アイカツフレンズ! 40 話『Believe it』感想(その 2)

40 話 Reflect Moon

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

色々考えたり、他の人の感想や考察を読んで、自分なりに整理できたと思うので。
といっても前回と内容被る所多々あると思いますが。 hm-htn.hatenablog.com

 

話の構造はシンプルで、RM と LMT のステージに対する姿勢や思いなんかを比較して、お互いに Reflect して描いていくお話。
RM はステージ前に尺が多く割かれて、LMT は主にステージ後。
ステージ前はどちらのフレンズも「呼吸」や「リズム」がズレてしまい、それを「同じ」に整える描写。
RM が一日かけて追いかけっこをした結果たどり着けた場所に、
LMT は楽屋からステージに向かう途中という僅かな時間の中で成し遂げる。
「勝つことが信じられない」RM と、「勝ちたいという気持ちを抑える」LMT。
LMT は「ステージにあるのは勝ち負けだけじゃない」と知ってるが、
RM は「ステージ上に勝ち負けがあること」を知った。

それぞれのフレンズの中でも様々な対比。
かぐやちゃんは「姉の実力は信じてるけど、自分の実力を信じられない」。
さくやちゃんは「妹の実力が自分に劣ってないことを知ってるけど、占い(=自分達の勝利)を信じられない」。
LMT の 2 人は言わずもがなで、
勝利至上主義に回帰しそうなカレンさんと、愛を与えながら魂を燃やすミライさん。

40 話 さくやちゃんの背中

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

かぐやちゃんがさくやちゃんの「見慣れた背中」を追いかけるところは、常に敗者であった惨めさが滲み出る。それは勝負の持つ厳しさであり、残酷さであり、尊さの根源でもある。でも、そこにはファンの声援があった。彼ら / 彼女らは追いかけっこのことなんか知らないかもしれない。ただ単に会場に向けて走ってるだけと思ってるかもしれない。でも彼ら / 彼女らは RM のことを、『アイドル 白百合かぐや』のことを知っていて、声をくれる。それはまさしく自分がやってきたことの成果であり、自分の実力を担保してくれるものなのだ。そしてそんな彼ら / 彼女らの声が自分の背中を押してくれる、いつも追いかけていた姉の元まで。アイドルとファンの関係性を、変化球で描いた先週とは違い、ど真ん中ストレートで描写していた。

40 話 白百合姉妹

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO


そしてその時、確かに白百合かぐやは白百合さくやに並んだ。
勝負事の残酷な面に関して、『アイカツ!』では出来るだけそこから雑味をなくし、でも苦い中心部は残しながら、丁寧にすくい上げてその本質を視聴者に味わわせていた。一方の『スターズ!』はその惨めで苦い泥の中にカメラを突っ込み、そこに咲く蓮の美しさを追いかける作風だった。それを考えると今回のは、その中間ながら『アイカツ!』寄りの描き方だったかな、と個人的には感じた。

40 話 さくやちゃん

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

でも偉大なる姉、さくやちゃんはそこから更に一歩踏み出す。「次は負けません」「悔しいよ」という言葉はまさしくその証明、勝負の世界に足を踏み入れたという証だ。でもそんな段階で「一年前の LMT と同等以上」のステージングが出来るっていうんだから、やはり「末恐ろしい」のだろう。
とはいえ勝ったのは LMT だ。勝ち負け以外の価値観を手にした上で勝負に臨んだのだから、彼女らが RM に大差で勝ったのは当然かもしれない。カレンさんが「負け」を知ったのが 4 年前ということは、彼女とさくやちゃんにそれだけの差があることを意味する。LMT が LMT である理由の一端が明らかになった感じだ。

40 話 かぐやちゃん

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

私はこの話で、かぐやちゃんの現在地が『大空あかり』的だと感じた。自分を信じられるようになった彼女は、漸く勝負の世界のスタートラインに立てたのだ。そして今回負けを知って一歩踏み出したさくやちゃん。その延長線上、ではなく別の価値観・別のベクトルを持って、文字通り遥か斜め上の方向に位置するカレンさん。となるとやっぱり気になるのがジョーカー・明日香ミライだよなぁ。

40 話 Love Me Tear

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

圧倒的な実力で勝利に邁進する化け物を、「小さな花から子供 母親 青空に至るまで愛しさで溢れている」と歌う天使に変えたジョーカー。「わたしは異色 わたしだけでいい」と歌う道化。金髪でキュートでハートでピンクなカレンさんに "魂が燃える赤" を "差し色" したミライさん。人を楽しませるのもピエロの大事な役割だよなぁとか、自分も楽しむ・観客も楽しませるはアイカツ!の基本だよなぁとか、色々考えてしまう。
カレンさんが元いた場所って、そのまま進むと行き着く先は『エルザ フォルテ』なんだよな。或いは『夏樹みくる / 星宮いちごに出会えなかった神崎美月』か。こういう補助線を引いてあげると、なるほどジョーカーの正体も薄らぼんやりと見えてきた気がする。或いはそこに『湊みおの "差し色" になった友希あいね』何かを被せたり。そういう所を解きほぐしていくのが来週のエピソードということになるんでしょうか。

 

とりあえず、こういう形にまとめてみました。
まとめきれたかはともかく、個人的には頭の中を整理できたと思う。
本当は 1000 字くらいで収めて kirakiratter にコピペしたかったけど、まぁしゃあない。