新作『アイカツプラネット!』の発表についての感想

主人公を変え、タイトルと世界観も変え、歌唱システムも変えたと思ったら、それらを一つにまとめて、
最終的に Web アニメという形に落ち着いたコンテンツが迎える、次なる変化。

果たしてその運命や如何に、ていう感じの新プロジェクト発表会でした。

 

もう発表から結構時間経って、各種サイトでも報じられているので、ネタバレ配慮とかしなくてもいいよね?
ってことで、珍しく(ていうか初めて?)アニメ感想以外の記事を書こうと思います。

 

 

 

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©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO, BNArts

界隈の片隅でやってるこんなちっぽけなブログであっても、嬉しいことに定期的に見て・読んで下さる方々がいるみたいで、今回の発表直後もアクセス数が微増していました。まぁそれだけ今回の発表のインパクトがあったんだなぁ、と思います(私も面食らいました)。

『オンパレード!』や Web アニメ発表当時は別立ての記事は書かなかったんですが、今回はあまりにも大きな転換の為、今の自分の気持ちを整理 & 残しておくことを目的として、今回の発表に対する感想を書いておきたいと思います。

 

 

 

 

大前提としてあるのは、私にとっては「面白い作品であること」が第一で、
第二に「メインターゲット層にウケること」があり、
ぶっちゃけこれらが全てで、そこにメディアの違いや手法の違いなんかは三の次以下だ。
とはいっても、今まで "アニメ作品" として当たり前のように認識してきたコンテンツが、「次からは実写(とアニメの混合)になります」と言われて衝撃を受けないほど無頓着でもない。少なからずの動揺があった。

似たような感覚だと初めて『クローン・ウォーズ』の存在を知った時に近いだろうか。
(まぁあちらはそれ以前にもアニメ作品があるんだけど)

 

 

以上が今回私が感じたことの要点です。以下はどうでもいいただの雑文。

 

 

コンテンツが死に体なのは誰が見ても明らかであり、そこで売れ線に近付く為に大鉈を振るったこと、それ自体はとても英断だと思う。『オンパレード!』が逆転ホームランにもならずただの延命措置に終わったことを考えても、今後似たような作品を重ねた所でジリ貧になるだけだし、「オタクを切り捨てるな!」というオタクは切り捨てて、諸々一新した方が都合がいい。

「『アイカツ!』の名前を使うな!」と言った所で、『アイカツ!』の名前なしで先方が食いついたかは定かではないし、そうじゃなかった場合 IP が死んでいくだけだ。「『オンパレード!』で終わるべき!」といってもそれは "オタクにとってはそうなんだろうな" というだけの話で、本来のターゲット層には何ら関係ない。

むしろこれで『オンパレード!』という作品の意義を見えてきた感じすらある。"思い出は未来のなかに" "未来向きの今" と歌ってきた『アイカツ!シリーズ』が、"オールスター" という徹底的な懐古的・過去向きの作品を出してきた理由。恐らくユニパレやオケカツ、Web アニメ等も含めて、オタクたちに向けた一つの墓標でもあったのだろう。それらの計画がコロナで全て吹き飛んでしまったのはかなりの不幸であり、それと同時に、何というかそういう "とことん持ってない" コンテンツなんだなぁ、と思ってしまったけども。

 

作品に関していうと、完全に実写作品にした方が絶対に作りやすいわけだけど、(恐らく売れ線意識で)アニメと混合にした采配がどうでるか。こういうのってまぁそれなりに繊細な作業が求められるわけだけど、それが木村クンに出来るのか!?信頼していいのか!?

仮に従来のセルアニメパートをそっくりそのまま実写パートに置き換えただけなら(即ちアニメ要素はステージだけなら)、それは紛うことなき『アイカツ!』の実写翻訳であると思う。だけど各種報道を見てる限りでは "実写 × アニメ × 3DCG" というような表現がされており、ステージ以外にもセルアニメのパートがありそう。VR ワールドみたいな所で、ステージ前後に挟まる感じになるんだろうか。なんだかとても複雑な構造になりそうで、ワクワク半分・不安半分である(そんな複雑な作品を略)。

どちらにしろ、恐らくかなり高い確率でステージパートは 3DCG になると思うんだけど、そうなるとリアルでダンスを練習しても踊るのは 3D モデルになるわけで……なんというかキャストが結構かわいそうではある。リアルパフォーマンスが観たければ現場に来いということなんだろうけど、どうせなら本編内でゴリゴリの実写 MV とか流しても面白かったのでは、とか思ってしまう(いくら何でも大胆すぎる)。

実写になることで一番不安なのは、(超個人的なことだけど)ちゃんとキャラの名前を覚えられるかどうか、という点だ。ぶっちゃけアニメでさえ名前を記憶するのは苦手なので(『スターズ!』も 1 話から名前出されすぎて頭が追いつかなかった)、況や実写になったら という感じだ。まぁこの辺は "アバター" をフックにしつつ、なんとか覚えていきたいと思います(放送開始までかなり時間あるし)。

 

これは我ながら皮算用すぎるという自覚がある話なんだけど、『アイカツ!シリーズ』の悪しき伝統として、一年目が良くても二年目にずっこける というのがあるので、いい感じに一年を走り終えても完全に安心しきれないという辛さがある。まぁ繰り返すように、皮算用以外のなにものでもないんだけど。主演の伊達花彩さんは本業のアイドルを休業してる状態らしいので、例え売れたとしても、従来のアニメシリーズの様に二年サイクルにはせず、一年サイクルで回していきそうな気はする。

とはいえ個人的な "面白さ" のハードルでいえば『ジュエル』と『オンパレード!』で結構下がっているので、そこそこの作品がくれば視聴ラインは楽にクリアしてくれそうではある。問題はやはり売上の方で、現状から少しマシになった程度では延命されない気がするんだけど、その辺がどうなるか。爆死の場合は当然跡形もなくなるだろうが、現状維持くらいなら『プラネット!』の屍を糧にして、実写 × アニメの(面白くて売れる)新しい IP が生まれて欲しい。

勿論理想は爆売れすることである。その場合は(『プラネット!』継続にしろ新タイトルになるにしろ)この路線は続くことになると思うので今後新作アニメは観られないことになるだろうけど、同じ "観られない" という状況であっても、爆死して IP ごと消えるよりは遥かにマシである。

 

作品の設定を読んで少し思ったのは、『フレンズ!』に於ける "フレンズ" のように、"アイドル" という独自概念があるっぽい世界なのかな、と。その根底に流れるモノは同じであると思うが、「ドレシア」とか「バトルステージ」とかその辺の専門用語が用意されてる所からして、リアリティライン(作中で現実として許容される範囲)はそれなりに高そう。実写が混ざるのにリアリティラインを上げるのはどうなんだという感じもするが、そこを緩和(或いは中和)するための "アバター" や "アイカツプラネット!(作中用語)" なのだろう。

まぁ結局この辺も放送を観てみないとわからないところである。

 

 

本当にどうでもいいこととして、実写を担当するのが東北新社っていうのが面白い。詳しい説明は Wikipedia に譲るとして、ざっくりいうと東北新社サンライズの嘗ての親会社なのだ。それが紆余曲折、ゴタゴタとか和解とか色々経て、サンライズの子会社(BNP)と一緒に作品をするようになったわけだ。

 

 

つーこって、今回の発表で色々思ったこと・感じたこと・考えたことを書いてみました。
こんなに画像の少ない記事はかなり久々かもしれない。

まぁ、何だかんだで楽しみではあります。放送開始が 1 月なのはちょっと残念だけど。
その間は『アイカツ!』的に新しい動きがなにもない期間が続くのかなぁ……。

『スターズ!』の振り返りとか、新しい MAD 動画の制作とかしながら過ごしていきたいと思います。