アイカツフレンズ! 55 話『シャッフル!?フレンズ!』感想

できるだけ早めに更新したいとか書いておきながら既に最新話が放送されてしまってますが。
一度リズムを崩すと中々元に戻しにくいですね……。頑張らないと。

55 話 HC RM 石

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

というわけで『フレンズ!』55 話は、"シャッフル" するお話。これまた『フレンズ!』特有のトピックであり、また 1 年目から「いずれあるのではないか」とある程度予想されていたお話。
それだけにどう扱うかってのが気になったわけだけど、予想を反する(?)ドトンチキ全振りみたいなお話に。
ひびきさんも JLR もほとんど関係ないぜ!!!

95 話 いちご セイラ 交換留学
55 話 ゆめ ローラ 真昼 編入
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

『フレンズ!』特有のトピックと書いたが、ユニット間シャッフルではなく "入れ替わり" ということなら過去作にも前例があったり。わかりやすいのは『アイカツ!』95 話の SL・DA 間で行われたいちごとセイラの交換留学とか、あるいは『星のツバサ』のゆめ達の VA 一時編入とか。95 話の場合は、お互いの良さを認識するのと同時に元の環境の良さも改めて実感し直す、というオーソドックスなお話。更にそこに DA 誕生秘話とティアラ学園長のセイラに対する思いを載せて、DA に肉付けをしたというお話でもあったり。『星ツバ』の場合はお互いの良さを……というよりはエルザや VA の凄さを強調する為の展開だったか。
とまぁ、一年間の流れの中ではそれなりの役割を持っていたわけだけど、じゃあ今回の話がなんだったのかっていうと、ぶっちゃけわからない。この手のトピックはぶっちゃけ「元鞘に戻る」というのがメタで読めてしまい、そういう部分(フレンズの絆の再確認)がメインなのかな?と思ってしまうんだけど、描写量的にはそんな感じはしないんだよな。あくまで尺を割いてるのはシャッフル中のことが中心であって、元鞘描写はギュッと圧縮されてる。個人的にはこういう構成は割と捻ってるように思えて、『フレンズ!』らしさも感じる。

55 話 ミライの先祖

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

肝心なお話の内容はというと、"明日香家の先祖が「いたずら好きの妖精」を封じた石" という物があって、それを見つけた HC・RM の 4 人が石の影響でフレンズをシャッフルすることを思いつき、それぞれが好評を得るんだけど何か違う……というような流れ。

33 話 PP カレン島
47 話 ココちゃん
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

『フレンズ!』のリアリティライン(= 作中世界において現実と許容される範囲)は『スターズ!』より高めで、『アイカツ!』よりちょい低めくらいだと思ってるんだけど、最大値(トンチキ全振り力)だけは『アイカツ!』を超える傾向がある気がする(「スペカツ」の影響で平常時も『アイカツ!』よりリアリティラインが高くなった感じがするけど)。32・33 話のカレン島であったり、47 話のココちゃんの世界であったり、基本的に『アイカツ!』のような「ドラマ回」という言い訳も用意せず、ぶっ飛ばす。その流れを汲んだからなのか今回の飛ばしっぷりも相当で、謎のオカルト要素がてんこ盛りであったりする。そもそも明日香家はどんな家系なのか……。こういうぶっ飛ばし要素があるのは、(1 年目まとめ感想でも書いた通り)『フレンズ!』は基本構成がガチガチ過ぎて "遊び" を入れにくいので、その分一回一回の振り幅を大きく取ってるからだろうか。

55 話 かぐや キラキラ
55 話 エマ キラキラ
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

今回はもう一つ大きな特徴があって、それは作画や撮影が丁寧かつかなり盛られてるという点だ。特にシャッフル中のキラキラ描写は激しく、(普段からロマンスの文脈を借りる本作だと余計に)それが特別なことなんだという印象を強める。

55 話 HC RM キラキラ
55 話 舞花 遅刻
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

また、それ以外にもふとしたショットで、瞳のハイライトのグローが結構強めにかかってたり。これ自体も "普段と違う" ことを印象付けるんだけど、更に終盤の闇に飲まれる部分との対比(= 過度な明から過度な暗)にもなっている。

55 話 RM 闇
55 話 RM 光
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

この対比が上手くいっているのは、シャッフル中の丁寧な作画・撮影の仕事があればこそだ。

55 話 RM 手を繋ぐ
55 話 HC 手を繋ぐ
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

先述した通り、最重要に思われる元鞘描写は、敢えて尺を使わずにかなり圧縮して描かれている。各フレンズの手の結び方なんかは『フレンズ!』らしい "短い芝居で魅せる" 描き方だけど、こういう演出が活きるのもやっぱりそれ以外の作画がしっかりしているからだろう。

55 話 HC ダウジング
55 話 リフレクトキャット
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

丁寧な作画 というのは何も演出に関わる部分だけでなく、全体的な "キャラクターのかわいさ" というレベルに及んでいる。キャットポーズに対するかぐやちゃんの照れだったり、祠を怖がる舞花ちゃんだったり。

55 話 わかば ランニング
55 話 リフレクトハニー
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

或いは居眠り中のさくやちゃんや、ランニング後のへにょったわかばちゃん等、細かいところにもかわいい表情がたくさん観られる。こうやってお話全体のクォリティを上げてるからこそ、その上に乗っかる「非日常」系の演出が光るんだろう。

55 話 ひびき

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

今回のお話、冒頭にも書いた通り現在の『ジュエル』の中心人物であるひびきさんはほとんど関係していない。最初のみおちゃんのステージをやる舞台を提供してくれてるくらいだし、そのみおちゃんのステージでさえお話のきっかけ以上の機能をもってない(ただし "ひびきさんが日替わり公演をやってる" ということを根付かせるという意味はある)。「フレンズの絆」が大きく関わってくるのだから、ひびきさんを交えても面白かったと思うが、要素が過剰になることを避けたのかな。或いはひびきエピは紛うことなきメインストリームなので、そこを噛ますことで説教くささが増すのを恐れたのかもしれない。また、これまでの 4 話でサブに徹してきた HC・RM にフォーカスを集中させることを優先した意味もあるか。

正直な話、ギャグ要素強めの回だと視聴時は頭空っぽにして楽しめるんですが、その反動で感想を書く時はいらない分析(まがいのこと)までしちゃうんですよね。まぁその分真剣に作られてることが感じられるという、いい作用もあるんですが。
とまれ、トンチキ全開・かわいさ満点・オカルト盛り盛りという、なんとも濃味な回でした。面白かった。

55 話 HC RM

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

しっかり盾になるお姉さんズがかっこいい……!