アイカツフレンズ! 40 話『Believe it』感想(その 1)

※その 2 を書きました 。内容は多々被ってますが、整理はしたつもりです。

hm-htn.hatenablog.com

 

40 話 LMT

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

アイカツフレンズ! 40 話。

DFC 一回戦のもう片方、
月から来たお姫様が、『フレンズ!』界に愛を届ける流れ星と対峙する回。
前回が "4 人" のお話だとしたら、今回は "2 人と 2 人"、或いは "2 組" のお話。
パートナーは時に自分を照らしてくれる鏡である、というのは(『フレンズ!』のみならず)「2 人組」の作劇としては常に言われることであるけど、今回はそこに加えて、RM をもって LMT を・LMT をもって RM を照らすお話でもあったり。

全ての事の発端は、最早お馴染みとなったさくやお姉様ご自慢の百発百中の占い。
RM が LMT に勝つ、という占いの結果から「私が足を引っ張って負ける」というかぐやちゃんと、「そんなことない!」と否定するさくやちゃんが衝突。そこから姉妹の追いかけっこが始まり……、という流れ。

本編自体の構成はかなりシンプルで、
アバン:LMT
A パート:RM
B パート:LMT→RM→LMT
描写の量としては RM も LMT もほとんど同じなんだけど、RM が自分たちのステージ前描写が豊富なのに対して、LMT はステージ前の描写は少なく、ステージ後(もっと言えば帰宅途中の車内)がメインなのが面白い。基本的にステージ前の描写は説得力を作り上げていくものに対して、ステージ後の描写はその補完として使われるので(※)、ステージ前描写の少ない LMT はその少ない中に "強い絵" を持ってくる。

40 話 カレンさん

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

今まで完璧に見えた LMT に一瞬の綻びが見えた直後、ミライさんがそれを修正する。「呼吸」や「リズム」を「同じ」にするまでの話として見た場合だと、家から会場まで走りまくってようやくそこに至った RM に対して、楽屋からフィッティングルームに向かう途中でクリアした LMT ということになって、描写量に対する説得力が逆転しちゃうんだな……。エグい構成だ。
※通常の回だとそもそもステージ後は数分しか残っておらず、また次回への引きを入れた回だと更に圧迫されるのでより顕著になる。逆にそのクールの最終戦となるようなステージでは、説得力はそれまでの(一年分或いはそれ以上の)回で担保されてるので、A パートの早い段階でやって補完や余韻をふんだんに描く構成が多い。

これまでの RM(というか白百合姉妹)は、姉に妹がべったりだった状況から、妹も一人のアイドルとして戦線に立ち、そして PP や HC との交流を深めて、という感じだった。なので感情のぶつかり合いはとても新鮮。

40 話 白百合姉妹 喧嘩

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

やっぱりキャラが深い方向に変化していくのは、物語に厚みをもたせるなぁ。
変化といえば、LMT は「既に変化している状態」だったことが判明。まぁそりゃ 4 年も一緒にいれば沢山の物語があるはずだ(それこそ厚手の本で何巻も出版されるくらい)。その「変化」というのが、「勝利至上主義だったカレンさんにミライさんが勝ち負け以外の価値観を教えてくれた」というもの。結構王道ではあると思うんだけど、『フレンズ!』の文脈でとなると結構ゾゾゾっとする。「わたしは異色 わたしだけでいい」と歌うジョーカーが、脳筋勝利至上主義者を「愛の歌」を歌う天使にしたって考えるとなんていうか、強すぎる。
それでいてこの関係はどこか PP を思わせるんだよな。この物語は「湊みおが友希あいねという "差し色" を得たこと」から始まっているので。やってることや起こった変化は全然違うけど、でもどこかオーバーラップする感じもある。この辺は来週以降また触りそうだなぁ(ガッツリ描写ではなくそういう雰囲気のある描写、くらいだと思うけど)。

ともかく、こういったパートナー間の描写を中心にしつつ、それでいて RM・LMT 間で鏡像を作るっていう構図は中々エグいと思った。

本筋に関係ないところだと、RM 追いかけっこがネットで拡散した後、みおちゃんがその行き先にピンときて、更にココちゃんで裏付けしてた所がとても好き。彼女の賢さが出てるだけじゃなく、そこで『フレンズ!』特有の舞台装置を活用したっていうのが、みおちゃんとしても作品としてもスマートな印象を受けた。

 

ぶっちゃけ今回の感想はいつもにもましてまとめきれてない感じがします。
特に LMT の所なんかは考えればもっと色々出てくると思うんですが……。もっと上手く言語化したい……。
とりあえず来週 LMT・PP の描写があるはずなので、それが今回の LMT 描写をまとめる枠組みとなるはず。