アイカツフレンズ! 3 話『ビビっとインスピレーション』感想

アイカツフレンズ! 3 話。

主人公の 1 人、湊みおちゃんがプレミアムレア(PR)ドレスのデザインに挑むお話。 3 話にして PR の話を出すなんて早いなぁ、と思ったが主題はドレスそのものではなく、みおちゃんがあいねちゃんから受ける影響について語ったお話。

お披露目を一週間後に控えてるのにデザインをし直すところから始まる。
アイカツ!界のデザイナーは納期に対して秒単位でギリギリでも妥協しないのである。
そんなみおちゃんに対してあいねちゃんは何をするかというと、(みおちゃん発案で)みおちゃんの一日マネージャーをすることに。あいねといるとビビっとくるらしい。ていうか LMT に対してやらなかったと思ったらこっちに使ってきたか、一日マネージャー。

3 話 あいねとスタッフパス
3 話 あいねと楽屋
3 話 機材スタッフ
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

相変わらずみおちゃんが導き手となって、ステージの裏側を見せてくれる。まだまだ色んな物が新鮮に思えるあいねちゃん。こういう裏方にスポットライトを当てるのは前回同様、『アイドル』の足場となるのでとても大切。そんなあいねちゃんを導きながら、みおちゃんはデザインのアイデアを集めたり、イベントの打ち合わせをこなしたり、イベントを進めたり。この辺は流石のプロ意識の高さ、であると同時に頼もしさも感じる。
"移動中、あいねちゃんが車内で「アイカツスタイル」についてみおちゃんに聞こうと思ったら、彼女がデザインに集中してたので遠慮してココちゃんに聴いた" というシーンは、個人的に好き。あいねちゃんの友達思いな所と、ココちゃんノルマ(あるのか知らないが)をこなすのを両方やってのけたスマートな描写。
カフェでの撮影や取材中もみおちゃんのプロ意識の高さが伺える。とてもしっかりしてる子……!デザインに対しても、"フレンズ" に対しても確固たる考えを持ってたり。あと友希家の両親からの差し入れに対して、自然と食レポじみたコメントをするのも流石。そんなみおちゃんにあいねちゃんは素直に感心するけど、それでもみおちゃんは「まだ足りない」と、ハングリーさを見せる。2 人の違い、2 人の経験値の差は大きいのが面白いなぁ。「トマトバジルチーズのスペシャルサンドイッチ あいねバージョン」を「まだまだ」と言ってのけるのも、凄く端的な比喩に思える。

3 話 あいねちゃんの笑顔

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

しかしそんなあいねちゃんの笑顔を見て、みおちゃんは自身のドレスに足りないものを思いつく。「キラキラの笑顔みたいな」「元気をくれる差し色のピンク」だ。この辺の描写は今回の話の核なので、後述。
そうして出来た PR ドレスを引っさげて、いざみおちゃんのステージ。「みおちゃんのステージ」にあいねちゃんが緊張してるのも、なんだか "らしさ" を感じる。今日一日頑張ってきたみおちゃんを見てきた & 元来の超ド級友達思いだしね。

3 話 6cm 上の景色

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『6cm 上の景色』をスタイリッシュに、かわいくかっこよく歌い上げるみおちゃん。「最近見つけた 素敵オープン cafe」「シャープなインスピレーション探してる」っていう歌詞が中々に効く。「知らない未来を知りたい」から「6cm 上の景色」を「背伸び」してでも見たいっていうのは、彼女の志の高さにピッタリ寄り添ってて素敵。みおちゃんの "プロ意識の高さ" は貪欲に上を目指す熱い雰囲気を纏ってるけど、曲の方は全然そんな感じがしなくて歌詞だけ微かにオーバーラップする感じも趣深い。

3 話 感動するあいねちゃん

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そんなステージを見たあいねちゃんはぐっと心を掴まれた様子。アイドルの輝きが見ている人さえも輝かせるってのはやっぱりいいですね。

3 話 みおちゃんと差し色

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さて "差し色" について。このお話、この言葉をキーワードにして中々凝った構造をしてるんだけど、それでいてわかりやすかったりする。"差し色" は勿論直接的には「イベント中のドレスに合わせた鞄」や「PR ドレスのピンク」を指すんだけど、同時に「湊みおに対する友希あいね」も指してる。更にそれは話全体にも及んでいて、「プロ意識の高いトップアイドル湊みおがデザインに奮闘するお話」に「ルーキー友希あいね」が "差し色" として加わって来る感じか。
軽く列挙すると、
・あいねちゃんにダンスを教えてる最中にテントにぶつかり 2 人で抑える。
・滞りなく進むイベント中にあいねちゃんのアドリブからのやり取りで笑いが生まれる。
・「ステーキに黒胡椒、カレーに蜂蜜」→「スイカにお塩!」
ペンネにうっとりするみおちゃんの表情を撮影するよう促す。
などなど。

3 話 真剣みおちゃん
3 話 見惚れるみおちゃん
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今まで書いてきた通り、この話は基本的にはみおちゃんの "プロ意識の高さ"、真面目でクールでかっこいい表情を描いてるんだけど、あいねちゃんが動き回ることで「意外な表情」が覗いてくる。
だからこそ「キラキラの笑顔みたいな」「元気をくれる差し色のピンク」をみおちゃんが思いついたり、「このドレスは私一人では出来なかった」「ありがとうあいね」といったりする。描写の積み重ねとそこから生まれたものがぴったり合致している感じで、とても説得力のあるエピソードだったように思います。

3 話 みおちゃんお勉強
3 話 教科書類
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途中のみおちゃんの勉強シーン、ああいう細かい描写で世界観をスッと説明するのはスマートだと思った。太くてしっかりしたエピソード描写は勿論大切だが、こういう描写も世界の構築には必要不可欠だ。
それとあいねちゃんの妹のももねちゃんのアイドルフリークさが凄い。彼女にスポットライトが当たることはあるんだろうか(36 話時点で少しその兆しはありましたが)。