アイカツフレンズ！ 58 話『王女アリシア』感想
荒れ狂う天候、凍える寒さ、襲いかかる吹雪…………。
やって来たぜ、初海外！PP は雪中でも元気にイチャコラ！
その鉄仮面ならぬ氷の仮面の下に、チョロそうな素顔を既にちら見せしてるアリシアさんとの初対面！
諸々の伏せ札が明かされて、ソルベット王国編開始！
というような、ガッツリ新展開突入な感じのアイカツフレンズ！ 58 話。
導入話に相応しく、手際よく情報が明かされていく。
特筆すべきはやはりアリシアさんの置かれた状況と、ソルベット王国の現状か。
ソルベット王国は山に囲まれた小さな国。空港から車で 5 時間てのは単に遠いのか、それともブリザードの影響で直行便がなくなってるのか(都市国家ぽいので多分前者)。アイドル文化がないってのも相まって、欧州的な田舎って感じ。あとはカレンさんのアイカツ！ NPO の対象にもなりうる国だな。
数年前までは普通の国だったが、異常気象をキッカケに寒さが厳しくなり、国民から笑顔は消えて、国王(レオ シャーロット)も体調を崩してしまう……。その結果としてアリシアさんが国王代理を務めることになり、またアイカツ！ができなくなってしまった、と。それは王族としての誇りであり、国家元首代理としての責務であり。アリシアさんは中々に重いものを背負ってることがわかった。
大自然を相手取るっていうのは 49 話の LMT を思い出すなぁ。
(まぁ流石に真正面から異常気象を止めるってことはしないだろうけど。)
まぁやっぱりこういう設定だと、どうしてもエルザ様が脳裏に浮かんじゃうわけで。母親の庇護下で好き勝手やりながらも、その実「母の愛」という "呪い" に縛られて不自由だった彼女とはまた違う、"国体" に縛られた不自由。不幸に思えてしまうのは、エルザ様ばりの能力・ポテンシャル・器用さがあればどうにかしちゃうんじゃないか、とか。或いはエルザと違い、孤独じゃないからこそ孤独になることを選ばざるを得なかった、とか。まぁ今回明らかになったのは「事情」でしかなく、そこにこもるアリシアさんの "思い" にはまだ踏み込まれてないので、全てはそこに集約されるか。
アリシアさんのチョロそうな本性はちょいちょい漏れてるが、しかし表を覆う氷は中々に厚く冷たそうで。
ひびきさんと対峙した時に肩越しであっても玉座でその姿が覆われたり、正対のショットが多用されたりと中々同じ画角に収まらず、その拒絶感が強く演出されてた。立ち去り際に PP と一緒に写ったのも、結構エグいショットに思える。現時点では PP よりもひびきさんのほうが距離が遠い。
キーパーソンになりそうなのは(ひびき PP は当然として)やっぱりシャルルくんなんだろうか。現時点で有能感は溢れてるんだけど、一方でやっぱりできないことってのはあるんだろう。そんな状況でも自分にできること(今回だとひびき達の入国誘導・ステージ作りの手伝い)を精一杯やる感じが伝わってくる。
(初手は入国拒否だとして)二手目の "面と向かって拒絶" で打ちのめされたひびきさんが、正しく落ち込み、アリシア / ソルベット王国の現状を鑑みて自身の行いを反省するのが好き。やっぱり基本人間ができてるなぁ。そんな失意の最中でも、PP へのアドバイスはキチッと的確にこなしてくれるのが最高に嬉しい。
"弱い部分を持つ強キャラ" ムーブがガンガン刺さるなぁ。それはつまり成長の余地でもあるわけで、アイビリーブ再始動時の為の "タメ" としてもガッツリ機能するんだろうな。アドバイスの内容が、スペカツと舞台演出(= アーティスト要素)という、ひびきさん個人の強みに則ったモノなのも説得力があってよかった。
他に目につく部分といえば、やはり PP のいちゃつきっぷりだろう。(みおちゃん個人では経験あるかもしれないが)フレンズとしての初海外、そして山のように積もる雪を前に、これでもかとはしゃいでる姿がくっそかわいい。それ以外にも暖炉の前や食事中、ランニング中等々、いつにも増して 2 人でキャッキャする姿が描かれてた感じだ。今回はソルベット編の導入で、ひびきさんがガッツリ落ち込んでるところを見ても、また "PP からトモダチカラを学び、アリシアとよりを戻す" というのが主軸であることを考えても、ある程度意図したものなんだろうなと思う。絶賛凍結中のアイビリーブとの差も、中々に残酷な響きを生んでるし。
また単にキャッキャさせるだけじゃなく、ソルベット王国の紹介描写も兼ねてる点もスマート。積雪、暖炉、食事、街並み、文化 etc... 設定を描写レベルで視聴者に食わす手法として、かなり効果的な感じ。
上述の通り、根本の原因が異常気象にあるのが中々に手強いところ。OP でいい天気になる未来が示唆されてるので、現実的にはどこかで妥協点を探り、奇跡が起こる感じだろうか(現実的な奇跡とは)。まぁ神城マネー投入というウルトラ C もあるけど、流石にそれはないだろう。とはいえ次回は LMT も参戦の模様。
PP と LMT がいればどうにかなるやろ感が強いが果たして。
