アイカツフレンズ! 51 話『宇宙から来たアイドル』感想

本題に入る前に宣伝を。
1 年目(1-50 話)全体の感想を自分なりにまとめてみたので、よろしければどうぞ。
といっても 7000 字越えててちょっと気軽に読むには時間がかかるのですが……。 

hm-htn.hatenablog.com

というわけで。
やってきたぜ『アイカツフレンズ!』2 年目!
シリーズ名は『かがやきのジュエル』なので、略称は『ジュエル』で行きたいと思います。
どのくらい使うかはわかりませんが。
ていうか意気揚々と書き出してみたものの、まだ自分の中でこのお話をどう噛み砕くか整理できてないんですよね。シリーズの 1 話目というのはやはり重くて、ここで読み間違えると、しばらくは作品とズレることになるので(それはそれで楽しいけど)。なので自分が受け取ったものを文章にしながら、1 つずつ確認していく感じで書いていこうと思います。

51 話 ひびき 不死鳥

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

"2 人" にとことんこだわった『フレンズ!』 1 年目は、「世界」や「導く」という地点に着地したわけですが。そこにやって(降って)きたのは今回の「黒船」である不死鳥:天翔ひびきさん。なんだけど、今までの "2 年目" にやってきた黒船達(DA / VA)とは違っていて、そこまでバチバチするような温度は今の所観られない。寧ろ彼女の立場は黒船というよりは「依頼者」である。その内容が「フレンズの復帰」なわけだけど、これが(いつまでかはわからないけど)途中までの話の軸になりそうだ。

51 話 アリシア 城

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

わざわざ『天岩戸』を引用してきた辺り、詰まる所アリシアさんを "城" から引っ張り出そうってことだろう。とすると、やはり "2 人" について語っていくという 1 年目の方針を引き継いでいきそうだ。
PP とひびきさんの関係性も中々に新鮮な感じ。歴史を紐解くと、セイラといちごは対等なライバルとして描かれ、エルザとゆめは『神崎美月』とそれを追う主人公の構図であった。それを踏まえると、復縁のために仲人を依頼する立場とそれを引き受ける立場ってのは、勝負の先の価値を見つめる『フレンズ!』らしい配役かもしれない。まぁ "アイカツ!(作品名ではなく概念)" に勝負事はつきものなので、ひびきさんやアリシアさんと全く競わないというわけではないだろうが。1 話本編でも早速触れられてるように、「トモダチカラ」が活きる展開にも持っていきやすそうだ。そう考えると、星座ドレスや星のツバサのような、アイテム自体が中心に来るような話ではないんだろうか。

51 話 ひびき お願い

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

ひびきさんについてもう少し観てみる。声やビジュアルからどうしてもエルザが思い浮かぶわけだけど、中身は大分違うみたいで。(『スターズ!』世界と『フレンズ!』世界の差異もあるだろうが)基本的にはいい人っぽい。熱さが迸ってたり(珠璃ちゃんぽい)、人にお願いごとを頼めたり、"昔の女" に一途だったり、バトったり。「スペースアイカツ!」というパワーワードのせいでどうしても意識がそっちに持っていかれがちだが、「誰も見たことのないステージ」を求めているというところは見逃してはいけない点だ。その視点を持ってるからこその「アイカツ!アーティスト」であり、「スペカツ!」である。

51 話 ひびき ステージ設営

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アーティスト気質な部分は、演出や美術や照明やに至るまでステージ全体を手がける様にも表れてて、それはみおちゃんの言う通り "新しい価値観" の提示でもある。49 話で描かれた LMT の「その後」なんかと合わせて考えると、やはり『フレンズ!』は横幅が広いなぁ。とまれ、1 話時点で輪郭はかなり見えてきたキャラクターではある。その中身については、今後アリシアさんを交ぜたりしながら描かれていくのだろう。
ラブミーゾーンの直撃を食らったという経験も、LMT を話に絡ませやすそう。とはいえそこが 2 年目のお話の原点になりそうなので、重要なエピソードになる。どのように描かれるのか、注目ですね。現状ではミライ-ひびき間はスムーズだが、カレン-アリシア間は難航模様。やっぱりここでもキーパーソンはアリシアさんだ。

51 話 ミライさん

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LMT といえば、またまたミライさんが活き活きしていた。やっぱこの人は "神城カレンの器" で終わる女じゃねえぜ……!(だからこそカレンさんの器になれるという逆説)。ひびきさんを PP に差し向けて、2 年目のお話の始動を担ってたわけだ。狂言回しが似合うなぁ、さすがは "ジョーカー"。

51 話 PP HC ランニング
51 話 新入生 ランニング
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お話全体でいえば、"降ってくる" 前に「導く側」としての 4 人が描かれたのが印象的。きちんと 44 話以降の流れに沿った感じだし、何より 1 年経ったことによる成長がダイレクトに感じられる。体力の差 ≒ アイドルとしての差 という相変わらずの脳筋主義もアイカツ!らしくて面白い。

51 話 わかば 初登場

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わかばちゃんも顔見せ。「導かれる側」代表のような立ち位置の彼女のムーブにも当然ながら今後の注目ポイントだろう。大空あかりの様にがっつりメインストリームに乗ってくるのか。

51 話 RM 転校

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後はやっぱり RM の転校だろう。これ逆にいうと、『フレンズ!』では普通の学校に通ってるアイドルもいるってことか。"アイドル学校" の属性で統一せず多様性を持たすのは、そっちのほうがあいねちゃんの能力を活かしやすい世界だからだろう(これについては後述)。っていいながら、RM は統一される方に進んできたわけだけど。メタ的いえば取り回ししやすいからだろう。メインエピソードがない期間であっても、学校内で顔見せくらいには出せるので(PP 活動休止中や BeFC〜年末間の HC の様に)。お話的にいえば、それだけプロ意識が高くなったことの表れでもある。40 話の敗北、46 話の原点を思い出した彼女たちらしい歩みだ。とはいえ 3 組の中では一番環境が変わったのも事実なので、早くメインエピソードが観てみたい気もする。
これは 1 年目全体の感想に書き忘れたことなんだけど、『フレンズ!』が学校に軸足をおいてないのは意図的なことだと思っている。それは上述したのと被るのだが、世界を広く切り取った方があいねちゃんのキャラクターが活きるからだ。その点においては『アイカツ!』や『スターズ!』とは大きく異なっている。そう考えると今回の RM の転校は、四ツ星から VA への編入よりは意味合いが小さいんだろうな、と思う。

51 話 ひびき 大気圏突入(1)
51 話 ひびき ダイビング
51 話 ひびき ローラーシューズ
51 話 ひびき ボート
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お話自体に話を戻すと、のっけの大気圏突入からアクセル全開な感じだった。宇宙から落ちてきて、上空から降りてきて、ローラーシューズで滑走し、ボートをぶん回す。この暴力的な推進力もまた、ひびきさんの魅力なんだろう。

51 話 PP (1)
51 話 PP (2)
51 話 PP (3)
51 話 PP (4)
51 話 PP (5)
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

それに振り回されるかの如く、ひびきさん登場以降の PP は、ギャグ顔の様な崩した表情が多かった。

51 話 あいね
51 話 みお
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前半のキリッと後輩を導いてた頼もしさとのギャップが可愛らしい。

51 話 ひびき ミライ バトル

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またそのひびきさんの推進力は、それに真っ向からぶつかり合うミライさんのパワーも、鏡越しに描いている。振り回される PP と対等にバトるミライさんの対比、ってのは現時点では言い過ぎだろうか? LMT との過去が描かれれば、またこの辺りのシーンの "味" が変わってきそうですね。

51 話 ひびき ステージ(1)
51 話 ひびき ステージ(2)
51 話 ひびき ステージ(3)
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

ひびきさんの推進力は、ステージ上でも爆発する。メラメラ燃え盛る炎は、みおちゃんが(ビビっと)感じ取った不死鳥的なものだろうか。フィッティングにまで炎で、とことん熱い。現状では明確な『ジュエル』の『神崎美月』とはいえないし、ジュエリングドレス(JLR)もまだ謎に包まれてる状況であるが、それでも新シリーズの幕開けに相応しい豪華さだろう(「アイカツ!新時代の夜明けよ」)。他のアイドル / ブランドではどうなるかってのも気になるし、そう思わせるだけのパワーがあった。あとフレンズだとどうなるんだろう(筐体未プレイ)。キラキラゴージャスなステージは、単純だけどやっぱ強い魅力がある。

51 話 ひびき 大気圏突入(2)

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

ってなわけで、とりあえず思いついたことを片っ端から書きなぐった、51 話感想でした(当然推敲は出来る範囲でしてますが)。なかなかどうして従来の "2 年目" とは違った切り口で、先が気になる話でした。記念すべき幕開けを新キャラの推進力でガンガン飛ばしていく構造だけど、43 話以降のゆったりした流れが一気に吹き飛んだ気がして、「新しいお話が始まったんだな」ということを強く感じられる。

51 話 次回予告 PP スペースアイカツ!
51 話 次回予告 アリシア
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

とはいえ "2 人" の話に立ち向かう『フレンズ!』、片方だけでは片手落ちである。なので次回はその相方アリシア シャーロットさんのお話……なはずだけど、「スペカツ!」をやってるー!?一応アリシアさんも出てくるみたいですが、そっちの札は一端伏せておいて、トンチキを更に加速させていくんでしょうか。とても気になります……楽しみ。

※追記 OP・ED について書いてなかったので。

OP 『ひとりじゃない!』

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新 OP『ひとりじゃない!』は、なんというか普通の "THE オープニング" といった感じの曲。今までの作品よりも他者との関係をより重視する『フレンズ!』らしい曲目かな。画像の通り、『SHINING LINE*』を思い出させるアウトラインだけのモデルによるダンスが結構好き。あと 4 人歌唱曲が来たのは望外でした。前半クール中に 4 人ステージを期待していいんだろうか?

ED 『Be star』

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新 ED『Be star』は今回のステージ曲と同じ。歌唱も同じくソロ ver ってことは、半年間はソロ ED が流れるということで、その間はひびき-アリシアの復縁話がメイン?というのは少しメタすぎる読みか。バックに流れる絵が 3DCG じゃなくなり、伝統的なデフォルメでもなく、きちんとした等身のスチルに。こういうのって episode Solo 以来だろうか?画像の通り HC がとてもかわいい。他のみんなもかわいい。羽原っちさんもちらっと写ってたのが面白かったです。