ひぐらしのなく頃に業 猫騙し編 其の弐 雑感

衝撃の大きすぎる猫騙し 其の弐。
スナック菓子感覚で味わう惨劇にゲロカス卿の気持ちも若干わかってしまう所。

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©2020竜騎士07ひぐらしのなく頃に製作委員会

とはいえ(?)各ループの最後しか描かれてないので、情報量は印象ほどではなかったり。
それでも十二分に考える材料があるのですが。
なのでウダウダ書かずに要点だけさらっといきたいと思います。
(『プラネット!』の感想も書かなきゃだし……)

 

 

 

惨劇オンパレード
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©2020竜騎士07ひぐらしのなく頃に製作委員会

取り敢えずの惨劇惨劇、その後また惨劇。
最初は叩き売りオークションやらツバメ返しやら赤坂やらでまた皆殺し風の流れだったけど。
この辺は「君を助けに来た」に繋げる演出でもあるし、同時に祟騙しで拾えなかった要素を拾ったという意味もあるのかな、と思いました。
そしてまた結果から観れば、赤坂の温泉行きを阻止したが為に惨劇が起きるという。
梨花ちゃんの積極的な行動が結果的に惨劇のトリガーになってる流れは変わらず。

鬼狩柳桜の破片があるからギリギリ精神を保ててる梨花ちゃん。
黒幕が破片に気付いてそれまで回収しちゃったら、本格的にぶっ壊れてゲロカスっちゃうんだろうか。

 

ルール X による惨劇とルール Y による惨劇

これまでもブログに何度か書いてきたことだが、旧『ひぐらし』の謎(≒鷹野の計画)を複雑怪奇足らしめてる最大の要因は、富竹鷹野梨花(入江大石)が殺された事件と、圭一レナ詩音等が起こした事件が基本的に別物であるという点だった。勿論、場合によっては梨花が詩音に殺されたり、レナに殺されたりといったパターンもあるんだけど。

んで、これを踏まえた上で、現時点で明らかになった『業』の惨劇について振り返ってみる。

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©2020竜騎士07ひぐらしのなく頃に製作委員会

以下、○騙し編・発症者・作中で明らかになっている犯行日。

竜宮レナ 6/23 「お父さんを守らなくちゃ」「圭一君を殺して私も消えれば祟りが完成」
綿 「魅音」 6/20 「御三家の責任として、村の因習を破壊する」
大石蔵人 6/19 「連続怪死事件の黒幕は古手梨花」「この痒みはお前とこの村のせい」
猫 (1) 赤坂   6/13 「人間の脳内に入り込んだ寄生虫を根絶やしに」
猫 (2) 茜       6/15 「鬼の血は途絶えなきゃいけない」「雛見沢の血を根絶やしに」
猫 (3) 公由   6/21 「このままじゃオヤシロさまの祟りに飲み込まれる」
猫 (4) 圭一   6/13 「蛆虫病の特効薬はどこにあるんだ」

気になった所をかいつまんでいきます。

 

犯行日

猫騙しに入ってから、綿流し(6/19)以降に殺されたのが公由の時のみっていう。
6/13 とか 15 とかじゃ流石に梨花ちゃんも何も出来ないのでは?と思えてしまう。まぁ赤坂の場合は温泉回避フラグを立てちゃったわけだけど。6/13 時点の圭一が「こう熱くなると部活を思い出すなぁ」というのも変な話だ(罪滅しのいわゆる "屋上の決闘" は 6/25)。この辺は脚本のミスな気もするとはいえ(祟殺し / 祟騙しでも 6/9 時点で昼夜一緒に食うくらいは仲いいし)。

追記
猫騙し其の弐冒頭(6/13)に「部活においても圭ちゃんの暴れっぷりは見事だからね」というセリフあり。
ようわからんけど、『業』だと従来より早く圭一が入部するケースも割りと多いというだけかも。

いずれにせよ、13 日や 15 日で惨劇が起こる可能性まで考慮しなきゃいけないなら、難易度はとても高い。

 

鷹野と富竹(と入江)

相変わらず印象の薄い 3 人。綿の祭具殿侵入や、祟の沙都子に関する会話くらいしか目立った描写がない。祟騙し以降は生存しているのかどうかさえわからない。『ひぐらし』推理の基本は異なるカケラを重ねて共通項を探ることだというのを踏まえると、鬼・綿時点で行方不明なら、それ以降のカケラでも行方不明止まりだと推理するのが普通だが。

メタ推理として、この 2 人(3 人)が今後全く関与しないというのは流石にないだろうというのはある。富竹(と入江)はともかく、鷹野を放置して話を進めていくとは思えない。仮にラムダ側のメイン駒じゃなくなってたとしても、『ひぐらし』の冠を付けてる以上は何らかの動きはあって然るべきだろう。ということで、そろそろ梨花ちゃまは鷹野への積極的な接触をですね……。

 

鬼騙しレナへの疑い

上では全部一括に「惨劇」として並べたが、鬼騙しレナと綿騙し「魅音」は梨花を殺したという明確な描写はされていない。とはいえ、「魅音」は梯子ガタガタや地下牢での告白の内容からいって、御三家である梨花を手に掛ける動機は十分だといえる。となると気になるのは残った鬼騙しレナだ。

鬼騙しでは、「入院してる圭一に魅音が話す」という形で、梨花の死亡が明らかになった。梨花宅に関しては描写が少なすぎるので、『うみねこ』的にいえばどんな推理だって成り立つような状況だけど……。現状の情報から逆算すると、レナが梨花を殺していた可能性が、鬼騙し放送当時に比べてやや上がったと言っていいだろう(つっても 50:50 が 55:45 になったくらいだと思うが)。

逆に "そうじゃない場合" を考えても面白い。その場合は梨花(と沙都子)を殺した人間が当然別にいるわけで、レナの発症は偶発的な物だったといえる。少なくとも上記に挙げた発症者達とは性質を異にするものだろう。元ネタの鬼隠しも旧作の中ではイレギュラーなカケラだったわけだから、鬼騙しがそうである可能性も決して低くはなさそう。

 

祟騙しの鉄平らしきもの
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©2020竜騎士07ひぐらしのなく頃に製作委員会

猫騙し其の壱でレナの証言が事実だったことが判明したわけだが、一方で北条家で起きたことはまだ何も説明されていない。圭一の幻覚・幻聴と考えたいところだが、その場合圭一が殴った / 殴られた相手が誰だったのか、という問題が残る。その後境内にやってきた大石は血まみれバットを持ってはいたものの、外傷はなく、返り血も浴びてなかった。

 

発症について

普通に考えれば発症絡みの幻覚だろうが、その場合は圭一の発症が急すぎるようにも思う。旧作祟殺しから圭一が不穏になる部分を徹底的にカットしていた事を考えても、少なくとも旧作基準での発症は考えにくい。となると圭一は発症していない or 発症に新しい基準が出来ているのどちらかだろうか。

ひぐらしのなく頃に業 祟騙し編 其の伍 雑感 - アニメ雑感記

・大石の発症 → 旧作準拠だと急過ぎる?発症に関しても新しいルール?

ひぐらしのなく頃に業 猫騙し編 其の壱 雑感 - アニメ雑感記

上の鉄平に少し関連することで、発症の仕組みについてもそろそろ疑うべきなんだろう。
今までも幾度か書いてきたことだが、旧作準拠だと急過ぎる発症が目立つ。また、魅音・茜・公由のような、雛見沢と祟りシステムの中枢に近い立場の人間が発症しているのも気になる(本来ならルール Z に関するアドバンテージを有する為に疑心暗鬼に陥りにくい下地がある)。なので発症条件が変更されてるか、H173 みたいな物が他にあるか、或いは雛見沢症候群以外の幻覚・幻聴・凶暴化をもたらす病気のようなものがあるのか。

仮にこの辺が旧作通りなら、ドラノールから「伏線がない」ってぶった斬られそうである。

 

公由の発言

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©2020竜騎士07ひぐらしのなく頃に製作委員会

色々な衝撃があった猫騙し其の弐だが、個人的に最も気になったのが公由のループだ。
以下その時のセリフの一部を引用。

「このままじゃこの村はオヤシロさまの祟りに飲み込まれちまうんだ。もう他に方法はねえんだよ」
「本当は私もこんなことはしたくないんだよ」
「もうね汚れのない梨花ちゃまを鬼隠しにして沼に沈めるしか」
「他にオヤシロさまの怒りを沈める方法はねえんだよ」

「あいつらは何もわかってねえ。何にもわかっちゃいねえ」
「このままじゃ村は沼から湧く地獄の瘴気に飲み込まれて大変なことになっちまうんだ」 

まるで、公由が梨花を沈める決意をする前に何らかの事件があったかのような言い方だ。猫騙しループの中で唯一犯行日時が遅い(6/21)ことから、他ループよりも何か色々あったんだろう、というふうに考えることは出来る。それとも自分で誰か殺しておいて(言い方的にお魎や魅音だろうか)、「このままじゃ祟りが~」なんて言ってたんだろうか。……相当頭おかしいが、発症してたらそうなってもおかしくはないか。とはいえ、何か違和感を感じる部分である。

一方でまた、他の猫騙しループ同様に、過程が全く描かれていない = どんな推理でも成り立つ状態 であることは注意しなければいけない。これがヱリカだったら「あのヱリカが何も疑わしく思わなかったなら、何もなかったんだろう」となるんだが、無能がそのまま幼女になったような梨花ちゃんだしなぁ……。

話を少し戻して、他の発症者に関しても考えてみる。そうすると、レナ・赤坂・圭一はまぁ従来通り雛見沢症候群に踊らされてる感じだが、「魅音」・大石・茜は公由と同じような趣旨に聞こえる。即ち、雛見沢とか祟りシステムとかに対する疑心暗鬼だ。この辺の人たちには、視聴者(と梨花ちゃん)には見えてなさそうなものが見えてそうな気がする。

 

その他気になったこと

・昭和 53 年の回想は誰のもの?

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©2020竜騎士07ひぐらしのなく頃に製作委員会

赤坂が雪絵さんを助けられたのなら、53 年 6/19 のあの時間にはもう赤坂は雛見沢を発っている筈である。であるなら、今回のあの回想は(まるで赤坂のものっぽく挿入されたが)梨花のものと考えるべきだろうか。まぁ祭囃し赤坂にもうっすら他世界の記憶があったので、その延長線上のものかもしれないが。

・OP の洋館 

OP の洋館はどこか
  → 候補として挙がってるのは、聖ルチーア・空の家(美代子の孤児院)・六軒島の礼拝堂 辺り。

ひぐらしのなく頃に業 鬼騙し編 雑感 - アニメ雑感記
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©2020竜騎士07ひぐらしのなく頃に製作委員会

さらっと『業』仕様の聖ルチ校舎が出てきて、OP がそれだったと確定。
旧アニメや漫画版でさらっと出てきた絵面とは違ったので可能性低いと思ってたが、普通に聖ルチだった。
礼拝堂だったらもっとワクワクしたんだけど、まぁそこはしゃあなし。

 

 

 

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©2020竜騎士07ひぐらしのなく頃に製作委員会

以上、なんら推理を進めてないけど、とりあえず思ったことだけを書き連ねた感想でした。
惨劇オンパレードは観ていて衝撃的だったけど、過程が明かされなかった分、闇が更に深まった感じ。
そろそろ鷹野方面を掘り下げて欲しい気がするが……。

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©2006竜騎士07ひぐらしのなく頃に製作委員会・創通

そういや猫殺し編は本格的に無関係っぽいですね。少し残念。
猫 = ベルンカステルだけ覚えてて、猫殺しのことは失念していたのか、それとも軽いミスリードだったのか。