまきさん(2)
9話 たまきさん(3)
9話 たまきさん(4)
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しかしまぁ、この回はなんと言ってもたまきさんがいいキャラしていたなぁと。大人として、アイドルのマネージャーとして厳しいことを言わないといけない立場で。それでいて最後は暖かい言葉で送り出してあげて。そして最後に「そろそろフレンズを組むことを考えてもいい」と言ってあげて。主人公たちが中学生なので、大人が「大人」の役割を果たせられるかって本当に物語の重要な点だと思うんだけど、今回のたまきさんは厳しい面と暖かい面とどちらも見せてくれて、それも正しい(と私は思う)言葉をあいねちゃんにかけてあげていて、あいねちゃんの成長物語としてはより色濃く奥行きのあるものになったと思う。
本当に終盤のこの辺のセリフ、

「今まで友達をずっと大切にしてきたあいねだから、きっとみんなが助けてくれたんでしょうね」
「でも、ファンに甘えるのは今回だけにしなさい」
「さぁ、今度はあなたが恩返しする番」
「最高のドレスで精一杯の気持ちをこめて歌いなさい」
「アイドルはそうやってみんなに感謝の気持ちを届けるのよ」

が大好きで、これを言ったのがたまきさんでよかったな、と思いました。

9 話 あいね絶叫
9 話 図鑑で調べるみお
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あと事の解決がみおちゃんによってなされて、しかもそれが「メチャウマイダケ」というなんともいえん展開で持って行ったのは、話の面白おかしさを担保したままの展開でよかった。それも今までのストーリーを受けた上で、家で図鑑で調べるという "湊みおらしさ" を活かした解決策だったしね。