アイカツフレンズ! 52 話『かがやきの原石』感想

空から女の子が、ならぬ宇宙からアイドルが降ってきた『アイカツフレンズ!』2 年目。
その背後から伝説が後押ししてくれる放送形態になったが、さてはて歴史の最前線の物語は如何に進むのか。
これを機に『アイカツ!』の方も一話ずつ感想書いていこうかどうか少し考えたんですが、今から 3 年半このブログを続けられる確証が持てないことと、今は『フレンズ!』の感想に集中しておきたいことから、とりあえずは書かないことにしました。
途中なんか気が乗った話数だけ書くとかはするかもしれませんが。

てことで『フレンズ!』52 話にして、『ジュエル』の 2 話目。
お話の中心はみおちゃんが JLR を手にするまでの話。
それと並行してひびきさんの為人が描写されていく回。
先週書き忘れたんですけど、OP はあれですね、課題曲感が強い。
本編中でわかばちゃんが歌うといい感じの話になるだろうか?(早とちりすぎる)

冒頭、みおちゃんは PP の "色" がひびきさんの炎に塗りつぶされてしまう夢を見る。
そこからどんな色にも消せない色について思いを馳せるようになる。

52 話 みお 無重力

©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

そのための試練として用意されてるのが無重力体験っていう、トンデモ要素。トンデモのこういう使い方は『アイカツ!』『スターズ!』ではともかく、『フレンズ!』では結構珍しい気がする。

2 話 みお 差し色
8 話 みお マカロン音頭
25 話 みお ゾーン
30 話 みお アフレコ
36 話 みお 総合P
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特にみおちゃんは、ドレスのデザイン・CM のプロモ・LMT の代役・初めてのお仕事(アフレコ)・ファッションショーの総合 P と、割と王道な試練を乗り越えてきているので。『フレンズ!』らしくない感じと同時に、こういうトンチキで一発殴ってくるのは "2 年目" が始まったという印象も受ける。
無重力では「力めば力むほど空回ってしまう」というのは、PP や HC には耳が痛い言葉だ。とはいえそれは努力の否定ではなく、大切なのはそこから続く「力を入れながら自分をコントロールする」という部分。簡単にいかずとも、何度もチャレンジして徐々に空中姿勢を整えていく辺りは、まぁ実に "湊みお" らしい感じ。

52 話 RM 宇宙酔い
52 話 HC スペカツ前
52 話 HC 反動
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ここでさらっと RM のポンコツ描写や、エマちゃんの少しビビってる感じ、HC の反動つけすぎな様子を入れていくのも抜け目ない描写。まだ新シリーズ始まって 2 話目なので、こういう細かい描写を積み上げてキャラを描いていく必要がある。

52 話 あいね 応援

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また、みおちゃんの再三に渡るチャレンジに、あいねちゃんも一緒にやるんじゃなくて "外から応援" を選んでるのも、あいねちゃんらしい。彼女は "星宮いちご" ではないからね。

52 話 みお 輝きたい

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後は、みおちゃんが「PP をもっと輝かせる」ために「自分がもっと輝けば」と考えてるのがとても好きで。活動休止直前の、"「あいねのフォロー」 の為にしっかりしよう" としてた彼女はもういないのだ。"仲間でありライバルでもあるあいねは、自分が先に進んでもきっと追いついてきてくれる / 追い越そうとしてくれる" という言外の信頼が見て取れる。本編ではこのことについて特別に触れられてるわけではないという点もよくて、それだけもう当たり前な、自然なことなんだなってのが感じられる。

52 話 みお 輝きを手にする

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そこに関連していうと、みおちゃんは無重力の中で 宇宙 ≒ 無限に広がる星空 に思いを馳せ、その星々の光に負けない輝きを得ようと手を伸ばす。それが上述の「PP をもっと輝かせる」につながるわけで、無重力体験というトンチキ要素を今回の試練に据えた作中ロジックというのは、一応こう読み解けるのかな?
(それはそうとどうしても星が絡んでくると『スターズ!』を思い出す。或いは『オリジナルスター☆彡』)

52 話 みお 『セカイは廻る』

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ステージはみおちゃん新曲の『セカイは廻る』。音楽については映像以上に浅学で、技術的なことは何もわからないんですが、個人的な感想でいえばとても好きな曲です。『6cm』はスタイリッシュでありながら可愛らしい感じがしたけど、またそれとは違った感じで。ステージのネオンでサイケな雰囲気も相まって、カメラもぐわんぐわん動かして抜群にクールな感じ。JLR のアピール(ジュエリングアピールみたいな名前あるんだろうか?)でピカピカ光るのも、ドレスとステージギミックとの組み合わせでかっこいい。

52 話 ひびき(1)

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当然ながら、ひびきさんについての描写も重ねられていく。DFC に出場した 3 組を "導く" ってのは結構難しいと思うんだけど、その一つの材料として選ばれるのが「スペカツ」なのは、先述した細かいキャラ描写等もあって結構面白い。アイドルアニメなのに、女の子の可愛さを単純に描かずトンチキを一枚噛ませてくるのは "らしい" なぁ。無重力体験は文字通り斜め上だったけど。とまれ、その "無重力" というステージでひびきさんは 6 人を "導く(教える)" 立場になった。依頼者という立場もあるだろうが、あんな巨大装置を用意して、ジュエルについても(無重力同様)色々教えてくれたりして、やっぱり基本いい人な感じが強い。あと王子様属性っぽいのがあるのも面白い。一人でエルレイどっちもやっとる。
後やっぱり、今回の「スペカツ」の説明や無重力の描写等からして、ひびきさんは "自由" な側に属している感じが凄くする。

52 話 ひびき アリシアの城

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逆にアリシアさんは吹雪と城という "二重の密室" で文字通りの引きこもりで、前回の『天岩戸』的なイメージとやっぱりぴったし。

52 話 ひびき 砂漠
52 話 ひびき 雪山
52 話 ひびき 宇宙
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アリシアに相応しいフレンズになるため」に砂漠や雪山や宇宙でアイカツをするひびきさんもまた、引きこもる "女神" アリシアに対する "踊り子" って感じだ。とはいえ前回では「誰も見たことのないステージ」を求めてのスペカツといっていたので、このアリシアへの思いと「誰も見たことのないステージ」への思いの、どちらが先だったのか気になる所。今後掘り下げていく内に見えてくるのかな。とりあえず 2 話ではひびきさんの "アリシア LOVE" を結構聞くことができた。

52 話 ひびき(2)
52 話 アリシア
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現状、ひびきさんの直接描写が多く、アリシアさんは間接的・匂わす程度の描写中心。またアリシアさんに関しては、その描写で札が開かれるのではなく、謎があることの明示という感じの描写。この辺のカードをどんなタイミングで・どういうふうに開けていくのか、っていうのはかなり大事だろうなぁ。特に『フレンズ!』は前 2 作と違って、手札の強さで殴っていくのではなく、手札を組み合わせて・煮込んで・こねくり回して話を展開していくスタイルなので、内容よりもタイミングとかのほうが大切そうだ。

52 話 ひびき アリシア

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そんな中で、内容的にどうしても気になったのが一点。ひびき×アリシアフレンズの解散理由だ。今まで「ラブミーゾーンに当てられてきた」という説明が繰り返されてきたが、ここに来て「(アリシアの出身地である)王国からの緊急連絡でアイカツを中断」という説明が。現時点では従来のものと真っ向からぶつかるというわけではないが、この辺をどのように処理していくのかは流石に気になる所。LMT と PP という『フレンズ!』の中枢に関わることなので。投げっぱでゴリ押ししていくのか、整合性を取るのか……『シリーズ』はこういう所の接続は苦手な印象があるんだよなぁ(玩具販促アニメだから仕方ない面もある)。アリシア側からの視点がまだ伏せられてる以上、ここ全体が伏せ札であり、一応の真実があると信じたい。というか 2 年目が始まった後の 51 話でも、ミライさんが「私達のラブミーゾーンを観て引退してしまった幻のフレンズ」といっていたので、投げっぱということはないと思うが。51 話でひびきさんが反論もリアクションもしてなかった以上、「LMT の勘違い」や「ラブミーゾーンが無関係」というのもないと思うんだけど、さてはてどうなるか。

とまれ、「スペカツ」の体験でみおちゃんがまた一段(6cm?)上へ成長し、それと並行してひびきさんの一端が描かれた回でした。まだ始まったばかり かつ 『フレンズ!』の作風的にも序盤飛ばすわけじゃないので、まだまだ小手調べという感じ。この辺は序盤からいちごエンジンフル稼働な『アイカツ!』と比較すると、作風の違いを感じられて面白いですね。
次回はひびきさんメイン回だろうか。"アーティスト" としての一面に触れるみたいな内容。とても個人的な話になりますが、『シリーズ』に沢山いた "デザイナー" との差異をガッツリ描いてくれると嬉しいなぁ、と思ったり。とりあえず、楽しみです。

追記

52 話 みお 輝く
52 話 みお JLR入手
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ソロ展開でみおちゃんが一人先をいくのは最早テンプレになってますが、やっぱりみおちゃんの非凡さが伝わってきていいですね。
あとはステージ後のひびきさんの
「ひたむきにアイカツに挑み続ける君の心に、ジュエルは惹きつけられたんだろう」
「ジュエリングドレスをまとった、それこそが君の輝きが本物だという証だ」
というセリフが、みおちゃんのストイックさが報われた感じがしてとても良かった。若干物質的・トロフィー的なきらいがあるけども、あの一年(というかそれ以上)のストイックでクソ真面目な歩みの先に今回のステージがあったっていうのは、とても救われた気持ちになる。一年目のように、時には自身のそのストイックさに振り回されたり、傷つけられたり、傷つけたりもしたけども、"真面目に努力すること" が悪いはずがなく。湊みおの血と汗が染み込んだ努力の歩みが、同世代から頭一つ抜け出した輝きに繋がるんだよなぁ……。みおちゃんやっぱりすごい!